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「どうしたらいいの…」“母の貯金1,000万円”で介護費を払おうとした50代娘、銀行で担当者から告げられた一言に“呆然としたワケ”

  • 2026.10.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

「自分の介護費用は自分で貯めておこう」そう思っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、老後に備えてコツコツ貯蓄していても、そのお金を引き出せなければ意味がありません。今回は、介護費用を母の普通預金1,000万円から支払おうとしたものの、想定外の事態に直面した女性の事例を紹介します。

「介護費用は私の貯金で払って」母と一緒に銀行へ向かおうとした女性

50代の女性・Aさん(仮名)は、母の介護施設入居にあたり、手続きを進めていました。

「施設に支払う入居一時金380万円は、母の貯蓄口座から振り込むことにしました。私たち子どもに迷惑をかけまいと、1,000万円ほど貯めていてくれたみたいです」

Aさんは母を連れて銀行へ向かい、振込用紙の記入をサポートすることにしました。

しかし、Aさんの母は「この口座の印鑑がどれか分からない」と困った様子。

貴重品がまとめて保管されている袋の中には、印鑑が5本もありました。

「年金が振り込まれるメインの口座と同じ印鑑じゃないの?とりあえず、全部持っていって聞いてみようか」

Aさんの提案により、ひとまず窓口で届出印の印影を見せてもらうことになりました。

窓口を訪れるも「これじゃ振込できない…」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

銀行で事情を話したところ、担当者からはまさかの説明が。

「申し訳ございませんが、登録されている印鑑がどのようなものかをお見せすることはできないんです。ただ、お手持ちの印鑑を押していただけたら、届出印と一致しているかどうかを照合することは可能です」

「身分証があっても、届出印は見せてもらえないんですね…。じゃあ、5本すべて押してみます」

その場で母の印鑑を押し、照合してもらうことにしたAさん。

「…確認いたしましたが、どの印鑑も違うようです」

「そんな…5本全部違うんですか?どうしたらいいの…」

呆然とするAさん。母の自宅に戻って確認するも、他に印鑑は見つかりません。

再度銀行を訪れたAさんは、届出印を手持ちの印鑑に変更したい旨を申し出ました。

「印鑑の変更ですね、かしこまりました。ただ、今回は元の印鑑を失くされているため、印鑑喪失の手続きを行ってから変更することになります。そして、お母さまの口座は、この支店とは別の支店で作られたものです。口座開設した支店に書類を送って手続きしなければならないため、この場で印鑑の変更を完了することはできません」

「印鑑の変更が完了するまでにはどのくらいかかるんですか?」

「状況によりますが、5営業日ほどで完了する場合が多いです」

入居一時金の振込期限は3日後。印鑑の変更を待っていては、間に合わない状況でした。

結果として、Aさん夫婦の預金から支払いを立て替えることになったそうです。

「口座を開設した支店があるのは、引越し前に母が住んでいた遠方の土地でした。3日以内に向かうのは難しく、立て替え以外の方法が見つからなかったんです。まさか印鑑が分からないなんて、思いもしませんでした」

そう話されていました。

※金融機関によっては、実印・印鑑証明書等を用意することで対応が異なる場合もあります

印鑑の紛失に注意!資金が必要になる前に早めの確認を

今回のように、高齢者が昔作った口座の届出印を忘れてしまったり、失くしてしまったりするケースは少なくありません。

手続き方法は個別の状況や金融機関ごとのルールによっても異なりますが、新しい印鑑の登録までに、ある程度の日数を要する場合も。

また、キャッシュカードがあれば、ATMからの振込は可能です。ただし、1日あたりの限度額を超えて振り込むことはできません。

支払い日の直前になって慌てることがないよう、一度口座や印鑑を整理してみるとよいでしょう。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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