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「最近、目がかすむ…」“ただの疲れ”と放置した50代男性→ある朝、視界の半分が暗くなり…病院で告げられた“恐ろしい診断結果!

  • 2026.10.30
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、麻酔科専門医の松岡雄治です。

「最近、目がかすむけれど、まあ疲れ目だろう」「仕事も忙しいし、痛みもないから大丈夫」そう思ってご家族の忠告を後回しにしてしばらく様子をみていましたが、ある朝目覚めたとき「片方の視界の半分が暗い」という事態に直面し、慌てて受診したAさん(50代男性)。

診断の結果は「網膜静脈閉塞症」でした。視力に大きな影響が残り、「ただの疲れ目だと油断しなければよかった」といまでも後悔していると語っています。

今回は、目の奥の血管が破綻する「網膜静脈閉塞症」のメカニズムについて解説します。

目の奥で起きる「静脈の渋滞と破綻」の恐怖

「痛みがないから大丈夫だろう」と思っている間に、高血圧などの影響で目の奥の血管が押し潰されてしまうのが、この病気の特徴です。その局所的なメカニズムを整理すると、次のような流れで目に深刻な影響が生じます。

【目の奥の血管が破綻する悪循環フロー】

  • 動脈硬化による壁の肥厚: 高血圧や動脈硬化が進み、動脈の壁が硬く太くなる。
  • 静脈の圧迫と血流の停滞: 目の奥の交差点で硬い動脈が隣り合う柔らかい静脈を押し潰し、血流が途絶えて滞る。
  • 出血と浮腫の発生: 行き場を失った血液や水分が血管から網膜へあふれ出し、広範囲の出血や浮腫(網膜静脈閉塞症)を引き起こすおそれがある。

    網膜自体には痛覚がないため、血管が破れても痛みを一切感じず、静かに視界だけが奪われていくのです。また、人間は普段両目で物を見ているため、片方の目に視野の欠けが起きていても、もう片方の健康な目が無意識に視界を補ってしまい、異常の発見が大幅に遅れる原因になります。

「たまの不摂生」と「危険な高血圧」の境界線

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「血圧が少し高めだけど、普段は元気だから大丈夫」と思いたいですよね。日々のストレスや晩酌、運動不足など、完璧な健康生活を続けるのが難しいのは誰しも同じです。
しかし、知らず知らずのうちに「危険な条件」が重なってしまうと、症状が進行してしまいます。特に注意していただきたいのが、以下の「NG条件」が組み合わさったときです。

  • 健診で「高血圧」や「動脈硬化」を指摘されつつも放置している
  • 過度なストレスや寒暖差による血圧の急変動が続いている
  • 水分不足などで血液の粘度が高くなり、血栓ができやすくなっている

目と全身の血管はダイレクトにつながっています。静脈の枝が詰まる「網膜静脈分枝閉塞症」などは50〜60代の日本人に非常に多く見られる身近なトラブルです。

放置すると、酸素不足になった網膜から脆く出血しやすい「新生血管」が生え、硝子体出血や難治性の「血管新生緑内障」を引き起こして失明に至るリスクも高まります。
さらに、物を見る中心部(黄斑)のむくみを放置すると、視力を司る細胞そのものが壊死してしまい、後から治療を行っても視力を取り戻すことが難しくなります。

重症化する前に確認すべき3つのサイン

日常の中で以下のような初期症状や進行のサインを感じた場合、それは目の奥の血管が悲鳴を上げているサインかもしれません。老眼や疲れ目と勘違いして放置せず、一刻も早く眼科を受診してください。

1. 片目だけで見たとき、視界の一部(上下どちらか等)が暗く欠けている

網膜静脈の枝が詰まり、その領域の視覚情報が途絶えているサインです。 

2. 片目で見たとき、すりガラス越しのように全体がかすむ・歪む 

物を見る中心部(黄斑)に血液や水分が漏れ出し、黄斑浮腫が起きている可能性があります。格子状の模様(カレンダーのマス目や障子、タイルの目地など)が歪んで見えないか確認してみましょう。

3. 充血や痛みが一切ないのに、突然見えにくさが現れた

「痛みがないこと」は眼底血管トラブルの典型的なパターンのため、充血と痛みがないことで安心しないようにしましょう。

視界の欠けや見えにくさに気がついたら

「ただの疲れ目だろう」「寝れば治るはず」と油断してしまうのはよくわかります。ぜひ今日からできる一番簡単な一歩として、下記の対処法から実践してみてください。

  • 1日1回、片目を手で覆い、もう片方の目で壁のカレンダーや時計を眺めて「見えにくさや歪みがないか」を左右交互に確かめる(10秒のセルフチェック)
  • 見え方に少しでも違和感があれば、痛みがなくても数日と置かずに眼科を受診する
  • 眼科での治療(むくみを抑える抗VEGF薬の硝子体注射やレーザー治療など)を受けると同時に、内科で血圧や生活習慣病の根本的な治療・管理を行う

現在の眼科医療では視力を守る治療法が進化していますが、普段の血圧を整えることもまた目の健康を守る上で非常に大切なことです。


※プライバシー保護のため、実際の症例をもとに一部の設定やエピソードを改変・再構成しています。

監修者・執筆:松岡 雄治
総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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