1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 「なるべく避けてください」管理栄養士が警告。実は『肝臓がん』リスクを高めている…意外とやりがちな“NG飲み方”とは?

「なるべく避けてください」管理栄養士が警告。実は『肝臓がん』リスクを高めている…意外とやりがちな“NG飲み方”とは?

  • 2026.10.30
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

忘年会シーズンが近づき、お酒を飲む機会が増えるこの時期。楽しい席はついつい盛り上がってしまいますが、その裏で肝臓にはどんな影響があるのでしょうか。

「自分はお酒に強いから大丈夫」「体調がいいから平気」

そう思っている方ほど、実は注意が必要かもしれません。肝臓は自覚症状が出にくく、気づかないうちにダメージが蓄積していくことがあるからです。

飲み会が増えるこの季節だからこそ知っておきたい、肝臓への負担と健康的なお酒との付き合い方について、管理栄養士の工藤まりえさんに詳しく伺いました。

飲みすぎが続くとどうなる? 肝臓が壊れていく“静かな”プロセス

---これから忘年会シーズンに入りますが、飲みすぎると肝臓にはどのような影響があるのでしょうか?

工藤まりえさん:

「お酒を飲むと、体に入ったアルコールの大部分は肝臓で分解されます。つまり、お酒を飲むたびに肝臓が働いてくれているわけです。

ただ、飲みすぎが続くと、肝臓にも少しずつダメージが蓄積していきます。まず起こりやすいのが、肝臓に脂肪がたまる「脂肪肝」です。さらに飲酒を続けると、肝臓に炎症が起きたり、肝細胞が傷ついたりして、肝機能が低下することがあります。

こうした状態が長く続くと、傷ついた部分を修復する過程で肝臓が徐々に硬くなる「肝硬変」へと進行することもあります。肝硬変になると肝臓本来の働きが低下するだけでなく、肝臓がんのリスクも高まります。また、アルコールが分解される途中で発生する「アセトアルデヒド」という有害物質にも発がん性があり、肝臓がんの発生に関係しています。

怖いのは、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、ダメージが蓄積していても自覚症状が出にくいことです。「体調がいいから大丈夫」「お酒には強いから平気」と思っていても、知らないうちに肝臓の病気が進んでいる可能性があるんです。」

要注意! 飲み会シーズンに増える“3つのNG飲み方”

---飲み会が増えるこの時期、特に気をつけたい飲み方はありますか?

工藤まりえさん:

「飲み会が増えるシーズンは、普段以上にお酒の飲み方に気をつけたいですね。楽しい席ではついお酒が進んでしまいがちですが、知らないうちに肝臓への負担を大きくしていることもあります。

まず気をつけたいのが「空腹でお酒を飲むこと」です。お腹が空いた状態でお酒を飲むと、アルコールが速く吸収され、酔いが一気に回りやすくなります。つい飲みすぎてしまうこともあるので、飲み会の前に軽く何かを食べたり、お酒と一緒に料理を楽しんだりするといいですね。

また、特に注意したいのが「連日の深酒」です。飲み会が続くと、つい飲む量も増えてしまいますよね。たくさんのお酒を飲む習慣が続くと、肝臓に脂肪がたまったり、炎症が起きたりして、長い年月をかけて肝硬変や肝臓がんにつながることもあります。週に2日以上は『休肝日』を設け、肝臓をリセットする習慣を意識してください。

さらに、「普段はあまり飲まないから」と、一度にたくさん飲むのもなるべく避けてください。短時間に大量のお酒を飲むと、急性アルコール中毒を起こす危険性もあります。

肝臓の健康を守るためには、飲む回数だけでなく、1回に飲む量にも気を配ることが大切です。飲み会が続く時期こそ、いつも以上に飲みすぎに気をつけたいですね。」

楽しみながら肝臓を守る! 今日からできる3つの工夫

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---飲み会を楽しみながら、肝臓への負担を減らすにはどうすればいいのでしょうか?

工藤まりえさん:

「一番おすすめしたいのは、「お酒だけでなく、食事もしっかり楽しむこと」です。

飲み会では、お酒を飲みながら、塩気の強いおつまみをちびちびつまむだけという方も多いのではないでしょうか。でも、空腹のままお酒を飲むとアルコールが速く吸収され、酔いが回りやすくなります。食事を楽しみながらゆっくり飲むことを心がけたいですね。

とはいえ、居酒屋で定食のようなバランスの取れた食事をとるのは難しいかもしれません。そんなときは、たんぱく質を含む料理や野菜を意識して注文してみましょう。例えば、唐揚げでもお刺身でもOK。野菜なら、塩分の多い浅漬けよりも、スティック野菜や冷やしトマト、サラダなどがおすすめです。お酒を飲むときも、普段の食事と同じように栄養バランスを意識したいですね。

また、お酒と同量以上の『水(チェイサー・和らぎ水)』を飲むお酒と並行して、必ず水やお茶を注文しましょう。一口お酒を飲んだら一口水を飲む習慣をつけるだけで、胃腸内のアルコール濃度が薄まり、肝臓への負担を劇的に軽減できます。脱水症状や翌日の二日酔い予防にも絶大な効果があります。

そして、もうひとつ大切なのが、飲み会で飲む杯数をあらかじめ決めておくこと。楽しい席ではついお酒が進んでしまいがちですが、最初に上限を決めておけば、飲みすぎの予防につながります。

もちろん、食事をしっかりとれば、いくら飲んでも大丈夫というわけではありません。肝臓への負担を減らすには、お酒の量そのものを控えることが大切です。」

無理のない飲み方で、楽しい忘年会シーズンを

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれる通り、ダメージが蓄積していても自覚症状が出にくいもの。「体調がいいから」「お酒に強いから」といった油断は禁物だということが、今回の取材でよくわかりました。

とはいえ、難しいことをする必要はありません。空腹でいきなり飲まない、連日の深酒を避ける、一度に大量に飲まない。この3つのNG飲み方に気をつけるだけでも、肝臓への負担はぐっと減らせそうです。

そして何より、飲み会ではお酒だけでなく食事もしっかり楽しむこと、あらかじめ杯数を決めておくこと。この2つを意識すれば、無理なく飲みすぎを防ぐことができます。

飲み会ではお酒だけでなく、おいしい料理や会話も楽しみながら、無理のない飲み方を心がけてみてくださいね。


監修者:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ