1. トップ
  2. エピソード
  3. 「昨日テレビで見た値段と違うぞ」携帯ショップで声を荒らげた男性。だが、店長が机に置いた一枚の案内

「昨日テレビで見た値段と違うぞ」携帯ショップで声を荒らげた男性。だが、店長が机に置いた一枚の案内

  • 2026.9.28

昨日テレビで見た値段と違う

数年前、私は携帯ショップで接客の仕事をしていた。平日の午後、店内が比較的落ち着いていたころ、60代くらいの男性が機種変更をしたいと来店した。

カウンターに案内し、希望する機種を聞いて料金を画面に表示すると、男性の表情が急に険しくなった。

「なんでこんなに高いんだ。昨日、テレビで見た値段と違うじゃないか」

私はテレビで紹介されていたものについて確認し、男性が希望しているものとは別の機種だと説明した。

「テレビで紹介されていたのは、こちらとは別の機種なんです」

しかし男性は納得しなかった。

「機種?何を言っているんだ?そんなの知らん。テレビで見た値段に合わせろよ」

「申し訳ありません。ただ、ご希望の機種はこちらの料金になります」

そう伝えても、男性は「責任者を呼べ」「本部に言うぞ」と声を強めた。

もう一度説明しようとすると、男性は語気を荒らげた。

「だから、テレビで見た値段に合わせろって言ってるんだ」

やり取りは10分以上続いた。

近くのお客さんもこちらを気にしている様子で、私はできるだけ声を落として説明を続けた。

料金プランについて確認していたときには、男性から突然こう言われた。

「お前、さっきと言ってることが違うだろ」

「いえ、ご案内している内容は同じです」

すると男性は携帯電話を取り出して机の上に置いた。

「録音してるからな」

そう言ってにらまれ、書類を押さえていた私の手は少し震えていた。

店長が確認したテレビの機種

そこへ店長が奥から出てきて、私の隣に腰を下ろした。

店長はまず男性の話を聞いたあと、テレビで紹介されていた機種の案内を机の上に置いた。

「お客様がご覧になったのは、こちらの機種ですね」

「そうだよ。その値段にしてくれればいいんだ」

店長は案内と、男性が希望している機種を順に示した。

「テレビで紹介されていた価格はこちらの機種のものです。今回ご希望の機種とは別の商品になります」

男性は黙って案内を見た。

店長は声を荒らげることなく続けた。

「録音していただいて構いません。ただ、ご案内できる内容は先ほどのスタッフがお伝えしたものと同じです」

しばらくすると、男性は机に置いていた携帯電話を手に取り、ポケットにしまった。

結局、機種変更の手続きはせず、そのまま店を出ていった。

閉店後、店長は対応記録を書きながら私に確認した。

「テレビで見た価格にしてほしいと、言われたんだね?」

「はい」

私が答えると、店長はうなずいた。

「説明は間違ってなかったよ。次にこういうことがあったら、もっと早く呼んでくれて大丈夫だから」

緊張がほどけて、ようやく肩の力が抜けたのを覚えている。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ