1. トップ
  2. 住まい
  3. 「急いで決めなくていいですよ」笑顔のベテラン社長に家探しを任せた40代夫婦。3日後の電話で告げられた一言

「急いで決めなくていいですよ」笑顔のベテラン社長に家探しを任せた40代夫婦。3日後の電話で告げられた一言

  • 2026.10.9
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

買い物をするとき、店員さんの丁寧な接客にひかれ、「この人から買いたい」と思った経験はありませんか。住宅購入でも、こちらの話をじっくり聞いてくれる担当者に出会うと、心強いものです。

ただ、人柄のよさに安心するあまり、仕事の進め方に感じた違和感を見過ごしてしまうこともあります。

今日は、「購入を急かさない、いい人だ」と感じたベテラン社長に家探しを任せた40代夫婦が、相談を重ねるうちに思わぬ事態に直面したエピソードをご紹介します。

決め手は笑顔と人柄。安心して家探しを任せた夫婦

これは、近所に住み、家族ぐるみで親しくしているAさんから聞いた、数年前の家探しのお話です。

当時40代だったAさん夫婦は、住宅購入を検討し、地域で長く不動産業に携わってきたB社長に相談しました。初めての住宅購入で、分からないことばかり。予算や希望する間取りを伝える夫婦に、B社長は笑顔で耳を傾けます。

「大きな買い物ですから、急いで決めなくていいですよ。納得できる家を探しましょう」

購入を急かされるのではないかと身構えていたAさんは、その言葉にほっとしたそうです。

「この人なら、何でも相談できそうだね」

妻も同じ印象を持ち、夫婦はその社長に家探しをお願いすることにしました。ところが、相談を続けるうちに、少しずつ気になることが出てきます。問い合わせへの返信が遅く、内見の待ち合わせにも遅刻。送ってもらうはずの資料が届かず、Aさんから催促することもありました。

「感じはいいけど、こちらから連絡しないと進まないね」

妻にそう言われ、Aさんも同じ不安を感じていたといいます。それでも、「経験は豊富だし、悪い人ではないから」と考え、そのまま相談を続けたのです。

「修繕履歴を確認できれば申し込みたい」返事を待った3日間

その後、夫婦は希望する立地や間取りに合い、予算内に収まる中古住宅を見つけました。

「ここなら、二人とも納得できそうだね」

ようやく購入したいと思える物件に出会い、夫婦の気持ちは高まります。ただ、長く住む家だからこそ、これまでどのような修理や補修が行われてきたかを確認しておきたいと考えました。AさんはB社長に伝えます。

「修繕履歴を確認して、問題がなければ購入を申し込みたいです。売主さんに聞いていただけますか?」
「分かりました。確認して連絡します」

ところが、その日は連絡がなく、翌日になっても返事は届きませんでした。

「まだ確認が取れていないのかな?」
「申し込みたいとは伝えているし、何か分かったら連絡してくれるでしょう」

夫婦はそう話し、B社長からの返事を待っていました。

しかし、3日たっても連絡はありません。しびれを切らしたAさんが電話をすると、思いがけない話を聞かされます。

「実は、別の購入希望者との話が進んでいまして…」
「えっ!?こちらは修繕履歴の返事を待っていたんですが…」

購入したいという気持ちは伝えていたものの、正式な申し込みには進んでいなかったAさん夫婦。結局、その物件を購入することはできませんでした。

確認結果も途中経過も知らされないまま希望の家を逃し、夫婦は再び物件を探すことになったのです。

あの家が買いたかったのに…。予算を200万円増やし、購入時期も遅れることに

希望の物件を逃したあと、妻はAさんに言いました。

「返信が遅いのは、前から気になっていたよね。もっと早く相談先を変えていればよかった」

Aさんも、資料を催促したことや、内見の待ち合わせで待たされたことを思い返し、後悔したそうです。夫婦は別の不動産会社に相談し直し、再び家探しを始めます。しかし、逃した物件のように、立地や間取り、価格の条件がそろう家は、すぐには見つかりませんでした。

最終的に選んだのは、当初の予算より200万円高い物件。購入時期も予定より遅れてしまいました。

「200万円も予算を増やすことになるなんて。あの家を買いたかったのに…」

そうAさんは嘆きました。別の物件を購入したため、この200万円がそのまま損失になったわけではありません。それでも、予算を見直し、家探しにさらに時間をかけることになった夫婦にとって、大きな負担でした。

話しやすさに安心し、対応への不安をそのままにしてしまったことが悔やまれるようでした。

人柄に加えて「連絡と約束」を確認する

住宅購入では、担当者の人柄だけでなく、連絡の速さや約束を守る姿勢も大切です。会社の人数や経験年数だけで、対応の質は判断できません。

確認を依頼するときは、返事をもらう時期を相談し、時間がかかる場合も途中経過を知らせてもらいましょう。

また、買付証明書(購入の申し込み書)に条件を記載して、購入意思を伝える方法もあります。今回なら、「屋根・外壁の修繕時期と内容を確認し、納得できた場合に購入を希望します」などです。担当者と条件や確認期限を相談しておくとよいでしょう。ただし、無条件の希望者が優先されることもあるため、提出しても物件が確保されるとは限りません。

焦って必要な確認を省くことは避けつつ、対応への不安が続くなら相談先の変更も検討しましょう。「話しやすい人か」に加え、「安心して手続きを任せられる人か」まで見極めることが大切です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ