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「庭木を切ってもらえませんか」と2度頼んでも返事なし。塀を越えた枝に、僕がポストへ入れた一通

  • 2026.9.27

塀を越えてきた枝と2度のお願い

去年の春ごろから、隣の家の庭木が塀を越え、うちの敷地まで枝を伸ばすようになった。

隣に住んでいるのは60代くらいの男性で、それまでは朝に顔を合わせれば、お互いに会釈をする程度の関係だった。

夏の終わり、僕は思い切って隣の玄関を訪ねた。

「すみません。庭木を切ってもらえませんか。枝がうちのほうまで伸びてきていて……」

男性は枝のほうをちらりと見て、「ああ、そのうちね」とだけ答えた。

ところが秋になっても枝はそのまま。もう一度訪ねてインターホン越しにお願いしたが、今度は返事がなかった。

それからは、朝に顔を合わせても会釈が返ってこなくなった。

それから1年。枝はさらに伸び、屋根の端に届きそうになっていた。

庭にも日陰が増え、洗濯物が乾きにくいと感じる日も増えていた。

夕方、庭の草を抜いていると、妻が縁側から枝を見上げた。

「これ、もう雨どいに当たりそうじゃない?」

「うん。去年、お願いしたんだけどね」

「じゃあ、こっちで切るのはダメなの?」

「勝手に切っていいのか分からないし、まず調べてみるよ。これからも隣同士だから、できれば揉めたくないし」

その夜、僕は越境した枝について調べた。

すると、原則としては竹木の所有者に切除を求めるものの、催告しても相当の期間内に対応されない場合などには、越境された土地の所有者が枝を切ることができると知った。

ポストに入れた一枚の手紙

週末、僕は塀の手前から枝の写真を何枚か撮った。

写真と調べた内容を一枚の紙にまとめ、さらに便箋に手紙を書いた。

責めるような言葉は避け、最後にこう記した。

「お手数ですが、2週間以内に越境している枝を切っていただけないでしょうか。難しい場合は、こちらで業者さんにお願いし、塀を越えている部分を切らせていただきます」

妻にも読んでもらうと、少し考えてからうなずいた。

「うん。これなら、言いたいことはちゃんと伝わると思う」

封筒を隣のポストに入れた。

その3日後の朝、庭から金属のきしむ音が聞こえた。

窓から見ると、男性が脚立を立て、のこぎりで枝を落としていた。

僕が玄関を出ると、男性は一瞬こちらを見たが、何も言わずに作業を続けた。

昼すぎには、塀を越えていた枝はすべてなくなっていた。

片づけを終えた男性が、塀越しにこちらを向いた。軍手を外しながら、少し間を置いて口を開いた。

「…手紙、読みました」

「ありがとうございます。切っていただいて助かりました」

男性は短く頭を下げ、切った枝を抱えて家へ戻っていった。

向かいの家の奥さんも門の前から庭を見て、「すっきりしたわね」と声をかけてきた。僕は「そうですね」とだけ返した。

夕方、二階の窓から見下ろすと、これまで枝に隠れていた屋根の瓦に西日が当たっていた。久しぶりに庭まで明るく見えた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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