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「夜、もう少し静かにしてもらえないかな」と壁を叩いて責める隣人。だが、苦情の時間を調べると、僕が留守だった日が2度あった

  • 2026.9.28

壁にもたれた直後、隣からドンドンと響いた

大学進学を機に上京し、アパートで一人暮らしを始めた。

新しい生活にも少し慣れてきたころ、部屋で本を読んでいて体勢を崩し、壁に軽く肩をもたせかけた。

その瞬間だった。

隣の部屋から、ドンドンと2度、強く壁を叩く音が返ってきた。

驚いて体を起こし、本を持ったまましばらく動けなかった。

それ以来、少し物音を立てるだけでも、また叩かれるのではないかと気になるようになった。

ところが、僕が机に向かって静かにしているときにも、壁を叩かれることがあった。

そんなとき耳を澄ますと、天井のほうから走るような足音が聞こえてくる。

上の階には家族が住んでいたため、隣の男性は上から響く音まで僕の部屋からだと思っているのではないか、と感じるようになった。

ある日、廊下ですれ違った50代くらいの隣の男性に声をかけられた。

「夜、もう少し静かにしてもらえないかな」

「…すみません。気をつけます」

自分では心当たりがなかったが、言い争いになるのが怖く、その場では頭を下げた。

ただ、このままでは何を言われても確認できない。そう思い、その日から壁を叩かれた日付と時間、そのとき聞こえていた音をノートに残すことにした。

隣人が訴えた時間に、僕は部屋にいなかった

ひと月ほど記録を続けたあと、僕はノートとバイトのシフト表を持って管理会社を訪ねた。

対応した40代くらいの担当者に事情を説明すると、ノートを見ながら静かにうなずいた。

「わかりました。こちらでも一度、周りのお部屋に確認してみます」

数日後、担当者から連絡があった。

隣の男性にも音が気になった日時を確認したところ、その中に、僕がバイトで部屋を空けていた時間が2度あったという。

「この2回は、シフト表を見る限りお留守ですよね」

「はい。その時間はずっとバイト先にいました」

さらに上の階にも話を聞いたところ、同じ時間帯に室内を歩いたり動いたりしていたことが確認できたそうだ。

少なくとも、隣の男性が聞いていた音のすべてが僕の部屋から出ていたわけではなかった。

担当者は隣の男性にもそのことを説明し、音が気になる場合は壁を叩かず、管理会社へ相談するよう伝えたという。

翌日の夕方、僕の部屋のチャイムが鳴った。

ドアを開けると、隣の男性が立っていた。少し気まずそうに目を伏せてから、小さな声で言った。

「……悪かった。俺が勘違いしてたみたいだ」

「いえ。わかってもらえたなら大丈夫です」

男性は短く頭を下げ、自分の部屋へ戻っていった。

それから、隣から壁を叩かれることはなくなった。

生活音そのものが消えたわけではない。それでも、「また自分のせいにされるかもしれない」と身構えずに過ごせるようになっただけで、部屋での時間はずいぶん落ち着いたものになった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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