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『脳梗塞を発症しやすい人』には“朝の習慣”に共通点があった。医師が明かす、要注意すべき「起きてすぐのNG行動」とは?

  • 2026.10.10
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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

朝、目が覚めてすぐに布団から勢いよく起き上がっていませんか?実は、何気ないその「朝の起き抜けの行動」が、命に関わる脳梗塞のリスクを急激に高めているかもしれません。

「なぜ、朝起きたばかりの時間帯に脳梗塞が起こりやすいのか?」という疑問について、麻酔科専門医の松岡雄治さんに詳しく解説していただきました。明日からの目覚めを安心なものに変えるための、正しい朝の過ごし方をご紹介します。

なぜ起床直後は、脳梗塞のリスクが一日の中で高まるのか

---朝起きたばかりの時間は、なぜ脳梗塞を発症しやすいのでしょうか?体内では何が起きているのですか?

松岡雄治さん:

「起床直後は、『睡眠中の脱水による血液のドロドロ化』と、『覚醒に伴う血圧の急上昇(モーニングサージ)』という2つの悪条件が重なり、脳梗塞のリスクが一日の中でも高まる時間帯だからです。

就寝中、私たちの体は発汗や呼吸によってコップ1〜2杯分の水分を失っており、朝起きたときの体は軽度の脱水状態に陥っています。水分が不足すると、血液は濃縮されてドロドロになり、血栓(血の塊)ができやすい状態になります。

また、朝目が覚めると、体を活動モードに切り替えるために交感神経が急激に緊張し、アドレナリンなどのホルモン(カテコールアミン)が大量に分泌されます。すると、全身の血管がギュッと強く収縮し、血圧が一気に跳ね上がります。これを『モーニングサージ』と呼びます。

動脈硬化で狭く硬くなった脳の血管へ、ドロドロの血液が高圧で一気に押し寄せるため、血管の壁が傷ついたり、血栓が詰まったりして脳梗塞を発症する根本的な原因となるのです。」

水分を摂らずにすぐ立ち上がることが、なぜ危険なのか

---目が覚めてすぐ、水分も摂らないまま布団から勢いよく立ち上がるのは、どのような危険があるのでしょうか?

松岡雄治さん:

「水分を補給せずに布団から急激に立ち上がると、下半身へ血液が急降下して血圧が激しく乱高下し、脳の血管壁を傷つけるような強い力(ずり応力)を生み出してしまうからです。

朝目が覚めて、水分を摂らないまま布団から勢いよく立ち上がると、重力によって血液が一気に下半身へ下がります。すると、脳への血流を守ろうと自律神経の反射(圧受容器反射)が強く反応し、急降下した血圧を再び急上昇させるという激しい血圧の乱高下を引き起こしてしまうことがあります。

この激しい血圧変動は、脳血管の内壁に対して『ずり応力』という血管の壁をこするように剥がす強い力を生み出します。

このずり応力が加わると、血管の壁に溜まっていた脂肪の塊(プラーク)が破綻して太い血管が塞がれてしまう『アテローム血栓性脳梗塞』や、脳の奥深くの細い血管が障害される『ラクナ梗塞』、さらには心臓に負担がかかって不整脈を起こし、心臓の血栓が脳へ飛んでいく『心原性脳塞栓症』といった、致命的な発作を引き起こす引き金となってしまうのです。」

明日からできる、脳梗塞リスクを下げる「最初の行動」とは?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---毎朝の脳梗塞リスクを減らすために、私たちは明日から具体的にどのような行動を始めればよいでしょうか?

松岡雄治さん:

「明日からできる『最初の行動』は、朝起きたら布団の中で手足を動かすなどする『起床前の準備運動』、『段階的に立ち上がること』と『コップ1杯の常温の水を飲むこと』です。

朝の急激な血圧上昇と血液のドロドロ化を防ぐためには、体に『段階的な覚醒』を促すことが最も効果的です。目が覚めたらすぐに起き上がらず、まずは布団の中で手足をグーパーと動かしたり、軽く伸びをしたりして血流を整えましょう。その後、すぐに立ち上がらず、ベッドのフチに腰掛けて数十秒ほど静止し、血圧を安定させてからゆっくり立ち上がります。

立ち上がったら、温度による刺激が少ない常温の水や白湯をコップ1杯飲み、睡眠中に失われた水分を補って血液のドロドロ状態を解消してください。また、冬場は上着をベッドの横に準備しておき、冷えた廊下やトイレへ移動する際の寒暖差(ヒートショック)を防ぐことも重要です。

もし、ご自宅で測る朝の血圧が『上が135、下が85』以上の日が続く場合は、『早朝高血圧』という脳梗塞の高リスク状態かもしれません。ご自身で完璧に対策しようとせず、毎日の血圧の記録を持って、かかりつけ医や専門医に相談してみましょう。

これらの習慣によって、気持ちよく目覚めたあなたを待ち受ける血管リスクをコントロールしていきましょう。」

朝の「段階的なアクション」で、命を守る新習慣を始めよう

朝の目覚めとともに私たちの体内で起きている「血液のドロドロ化」と「急激な血圧上昇」は、脳梗塞を引き起こす重大なリスクとなります。しかし、布団の中での軽い準備運動や、ゆっくりと段階を踏んで立ち上がること、そして1杯の常温の水を飲むといった簡単な習慣を取り入れるだけで、この危険な血管リスクはコントロールすることができます。

朝一番の急激な動作を避け、少しだけ体に優しい時間を設けることが、将来の健康を守る大きな第一歩です。もし朝の血圧に気になるサインがあれば専門医に相談しつつ、明日からできる健やかな目覚めの習慣をさっそく取り入れてみてはいかがでしょうか。


監修者:松岡雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。

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