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「妻の給与は全て貯金に」共働きで“6,000万円”を貯めた60代夫婦→1年後、妻が急死してしまい…夫を直撃した“想定外の大誤算”

  • 2026.10.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

「夫の給与は生活費、妻の給与は全て貯金に」

このような家計管理を採用している人は多いのではないでしょうか。しかし、家庭の貯蓄がどちらか片方の口座に偏ることには、思わぬデメリットも潜んでいます。

今回は、妻の給与をすべて貯蓄に回していた結果、想定外の事態に襲われた夫婦の事例を紹介します。

「妻の給与は貯金」6,000万円貯めた夫婦

60代の男性・Aさん(仮名)は、長年妻と共働きで生活していました。

Aさん夫婦は、家族の生活費をAさんの給与で負担しています。

妻の給与からは、妻自身のお小遣いや臨時の出費をまかなう程度で、残りは給与口座にそのまま貯蓄していたといいます。

そんな中、妻は60歳で退職を迎えました。給与口座の残高は、約6,000万円に。

退職金2,500万円を合わせると、貯蓄は約8,500万円となりました。

「これで夫婦の老後生活も安心」

そう思っていたといいます。

妻の死後に発覚した“まさかの誤算”とは

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

退職から1年後、Aさんの妻は急病で帰らぬ人となりました。当時、Aさんはまだ現役で働いていたため、妻の口座にある貯蓄には手を付けていない状態です。

妻の遺産は、以下のとおり。

  • 貯蓄:約8,500万円
  • 独身時代からの貯蓄:約500万円

総額は約9,000万円。相続人は、Aさんと息子2人の3人です。

法定相続分通り、Aさんが2分の1、子どもたちがそれぞれ4分の1ずつで分けた場合、子どもたちは120万円ずつ相続税を支払うことになります。

「合計240万円も税金が取られるなんて、もったいないなと…。配偶者は税額軽減があって1億6,000万円または法定相続分までは非課税で相続できるらしいので、ひとまず夫である私が全額を相続するのが得策かなと思っていました」

ただし、配偶者の税額軽減を使うには、納める相続税が0円になる場合でも、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に、相続税の申告書を税務署に提出する必要があります。また、原則として、それまでに遺産の分け方が決まっていることも条件です(期限までに決まらない場合は、届け出をすれば、あとから適用を受けられることもあります)。

その後、Aさんが全額相続する方法を提案したところ、長男から“二次相続”についての指摘があったそう。

「父さんが全額相続したら、確かに今回の相続税の負担はなくなるけど…。父さんに万が一のことがあって二次相続が発生したとき、母さんの遺産に加えて父さん自身の貯金も多額に残っていたら、俺たちがかなり高額な相続税を負担することにならない?父さん、来年には退職金も入るんでしょ?」

二次相続では配偶者の税額軽減が使えないほか、相続人が減少することで基礎控除額も少なくなり、相続税が高くなりやすいです。

目の前の“妻の相続”にばかり注目しており、“その後、自分に不幸があったときの相続”については考えていなかったAさん。

二次相続までを見据えた遺産分割方法を検討するため、専門家に相談することにしたと話されていました。

貯蓄の偏りは“二次相続”に影響する場合も

今回のように、貯蓄が夫婦どちらかに偏っている場合、金額によっては二次相続に影響することもあります。

一次相続では配偶者が多めに遺産を引き継ぐことで相続税を抑えられますが、二次相続までを考えた場合、その判断が必ずしも得策ではない場合も。

まずは一次相続の段階で、遺された配偶者の生活や子どもの税負担総額を踏まえた慎重な判断が求められます。なお、配偶者の税額軽減を使う場合は、相続税が0円でも申告が必要な点に注意しましょう。

「家族の状況に合った遺産分割方法が分からない」という場合は、専門家に相談してみましょう。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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