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「上手!天才!」深夜まで続く親子の声。だが、2週間分の記録を一枚の手紙にした結果

  • 2026.9.29
「上手!天才!」深夜まで続く親子の声。だが、2週間分の記録を一枚の手紙にした結果

深夜の壁ごしに届く掛け声

隣の家に若い夫婦が越してきたのは3年前です。

道で会っても、軽く会釈をするくらいの関係でした。

それでも、特に困ることはありませんでした。

やがて夫婦に子どもが生まれ、様子が変わったのは今年に入ってからです。

夜11時半を過ぎるころになると、隣から床を走り回るような足音が響くようになりました。

アニメの歌も聞こえ、その合間に母親の明るい声が重なります。

「上手!」

「いいよ、天才!」

枕元の時計を見ると、深夜1時。子どもの笑い声に悪気がないことは分かっています。それでも、その声や足音は2時ごろまで続き、そんな夜が週に5日ほどありました。

「また始まったね」

「明日も早いのに……」

夫と小声で話しながら、私は布団を頭までかぶりました。それでも、いったん気になった音はなかなか耳から離れません。

直接伝えることも考えました。ただ、普段ほとんど付き合いのない家へ突然苦情を言いに行くのはためらわれましたし、子ども自身を責めたいわけでもありません。

そこで私は、音や声が気になった日の日付と、始まった時間、静かになった時間をノートに書き留めることにしました。

2週間分の記録を一枚の手紙に

2週間たつころには、同じような時間帯の記録が何日も並んでいました。

私はそれを便せん一枚にまとめました。日付と時間を書き、その上には、実際に聞こえていた言葉も添えました。

手紙を持って向かったのは、町内会長さんの家です。

直接伝えるより、まず地域のことをよく知る人に相談したいと思いました。

70代くらいの会長さんは、便せんを最後まで読むと、丁寧に折って封筒へ戻しました。

「お名前は出しません。近所からのお願いという形で、私から話してみますね」

その言葉に、私はほっとしました。

会長さんが2度伝えたお願い

その週の土曜の夕方、2階の窓から外を見ると、隣の玄関先に会長さんが立っていました。しばらくすると母親が出てきて、玄関先で話し始めました。

静かな時間帯だったため、会長さんの声はこちらまで聞こえてきます。

「小さいお子さんがいると大変ですよね。ただ、夜11時を過ぎると、この辺りは声がよく響くんです。少し気をつけてもらえると助かります」

母親は少し間を置いて答えました。

「すみません。でも、うちの子、夜型で…」

すると会長さんは声を荒らげることなく、もう一度伝えました。

「そうですよね。ただ、夜11時を過ぎると声がよく響くので、そこだけお願いします」

母親はしばらく黙ったあと、小さく頭を下げました。

向かいの家の奥さんも、植木に水をやる手を止め、会長さんに会釈していました。

その夜、10時半ごろに隣から歌声が聞こえてきました。しかし、11時前には静かになりました。

次の夜も、その次の夜も同じでした。久しぶりに、朝まで一度も目を覚まさず眠ることができました。

数日後、ゴミ出しのときに隣の母親と顔を合わせました。

「おはようございます」

先に頭を下げたのは、母親のほうでした。

私も「おはようございます」と返しました。

それ以上、言葉を交わすことはありませんでした。でも、直接ぶつかる前に記録を残し、間に入ってもらったことで、必要以上に関係をこじらせずに済んだのだと思います。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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