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「それ、プラスチックが混ざってない?」ごみ袋の分別に厳しい住人。後日、収集後に残された袋を見てこぼした一言

  • 2026.9.29

集積所の前に立つ班長さん

町内のごみ集積所には、週3回の燃えるごみの日になると、決まって町内会の班長さんが立っている。

60代くらいの女性で、住人が袋を置くたびに、結び目のあたりをじっと見ていた。

その朝も、私が袋を提げて角を曲がると、班長さんがこちらを向いた。

「おはようございます」

「それ、プラスチックが混ざってない?」

「いえ、分けたつもりですけど…」

「ちょっと開けて見せてもらえる?」

言われるまま結び目をほどくと、班長さんは中をのぞき込んだ。ようやく結び直したところで、もう一度確認したいと言われ、私は再び袋を開けることになった。

袋を置いて家へ戻ろうとすると、向かいの家のご主人が門の前から声をかけてきた。朝の散歩から帰ったところで、やり取りを見ていたらしい。

「開けさせられてましたよね」

「ええ。さすがにちょっと驚きました」

「うちもこの前ありましたよ。みんな、できれば班長さんがいない時間に出したいみたいで」

それから私は、ごみの日になると玄関を出る前に、つい集積所のほうを気にするようになった。

収集車が去ったあとに残った一袋

ある収集日の朝、散歩の帰りに集積所の前を通った。

収集車はすでに行ったあとで、ネットの下に袋が1つだけ残されている。

袋には黄色い紙が貼られ、「分別をお願いします」と書かれていた。

そこへ班長さんがやって来た。残された袋を見るなり足を止め、しばらく見つめてから小さな声を漏らした。

「…うちのだわ」

班長さんの表情が固まった。

「これは、その…」

以前のことを思い出し、私も一瞬何と言おうか迷った。それでも、責める気にはなれなかった。

「分別って難しいですよね。うちも迷うことがあります」

「…そうね」

班長さんはそれだけ答えると、袋を両手で抱えて家のほうへ歩いていった。門の前にいた向かいのご主人と目が合うと、ご主人は小さくうなずいた。

それ以来、少なくとも私が見かける限り、班長さんが住人に袋を開けるよう求めることはなくなった。

ごみの日に顔を合わせても、少し離れたところから会釈をするだけだ。

「おはようございます。今日は冷えますね」

私が袋を置くと、班長さんは「おはようございます」と返し、自分の袋の結び目をそっと確かめていた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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