1. トップ
  2. エピソード
  3. 「昔はかなり遊んでいて」と披露宴で新婦の過去を話し始めた友人代表。5分続いたスピーチに司会者がかけた一声

「昔はかなり遊んでいて」と披露宴で新婦の過去を話し始めた友人代表。5分続いたスピーチに司会者がかけた一声

  • 2026.9.29

笑いの起きていたスピーチが、途中で変わった

2年ほど前、大学時代からの友人の結婚式に出席した。

新婦とは同じゼミで、卒業後も年に何度か集まる仲だ。

私はゼミ仲間と一緒に、新婦側の円卓に座っていた。

披露宴も後半に入り、新婦側の友人代表として、会社の同僚だという女性がマイクの前に立った。

「入社した日、隣の席で最初に声をかけてくれたのが彼女でした」

最初は仕事で助け合った思い出が中心で、会場からも何度か笑いが起きていた。新婦も高砂で楽しそうに聞いていた。

ところが途中から、話の雰囲気が変わった。

「でも彼女、昔はかなり遊んでいて。彼氏が途切れなかったんですよ」

それまで聞こえていた笑い声が、急に小さくなった。

隣のゼミ仲間も、フォークを置いて私を見る。

「それ、ここで言う話か…?」

「うん…ちょっとな」

友人代表はその空気に気づいていないのか、少ししてまた同じような話を口にした。

新郎側では親族らしい人たちが顔を見合わせている。新婦は笑顔を保っていたものの、先ほどまでより表情が硬く見えた。

スピーチが始まってから、すでに5分ほどたっていた。

話の切れ目に入った司会者の声

友人代表が言葉を切った瞬間、司会者が明るい声で入った。

「ありがとうございました。新婦さんのいろいろな一面が伝わるお話でした。では、新郎さんにもひと言いただきましょうか」

友人代表はそこで話を止め、司会者は高砂へ視線を向けた。

新郎はスタッフからマイクを受け取ると、隣の新婦を一度見てから会場へ向き直った。

「今の彼女のことは、僕がいちばん近くで見ています。これからも二人でやっていきますので、よろしくお願いします」

会場から拍手が起きた。私の隣のゼミ仲間も、ほっとしたように手をたたいていた。

「…よかった。ちゃんと終わったな」

「司会の人も、入るタイミングを見てたんだろうな」

友人代表はそのまま席へ戻り、新婦もようやく少し表情を緩めていた。

帰りの電車で、ゼミ仲間が引き出物の袋を膝に置きながら言った。

「結婚式のスピーチって、何を話すかだけじゃなくて、どこまで話すかも大事なんだな」

私もその日の会場の空気を思い出しながら、静かにうなずいた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ