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「家族に迷惑をかけずに済む」銀行口座を一つにまとめた70代女性→死後、遺された家族を待ち受けていた“900万円”の大誤算

  • 2026.11.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・ikebuです。

「残された家族の相続手続きが大変にならないよう、終活として銀行口座を1つにまとめておこう」

そう考えて口座の整理を進めていませんか?実は、本当に重要なのは単に「口座を減らすこと」ではなく、「どこにどんな資産があるかを家族が正確に把握できる状態にすること」です。本人が存在自体を忘れていた古い口座があると、思わぬトラブルに発展してしまうかもしれません。

今回は、口座を1本化したはずの70代女性の事例から、相続で失敗しない口座整理と財産目録の作り方をお伝えします。

「相続手続きが大変になるから」銀行口座をまとめた女性

70代の女性・Aさん(仮名)は、終活を意識して自宅の片付けを始めていました。

貴重品を保管している引き出しを開けると、中にはAさん名義で5冊もの通帳が。

「父が亡くなったとき、あちこちの銀行で相続手続きをするのが大変だったことを思い出しました。私に万が一のことがあったら家族に手間をかけてしまうので、使っていない銀行口座を解約して、ひとつの口座にまとめようと思います」

Aさんが日常的にお金の出し入れをしているのは年金が振り込まれている口座のみで、他はほとんど動かしていない状態でした。

Aさんは使っていない口座をすべて解約し、年金振込があるメイン口座にお金をまとめることに。

「銀行での相続手続きは口座ひとつ分で完結できるし、これで家族に迷惑をかけずに済む」

そう安心していたそうです。

Aさんの死後、家族を襲った誤算

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

4年後、Aさんが死亡して相続が発生。相続人はAさんの娘2人と息子1人の3人でした。

「口座をひとつにまとめておいた」と聞いていたAさんの息子が通帳を確認すると、残高は約2,000万円。

長年一人暮らしをしていたAさんを支えていたのは息子であったことから、息子が約800万円、娘2人が約600万円ずつ相続することで話がまとまりました。

しかしその5か月後、Aさんの息子が遺品を整理していると、Aさん名義の通帳と定期預金証書が新たに見つかります。

「引越し前に住んでいた隣県の地方銀行のもので、合わせて900万円ほどありました。貴重品をまとめていた引き出しとは別の棚から出てきたので、母自身も忘れていたみたいです。もともと遺産分割の話し合いが難航しており、やっとすべて終わったと思っていたのに…。もしかしたら他にも口座が出てくるかもしれないので、早めに遺品整理を進めてみます」

その後、家の中を隅々まで探しましたが、他の口座が見つかることはなかったそうです。

新しく見つかった900万円の分割方法については、これから再度相談すると話されていました。

財産目録を作成して確実な情報共有を

終活で銀行口座を1つに集約しても、本人が忘れていた古い口座が死後に発見されると、遺産分割が難航するなど家族に大きな負担をかけます。

トラブルを防ぐためには、単に通帳をまとめるだけでなく、過去に利用した金融機関を含めて洗い出し、預貯金や保険、有価証券の置き場所を一覧化した「財産目録」を生前に作成しておくことが有効です。

「口座を解約したから安心」と思い込まず、資産情報を可視化して遺された家族が迷わず手続きできる環境を整えておきましょう。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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