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「急いでるのよ。すぐ済むから」混雑するレジに横から入った女性客。先頭のお客様が静かに返した一言

  • 2026.9.28
「急いでるのよ。すぐ済むから」混雑するレジに横から入った女性客。先頭のお客様が静かに返した一言

混雑するレジに、横から置かれたかご

小売店でレジの仕事をしていたころの話です。

その日は夕方の一番混む時間帯で、お客様の列は売り場の通路まで伸びていました。私と隣のレジの同僚は、それぞれ休む間もなく会計を続けていました。

私が目の前のお客様の会計を終え、次の方へ声をかけようとしたときです。

列の横から、50代くらいの女性客がすっと近づいてきました。そして商品の入ったかごを、私のレジ台に置いたのです。

思わず手が止まりました。

先頭で待っていた60代くらいの女性客も驚いたように女性を見ています。隣のレジにいた同僚も、こちらの様子に気づいたようでした。

「すみません。こちら、列に並んでお待ちいただけますか」

私が声をかけると、女性客は長く続く列を振り返りました。

「急いでるのよ。すぐ済むから」

「申し訳ありません。皆さま順番にお待ちいただいていますので……」

しかし女性客は不満そうな顔をしたまま、かごを動かそうとしませんでした。

「これくらい、いいじゃない」

そう言ってため息をつく女性客を見て、隣の同僚がレジ台の下にある呼び出しボタンを押しました。

先頭で待っていたお客様の一言

ほどなくして、40代の店長が売り場の奥からやってきました。

「どうしました?」

店長に聞かれ、同僚が小声で事情を伝えました。

「こちらのお客様が、横からレジに来られて……」

店長は状況を確認すると、女性客に穏やかな口調で声をかけました。

「恐れ入ります。こちらは皆さま順番にお並びいただいています。最後尾からお願いいたします」

店長が列のほうを示すと、女性客は困ったように眉を寄せました。

「でも、本当に少し買うだけなのよ」

そのとき、先頭で待っていた女性客が口を開きました。

「私もそんなに多くないですよ。でも、みんな並んでますから」

怒った言い方ではありませんでした。ただ、静かにはっきりとした声でした。

女性客は列を見て、それから自分のかごに目を落としました。

少し間を置いたあと、何も言わずにかごを持ち上げ、そのまま列の最後へ向かっていきました。

私は先頭のお客様に向き直りました。

「お待たせして申し訳ありません」

「大丈夫ですよ。こういうとき大変ですね」

そう言って差し出されたかごを受け取り、私はもう一度スキャナーを握りました。

しばらくして列のほうを見ると、先ほどの女性客も、ほかのお客様と同じように静かに順番を待っていました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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