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延長コード・タップのNG5つ ミスはコードの傷みが最多

  • 2026.9.27

NITEの製品事故情報から延長コード・テーブルタップなどの事故1,283件を集め、使い方が原因とみられる371件をweboo編集部で分類すると、最も多かったのは下敷きや引っ張りによるコードの傷み162件でした。容量オーバーは12〜2月に多く、暖房の季節前に確かめたいNG5つと代わりにできることをまとめました。

テレビの裏、デスクの下、キッチンのカウンター。延長コードやテーブルタップは、どの部屋にもあるのに、ふだんはほとんど目を向けない道具です。
製品評価技術基盤機構(NITE)は、配線器具の事故について「特に冬場には、暖房器具など消費電力の大きな製品が多く、事故も多くなっています」と呼びかけています。
この記事でわかることは次のとおりです。
・延長コード・タップの製品事故の記録1,283件でみる、多い使い方のミス(weboo編集部の集計)
・下敷き・踏みつけ、容量オーバー、水、ほこり、束ねたまま。やりがちなNG5つと代わりにできること
・容量オーバーの事故が多い月と、つながれていた製品
・使うのをやめたほうがいい変化のサイン
根拠にしたのは、NITE・堺市消防局・東京消防庁の公表資料です。

事故1,283件を集計 使い方のミス371件の内訳

NITEが公開している製品事故情報の検索サービス「NITE SAFE-Lite」で、延長コード・テーブルタップ・マルチタップ・コードリールの事故を集めました。品名で絞り、同じ事故として重複して記録されたものをまとめると1,283件(1996年2月〜2026年2月に発生)。それぞれの事故原因の記述をweboo編集部が1件ずつ読み、1件に1つの原因を当てはめると、次のようになりました。
・使い方が原因とみられるもの:371件
・製品の不具合(リコールの対象になったものを含む):272件
・ペットの尿やネズミなど、動物・虫によるもの:16件
・長く使ったことによる劣化:14件
・原因がわからない・製品以外が原因とみられるものなど:610件

使い方が原因とみられる371件を分けると、いちばん多かったのはコードを引っ張る・折り曲げる・踏む(102件)、3番目が家具などの下敷きにする・すき間や戸に挟む(60件)でした。どちらもコードに外から力がかかって傷んだもので、合わせると162件。371件の4割あまり(43.7%)を占めます。この記事では、プラグの刃が曲がる・根元に力がかかるなど、プラグ側の傷みも「コードの傷み」に含めています。
2番目は容量オーバー(62件)、次いで水・液体がかかった(52件)、ほこり・湿気によるトラッキング(32件)、束ねた・巻いたまま使った(24件)と続きます。

数字を見るときの注意
・これはNITEに通知された製品事故のうち、検索で拾えた延長コード・タップの事故の件数です。事故全体の数ではありません。発生日がわからない8件を含みます
・原因の分け方はweboo編集部が事故原因の記述を読んで決めたもので、NITEの分類ではありません。いくつかの使い方が書かれた事故は、先に挙げられた使い方に数えました
・壁のコンセントや、家電の電源コードそのものの事故は数えていません
ここからは、使い方のミスで件数の多い順にNG1〜5をみていきます。

NG1|コードを家具の下敷きにしたり、踏んだり引っ張ったりする

ベッドやたんすの下を通したコード、椅子のキャスターが行き来する床のコード、ドアや引き戸のすき間を通したコード。一度置いたら、そのままになりがちです。
集計した事故では、コードに外から力がかかって傷んだとみられる事故が162件ありました(引っ張る・折り曲げる・踏むなど102件、下敷き・挟む60件)。コードの中の細い銅線が少しずつ切れ、残った部分が熱を持ってショートした、という記録が多く、プラグの刃に力がかかって接触が悪くなった記録もあります。ここでいうコードの傷みには、プラグの刃が曲がる・根元に力がかかるなど、プラグ側の傷みを含みます。
また、使い方が原因とみられる371件のうち、亡くなった方が出た事故は19件あり、そのうち9件は、コードがベッドや家具、ふとん、畳の下敷きになっていたり、すき間や戸に挟まれていたりした事故でした。

代わりに:挟まない・踏まない位置に置き、抜くときはプラグを持つ。
NITEは、電源コードを引っ張ったり、机の脚で踏んだりするなど、無理な力を加えないよう呼びかけています。注意事項として、コードを机やドアなどに挟み込まないよう設置場所に配慮する、キャスターなどが通る場所はカバーを付けて保護する、ステップルや釘・針金で固定しない、抜くときはコードではなくプラグを持つ、を挙げています。
堺市消防局も、コードを家具や家電で踏み付けたりドアなどで挟み込んだりしない、無理に曲げたりねじったりしない、引っ張った状態で使わないことを呼びかけています。

NG2|たこ足配線で、つないだ製品の合計が容量を超える

コンセントが足りなくて、タップにもう1つタップをつなぐ。電気ストーブとこたつを同じタップから使う。寒くなるとやりがちです。
集計した事故では、つないだ製品が延長コードやタップの容量を超えていたとみられる事故が62件ありました。62件のうち30件は12〜2月に発生しています。また、電気ストーブやファンヒーター、こたつ、電気毛布など暖房器具をつないでいたと書かれた事故が21件ありました。
NITEも2017年の資料で、配線器具の事故は1月が最も多いとし、理由の一つとして、消費電力の比較的大きな製品を延長コード等につないで使う頻度が高くなることが考えられる、としています。

代わりに:消費電力の合計を確かめ、タップどうしを連結しない。
NITEは、テーブルタップやコードリールには接続可能な最大消費電力が決まっていて、本体やパッケージに書かれているとし、複数の製品をつなぐときはそれぞれの消費電力を確かめ、合計が超えないよう注意するよう求めています。延長コードやテーブルタップを連結(たこ足配線)しないことも挙げています。また、「消費電力の大きな電気製品の中には、テーブルタップなどの使用を禁止しているものがあります」としています。エアコンは動き始めに一時的に大きな電流が流れることがあり、範囲内でもタップなどを使うと異常発熱のおそれがあるとして、つなぐ製品の取扱説明書や本体の表示を事前に確認するよう求めています。
東京消防庁は、マルチタップの容量を超える電気製品をつなぐ(タコ足配線)とマルチタップが発熱するおそれがあるとし、堺市消防局も、消費電力が延長コードの許容電力を超えていないか確かめるよう呼びかけています。

NG3|水槽のそばや台所など、水のかかる場所で使う

熱帯魚の水槽のヒーターやポンプ、ライトをまとめてつないだタップ。流し台の近くや、床の水はね。水と電気が近い場所は家の中にいくつもあります。
集計した事故では、水や液体がかかったことが原因とみられる事故が52件ありました。そのうち23件は、魚を飼う水槽のそば(お店の水槽を含む)で使っていたタップや延長コードです。水槽の水替えのときや、あふれた水がかかった、という記録もあります。ほかには、流し台の近く、屋外や軒下、スープや調味料などの液体、洗浄剤がかかった、などの記録でした。

代わりに:コンセントやプラグ、タップが濡れないようにする。
NITEは、水槽の手入れのときの水滴や水槽からの飛沫でコンセントやプラグが濡れないようにするよう呼びかけ、電源タップやコンセントの接続部分に水分が付着しないよう注意するよう求めています。2024年の資料でも、観賞魚水槽などの水気の近くは特に注意が必要としています。

NG4|プラグを差しっぱなしにして、ほこりをためる

冷蔵庫やテレビの裏のプラグは、差したまま何年もそのまま。掃除機も届きません。
集計した事故では、プラグやタップにたまったほこりや湿気で「トラッキング」が起きたとみられる事故が32件ありました。
NITEの説明では、プラグを長く差し込んだままにしているとまわりにほこりや水分が付き、プラグの刃の間に弱い電流が流れて火花が繰り返し出ることで、樹脂の部分が少しずつ炭になり、電気の通り道ができて発火に至ります。何も差していない差込口でも、ほこりや水分が付くとトラッキングが起きるおそれがあるとしています。

代わりに:しっかり差し込み、プラグを抜いてほこりを取る。
NITEは、電源プラグはすき間ができないようしっかり差し込み、定期的に掃除してほこりを取り除くよう呼びかけています。掃除のときは必ずプラグを抜いてから拭きし、差込口にアルコールスプレーなどの洗浄液が直接かからないようにとしています。
東京消防庁の田園調布消防署も、プラグのまわりにほこりがたまって湿気を帯びるとトラッキングが起こりやすくなるとして、ほこりをためない掃除を勧めています。
季節の家電を出す前のプラグやコードの点検は、下の関連記事でまとめています。

NG5|コードを束ねたまま、リールに巻いたまま使う

長すぎるコードを輪ゴムでくるっとまとめる。コードリールは必要な分だけ引き出して、残りは巻いたまま。見た目はすっきりします。
集計した事故では、コードを束ねたり巻いたりしたまま使った事故が24件ありました。そのうち12件はコードリールで、ほとんど巻き取ったままの状態で使っていた、などの記録です。束ねた上に布団や座布団がかぶさっていた、という記録もあります。

代わりに:コードは束ねない。リールは表示や説明書を確認。
NITEは、電源コードを束ねた状態では使用しないよう呼びかけ(2019年の資料)、再現映像でも「コードは束ねず使用してください」としています。堺市消防局も、熱を持つため電源コードを束ねて使わないよう呼びかけています。
コードリールについてNITEは、コードを全部引き出したときと巻いたときとで接続できる最大の消費電力が違うものや、全部引き出したときだけ使えるものがあるとして、取扱説明書や本体の表示を確認するよう求めています。

出典 www.nite.go.jp

こんな変化があれば使うのをやめるサイン

NITEは、配線器具の事故では、事故の前に予兆がみられる場合があるとして、次のような例を挙げています。
・事故の前から異臭がしていた
・差込口が変色していた
・つないでいる電気製品が点いたり消えたりしていた
・電源プラグにがたつきがあった
堺市消防局も、プラグやコードが異常に熱い、コードに破れ・傷・コブがある、コードを動かすと電源が切れたり入ったりする、焦げ臭いにおいや焦げた跡がある場合は、すぐにプラグをコンセントから抜き、使うのをやめるよう呼びかけています。
NITEは、発煙や火花などが生じた場合はコンセントから電源プラグを抜き、触れることができないほど熱い場合はブレーカーを落とすとしています。

よくある質問

NITEの資料では、トラッキングの事故が最も多いのでは?

NITEの2019年の資料は、2014〜2018年度の配線器具の火災事故のうち、誤使用や不注意と推定される事故で、ほこり・水分の付着などによるトラッキングの事故が最も多いとしています。
この記事の集計は、1996年以降に発生した、火災にならなかった事故(製品の破損など)も含み、壁のコンセントを含まず、ほこり(NG4)と水(NG3)を分けて数えています。期間・対象・分け方が違うため、順位も違います。

コードを継ぎ足したり、自分でつないだりしてもいい?

やめましょう。集計した事故では、コードをねじってつなぐ、テープで補修する、自分で切ってつなぎ直すといった事故が16件あり、そのうち3件は亡くなった方が出た事故でした。
NITEは、「ねじり接続」など電源コードの改造や不適切な修理は絶対に行わないよう呼びかけ、エアコンの電源コードの継ぎ足しの再現映像でも、素人修理は重大な事故につながることがあるとしています。

使い方以外の原因で起きた事故もある?

あります。weboo編集部の集計では、製品の不具合(リコールの対象になったものを含む)が272件ありました。ペットの尿がタップに入った、ネズミやペットがコードをかじったなど、動物・虫による事故も16件あります。
NITEは、リコール製品を持っている場合は、不具合が起きていなくても使うのをやめ、販売店や製造・輸入事業者に確認・相談するよう呼びかけています。製品名で事故やリコールの情報を調べられる「NITE SAFE-Lite」も使えます。

まとめ 延長コードは置き場所と容量を見直して

延長コード・タップでやりがちなNGと、代わりにできることをおさらいします(NG1〜5は使い方のミスで件数の多い順)。
・コードを家具の下敷きにしたり、踏んだり引っ張ったりする → 挟まない・踏まない位置に置き、抜くときはプラグを持つ
・たこ足配線で、つないだ製品の合計が容量を超える → 消費電力の合計を確かめ、タップどうしを連結しない
・水槽のそばや台所など、水のかかる場所で使う → コンセントやプラグ、タップが濡れないようにする
・プラグを差しっぱなしにして、ほこりをためる → しっかり差し込み、プラグを抜いてほこりを取る
・コードを束ねたまま、リールに巻いたまま使う → コードは束ねない。リールは表示や説明書を確認
NITEの製品事故の記録1,283件をweboo編集部で集計すると、使い方のミスでいちばん多かったのは下敷きや引っ張りによるコードの傷みでした。容量オーバーの事故は12〜2月に多く、暖房器具をつないでいた記録も目立ちます。コードは踏まない・挟まない、合計の消費電力を確かめる、水から離す、ほこりを拭く、束ねない。暖房を出す前に、家じゅうのタップを一度見て回りましょう。

※本記事は延長コード・タップの事故を防ぐための一般的な情報提供を目的としたものです。使う前に、お使いの製品と、つなぐ電気製品の取扱説明書・本体の表示を必ず確認してください。
※原因別の件数は、製品評価技術基盤機構(NITE)の「NITE SAFE-Lite」で、延長コード・テーブルタップ・マルチタップ・コードリールの事故をweboo編集部が2026年9月26日に検索し、事故原因の記述をもとに分類・集計した値です。記事の情報は2026年9月26日時点のものです。

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