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「ねえ、知らないゴミが入ってるんだけど」毎週うちのゴミ箱に入る2つの袋。直接言えなかった私が取った方法

  • 2026.9.29
「ねえ、知らないゴミが入ってるんだけど」毎週うちのゴミ箱に入る2つの袋。直接言えなかった私が取った方法

ふたを開けた手が止まった朝

うちの玄関先には、ふた付きの大きなゴミ箱を置いている。

カラスよけに夫が買ってきたもので、燃えるゴミの日は袋をそこに入れておき、朝8時前に角のゴミ置き場まで運ぶのが私の役目だった。

ある朝、ふたを開けたところで手が止まった。うちの袋は1つだけのはずなのに、見覚えのない袋が2つ、奥に押し込まれていた。

「ねえ、知らないゴミが入ってるんだけど」

「うちのじゃなくて?」

「違うよ。うちは青いひもで縛ってるでしょ」

夫も首をかしげたが、誰のものかは分からない。その日は仕方なく、3つの袋をまとめて角のゴミ置き場まで運んだ。

翌週の燃えるゴミの朝、洗面所の窓から外を見て、ようやく理由が分かった。

隣の奥さんが袋を2つ提げて出てきたかと思うと、うちのゴミ箱のふたを開け、そのまま中へ入れて家に戻っていったのだ。越してきたときに一度あいさつをしただけで、それ以外はほとんど話したことがない相手だった。

私は台所にいた夫へ、見たままを伝えた。

「燃えるゴミの朝、うちのゴミ箱に隣の袋を2つ。今、入れていった」

「やっぱり隣だったんだ。言いに行く?」

「ううん。できれば直接は言いたくないな」

これからも隣同士で暮らしていくと思うと、面と向かって注意するのはためらわれた。その後もしばらく、私は何も言わずに袋を運んだ。

ふたに貼った名前の一枚

それでも、よそのゴミを運び続けるのは気が重かった。

ある晩、私は白い紙に大きめの字で自分の名字を書き、その下に一行だけ添えた。

「このゴミ箱は、この家の専用です。ご協力ありがとうございます」

雨でにじまないよう透明のテープで覆い、ふたの真ん中に貼った。夫がそれを見て言った。

「これなら、怒ってる感じはしないね」

「うん。うち専用だって分かればいいから」

次の燃えるゴミの朝、私はカーテンのすき間から外を見ていた。夫も隣で様子を見ていた。

7時を少し過ぎたころ、隣の奥さんが袋を提げて出てきた。いつものようにうちのゴミ箱へ近づき、ふたに手を伸ばす。

ところが、貼り紙に気づいたところで動きが止まった。

奥さんはしばらく紙を見たあと、伸ばしていた手を下ろし、袋を持ち直した。そして何も言わず、そのまま角のゴミ置き場へ歩いていった。

夫が小さな声で言った。

「……行ったね」

それ以来、ふたを開けても入っているのは、うちのゴミだけになった。

何週間かたった朝、ゴミ置き場で奥さんと顔を合わせた。奥さんは先に軽く頭を下げ、自分の袋をネットの下へ入れた。

「おはようございます」

私もそう返して、家へ戻った。

直接言い合うことはなかった。玄関先のゴミ箱には、今もあの紙が貼ってある。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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