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お隣「どんな家を建てるのか教えて」境界から50cm強の新築、元住宅営業マンが痛感したご近所トラブルの火種

  • 2026.10.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、元注文住宅営業マンのホリカワです。

窓を開けて風を通すのが、心地よい季節ですね。ただ、家が密集する住宅地では、開けた窓の先に、お隣の窓が見えることもあります。

法律で定められた距離の決まりを守って建てた家でも、お隣同士がカーテンを開けたまま暮らせるとは限りません。建てられるかどうかと、お隣がどう感じるかは、別の問題だからです。

10年ほど前、営業をしていたころ、敷地の境界近くまで使って家を建てたご夫婦がいました。私はその現場で、この「隣り合う暮らしの繊細さ」を痛感したのです。

50cm強離して建てる家に、お隣から届いた相談

私が担当していた30代のご夫婦が選んだのは、間口が狭く奥に長い土地でした。周りも似た形の土地が多く、境界の近くまで使って建てた家が並ぶ地域で、家同士の間の空間があまりありません。

設計士はご夫婦に、次の2つを説明しました(民法234条・236条)。

  • 民法では、建物を境界線から50cm以上離して建てるのが原則
  • お互いの合意がある場合や、これと違う慣習がある地域では、50cmより近づけることもできる

最終的に、境界から50cmを少し超える、ギリギリの距離で建てるプランで設計することに。

地鎮祭のあとすぐ、近所に挨拶回りをして名刺を渡し、留守宅には案内の紙をポストへ入れました。

地鎮祭のあとに届いた、お隣からの連絡

あとから連絡をくれたのは、そのとき留守だった南側のお隣のご家族です。

張られた地縄(建物の位置を示すために地面に張る縄)と、案内の紙を見て、「のぞかれないか心配で…どんな家を建てるのか教えてほしい」とのことでした。

お施主さまご夫婦に伝えると、不安な様子でした。「図面を見せてもいいので、説明しに行ってほしい」と頼まれ、配置図(敷地と家の位置関係を示す図面)に窓の位置を書き込んで説明へ。

まずは、こんなことを伝えました。

  • こちらの窓を、お隣の窓の正面からずらしていること
  • 窓を型板ガラスや高窓にしていること

型板ガラスとは、表面に凹凸加工がしてあり、透けにくいガラスのこと。高窓は、壁の高い位置に付く窓で、立ったときの目線より上にあるぶん、お隣の窓と目線が合いにくくなります。

さらに、境界線から50cm以上離して建てること、工事の足場が越境(境界を越えて、お隣の敷地に入ること)しないことも伝えました。

「わかりました」のあとに残った反省

説明を聞いたお隣のご家族は「わかりました」と言ってくださいました。工事中も工事のあとも、それ以上のご相談はありませんでした。しかし、お施主さまを不安にさせてしまったと反省しています。

挨拶回りで渡したのは、名刺と案内の紙だけでした。お隣から心配の声が届くかもしれないことも、ご夫婦には話していませんでした。

説明に使った配置図は、連絡をもらってから、測量図にあったお隣の窓を書き写し、こちらの窓も書き加えたものです。

挨拶回りの前に用意して、お施主さまにも伝えておけばよかったと思っています。お隣の心配を見越した準備の大切さを実感した経験でした。

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お隣に見えていたのは、案内の紙と地縄だけ

私の営業時代の実感では、地縄の状態で見る50cmは迫って見えます。しかも地縄では、窓がどこに付くかまではわかりません。

電車で、すぐ隣に座られると落ち着かないものです。座るのは自由でも、座られた側の気持ちは別。

境界に近い家の窓も同じで、距離の決まりを満たすことと、お隣の安心は別の問題になります。

着工前の挨拶までに、窓の位置を書き込んだ配置図を用意しておく

お隣から心配の声が届いたとき、誰が、何を見せて説明するのか。境界に近い家を建てるなら、打ち合わせの段階で確かめておきたいところです。

見せるなら、間取りまでわかってしまう平面図より、窓の位置を書き込んだ配置図が無難でしょう。そこで大切になるのが、測量です。

お隣の窓の位置まで正確に測っておけば、あとで配置図に書き写すことができます。測っていなければ、正確に説明することができません。

可能なら、測量を頼む段階で、建築会社の担当者に「お隣の窓の位置も測っておいてください」と伝えておきましょう。あの現場でも、測量士さんに頼んで測ってもらっていました。

頼んでおかないと、測量の対象から漏れることがあります。お隣の窓まで図面に載れば、お隣に説明しやすいだけでなく、建てる側が窓の位置を決める際の判断材料になります。

着工前の挨拶には、窓の位置を書き込んだ配置図を持っておくと安心です。聞かれたときにすぐに見せられれば、その場で話し合えます。

あの現場で教わったこと

法律上はOKでも、心情的にどうかは別問題。私は、あの現場でそう教わりました。家と家が近いほど、窓の位置ひとつがお隣の暮らしに関わります。

境界が近くても、事前の配慮と準備があれば、不安を解きほぐしやすくなります。お互いの暮らしを尊重し合う工夫を重ねて、胸を張って新しいスタートを切ってほしいと思います。


参考:隣地境界線から50cm以内に住宅を建築されてしまうが変更させられないか(長野県建築士会)


ライター:ホリカワ ダット
注文住宅の建築会社に営業職として従事したあと、SEOライターとして独立。500組以上の家づくり相談に携わった経験をもとに、「マイホーム取得を少しでもラクに」をテーマに、住宅ジャンルの記事を幅広く執筆中。インテリアコーディネーター/1級カラーコーディネーター(商品色彩)資格保有。


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