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「お互い様でしょう」半年間、通路にはみ出していたお隣さんの荷物。植木鉢がずれた翌日、土の下から現れた杭

  • 2026.9.29

境目に増えていく荷物

私の家の玄関脇には、お隣との境目に沿って細い通路があります。

裏の物置へ回るときも、ゴミを出すときも、私はいつもそこを通っていました。

半年ほど前から、その境目ぎりぎりに、お隣の自転車や段ボールが置かれるようになりました。

40代くらいの奥さんが、宅配の空き箱をまとめて立てかけていくのです。

最初は「これくらいなら」と何も言いませんでした。

しかし、荷物があるたびに体を横にしなければ通れません。

雨の日には傘を畳み、濡れた段ボールに服が触れないよう身をすくめて通っていました。

ある朝、ゴミ袋を持って通路へ出た私は、思わず足を止めました。

通路の端に並べていた私の植木鉢が斜めに押され、土がこぼれていたのです。すぐ横には、お隣の自転車が止まっていました。

ちょうど奥さんが玄関から出てきたので、私は声をかけました。

「すみません。植木鉢がずれて、土もこぼれているんですが…」

奥さんは植木鉢を見てから、少し首をかしげました。

「ああ、自転車を入れるときに当たったのかしら。少しくらいいいじゃないですか」

「でも、ここを通るので、荷物があると困るんです」

そう伝えても、奥さんは納得していない様子でした。

「少しくらいいいじゃないですか。お互い様でしょう」

そして自転車の鍵を外すと、そのまま出かけていきました。私は言葉が続かず、こぼれた土を拾い集めました。

土の下から出てきた小さな杭

その週末、回覧板を届けに来た自治会長さんに、思い切って相談しました。

70代くらいの男性で、この辺りの家が建ったころから住んでいる人です。

事情を聞いた自治会長さんは、通路を見ながら言いました。

「境目の目印になるものがないか、一度確認してみましょうか」

翌日の夕方、自治会長さんは奥さんにも声をかけ、私たち三人で通路に立ちました。

植木鉢の近くを見ていた自治会長さんが、土を少し払います。

すると、小さなコンクリートの杭が現れました。頭には十字の線が刻まれています。

「ここに杭がありますね。まずはこれを目安にして、お互い荷物が向こう側へ出ないように置く形にしませんか」

奥さんは杭と自転車を交互に見ました。

「……ここだったんですね」

ちょうど向かいの家のご主人が通りかかりましたが、私たちはそのまま荷物の位置を確認しました。

その日のうちに、自転車も段ボールも杭を越えない位置へ移されました。

私は植木鉢を元の場所に戻し、こぼれた土を整えて水をやりました。

翌朝、自転車を出していた奥さんと目が合いました。

「おはようございます」

「……おはようございます」

短いやり取りでしたが、奥さんは自転車を自分の側で押し、私が使っている通路には車輪を入れずに角を曲がっていきました。

気まずさがすっかり消えたわけではありません。

それでも、曖昧なままだった場所を一度一緒に確認したことで、以前のように荷物を避けながら通ることはなくなりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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