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妻「こんなにかかるのね」母との同居へ実家を建て替える52歳、見積もりが400万円も増えたワケ

  • 2026.10.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。親が高齢になってくると、実家を建て替えて一緒に暮らすことを考える方もいるのではないでしょうか。

今回は、崖の上に建つ実家の建て替えで擁壁の工事が必要になり、費用が400万円増えたGさんのお話を紹介します。

崖の上の実家、擁壁に検査を受けた記録がなかった

都内で妻と2人で暮らすGさん(52歳・会社員)は、2年前に父を亡くし、実家を相続しました。築45年の木造の実家では、79歳の母が一人で暮らしています。

実家は、前の道路より3mほど高い土地に建っています。道路との境は高さ3mの石積みの壁で、上の土地の土が崩れないように支える「擁壁」です。家の傷みが目立ってきたこともあり、Gさん夫婦は実家を建て替えて、母と一緒に暮らすことに決めました。

ハウスメーカーに相談すると、間取りの希望をもとに概算の見積もりを出してくれました。担当者からは、設計に入る前に区の窓口で擁壁の記録を調べるという説明がありました。

東京都の条例では、高さ2mを超える崖の近くに家を建てるとき、崖を支える擁壁が安全なものであることが求められるためです。調べてもらうと、擁壁の「検査済証(検査を受けた記録)」がありませんでした。

担当者からは「検査の記録がないので、この擁壁のままでは新しい家を建てられません」と告げられます。

擁壁の造り直しは見送り、基礎を深くして400万円増

条例では、崖の下端(一番下の部分)から、崖の高さの2倍以内に家を建てるとき、安全な擁壁が必要です。実家の擁壁は高さ3mなので、擁壁の下から6m以内がこれにあたり、家はその範囲に入っていました。

担当者から示されたのは、以下2つの方法です。

  • 擁壁を造り直す
  • 家の基礎を地中深くまで下げて、擁壁に家の重さがかからないようにする

擁壁の造り直しは費用が大きくなるため、Gさんは基礎を深くするほうを選びます。

しばらくして届いた見積書は、相談のときの概算より400万円増えていました。見積書を見せると、妻は「土地のほうにもこんなにかかるのね」と驚きました。

Gさん夫婦は母との同居の計画はそのままに、基礎を深くして建て替えを進めることにしました。

擁壁のある土地の建て替えは、資金計画の前に検査の記録を確かめる

擁壁のある土地で建て替えを考え始めたら、資金計画を立てる前に「擁壁に検査を受けた記録があるか」を確かめましょう。区市町村の建築の窓口で調べられるほか、Gさんのようにハウスメーカーの担当者に調べてもらうこともできます。

記録がない擁壁のそばに家を建てるときは「擁壁を造り直す」か「基礎を深くする」などの工事が必要になり、建物の費用とは別にお金がかかります。記録の有無が分かってから見積もりを取れば、あとから予算が大きく変わる心配を減らせるでしょう。

参考:建築敷地周辺に高低差がある場合(東京都建築安全条例第6条)(東京都北区)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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