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「来月の給料日に必ず返すから」と3万円借りた弟。3度目の正月、腕時計を見た母が口にした一言

  • 2026.9.28

帰省した夜、弟に頼まれた3万円

3年前の夏、実家に帰省した夜のことです。

母が台所で洗い物をしていると、弟が居間にいた私のそばへ来て、声をひそめました。

「ちょっと頼みがあるんだけど。今月、車検代が足りなくてさ。3万円だけ貸してくれない?」

「3万円?急だね」

弟は少し困った顔をして、頭をかきました。

「来月の給料日に必ず返すから」

そこまで言われると断りづらく、私は財布から1万円札を3枚出して弟に渡しました。

ところが、翌月の給料日を過ぎても返済の話はありませんでした。

私も「そろそろ返して」と言えばいいのに、弟相手だと妙に言い出しづらく、そのまま時間だけが過ぎていきました。

実家で顔を合わせるたび、弟の足元には見慣れないスニーカーがあり、携帯電話もいつの間にか新しいものに変わっていました。

買い物をすること自体を責めたいわけではありません。それでも、新しい物を見るたびに「来月の給料日に返す」と言ったあの夜を思い出しました。

母には心配をかけたくなくて、私は3万円のことを話さないままでした。

3度目の正月、母が口を開いた

弟にお金を貸してから3度目の正月。家族でこたつを囲んでいると、弟が腕時計を見せながら話し始めました。

「これ、ずっと欲しかったやつなんだ」

すると、みかんをむいていた母が顔を上げました。

「その前に、お姉ちゃんに返すものがあるんじゃないの?」

弟の表情が止まりました。

私も驚いて母を見ると、母はあの夏の夜、台所で洗い物をしながら、居間で交わしていた私たちの話が聞こえていたのだと言いました。

「来月の給料日に返すって言ってたでしょう。もうずいぶんたってるわよ」

弟は何か言おうとして、結局黙りました。

父もテレビの音を小さくし、居間が急に静かになります。

母は弟を怒鳴ることもなく、ただもう一度言いました。

「返せるなら、ちゃんと返しなさい」

しばらくして弟は立ち上がり、鞄から財布を取り出しました。そして1万円札を3枚そろえ、私の前に置きました。

「……ごめん」

「うん。受け取るね」

それだけ言って、私は3万円を受け取りました。

母はそれ以上弟を責めることなく、急須にお湯を足しました。

「ほら、お茶冷めるよ」

弟は小さくうなずき、湯のみを両手で受け取りました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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