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「ほら、また」私と母が外へ出ると玄関から現れる向かいのおばあちゃん。父の朝だけ違った光景

  • 2026.9.29

私が出かけると、向かいのドアが開く

私は両親と3人で、生まれ育った実家に暮らしている。家の前の細い道路をはさんだ向かいには小さな平屋があり、白髪をきれいにまとめたおばあちゃんが住んでいる。

気になり始めたのは、5〜6年前だった。

私が出かけようと玄関を出ると、なぜか向かいの家の玄関も開く。おばあちゃんは戸口に立ち、こちらをじっと見ている。

「おはようございます」

私が会釈をしても、おばあちゃんは小さくうなずくだけ。話しかけてくることはなく、私が角を曲がるまでそこに立っていた。

最初は、たまたま外へ出る時間が重なっているだけだと思っていた。

ところが、ある朝、母と一緒に出かけたときにも、門を出たところで向かいの玄関が開いた。

「ほら、また」

母が小さな声で言った。

その晩、台所で母と話しているとき、私は前から気になっていたことを口にした。

「私が出かけると、向かいのおばあちゃん、よく玄関から出てくるよね」

「そうなの。お母さんのときもなのよ」

「どうして分かるんだろうね」

母は答えず、カーテンのすき間から向かいの家を見た。窓は閉まっていて、明かりもついていなかった。

父が出かける朝には、何も起きなかった

おばあちゃんが道端でほかのご近所さんと話している姿も、ときどき見かけた。

私が通りかかると、話し声が小さくなり、二人そろってこちらを見ることもあった。ただ、何を話しているのかは一度も聞こえたことがない。

ある土曜日、父が車で出かける朝、私と母は居間の窓から向かいの家を見ていた。

父が荷物を積み、エンジンをかける。車が家の前から走り去るまで待ってみたが、向かいの玄関は一度も開かなかった。

「お父さんのときは、出てこないのね」

「うん。私たちのときとは違うね」

「どうしてなのかしら」

母とこの話をしたのは、これで2度目だった。

夕方に帰ってきた父にも話してみたが、父は首をかしげた。

「俺は一度も見たことないぞ。気のせいじゃないか」

理由は分からないまま

ここ1年ほどは、向かいの玄関が開く回数も以前より減った。

それでも、なくなったわけではない。

おばあちゃんは何かを言ってくるわけでも、こちらに何かしてくるわけでもない。ただ玄関に立ち、こちらを見ているだけだ。

私たちが外へ出ることをどうやって知っているのか。なぜ父のときには出てこないのか。今も理由は分からない。

私は今も同じ家に住んでいる。

朝、玄関のドアに手をかけると、いつの間にか耳が向かいの家の物音を気にするようになった。

「いってきます」

台所にいる母へ声をかけ、玄関を開ける。

すると道路の向かいで、向かいの家の玄関が静かに開いた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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