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夜11時、実家に着いた直後「白い車にしたのね」家族より先に新車へ気づいた隣人と、開いていた2階のカーテン

  • 2026.9.28

帰省の車まで気にするおばさん

結婚して家を出てから、私は年に何度か夫の車で実家へ帰っている。実家の隣には、子どものころから知っている70代くらいのおばさんが住んでいる。

昔から周囲のことによく気づく人だった。雨が降り出すと玄関のチャイムが鳴り、

「洗濯物、取り込んだ?降ってきたわよ」

と教えてくれる。

家に誰もいない日には、洗濯物を取り込み、軒下にたたんで置いてくれていたこともあった。母はそのたびに、お菓子を持ってお礼に行っていた。

結婚して初めて夫の車で帰省した日も、荷物を下ろしているうちに、おばさんが門の前までやってきた。

「知らない車が止まってるけど、誰が来てるの?」

母が「娘夫婦ですよ。これからはこの車で帰ってきます」と答えると、おばさんは夫にも丁寧に頭を下げて帰っていった。

ところが次の帰省でも、車を止めて間もなくチャイムが鳴り、また同じことを聞かれた。

その夜、母が少し困ったように笑った。

「前にも話したんだけどね。車のこと、よく見てるわね」

「そこまで気づくんだね」

夫も私も、そのときは笑っていた。昔から親切にしてもらっている人なので、気にかけてくれているのだろうと思っていた。

家族より先に気づいた白い車

去年の秋、夫が車を買い替えた。

前の紺色から白い車になったが、帰省する日まで両親にも誰にも話していなかった。

その日は渋滞にはまり、実家に着いたのは夜11時を過ぎていた。家の明かりもほとんど消えている。

「お義父さんたち、もう寝てるかな」

「鍵は開けておくって言ってたよ」

そう話しながら車を降り、トランクを開けようとしたときだった。

門のほうから足音がして、カーディガンを羽織った隣のおばさんが現れた。

「おかえりなさい。遅かったのね」

そして白い車に目を向けると、にこにこしながら言った。

「白い車にしたのね。前の紺色より、いいじゃない」

「……ありがとうございます」

夫が少し戸惑いながら答えると、おばさんは会釈をして家へ戻っていった。

そのあと起きてきた母は、玄関先の白い車を見て目を丸くした。

「あら、買い替えたの。全然知らなかった」

家族がまだ誰も見ていなかった新しい車に、最初に気づいたのは隣のおばさんだった。

おばさんに何かをされたわけではない。今も会えば明るく声をかけてくれるし、私も変わらず年に何度か実家へ帰っている。

ただ、それ以来、車を止めると無意識に隣の家へ目が向くようになった。

今年の正月も、夜に実家へ着いてエンジンを切った。ふと顔を上げると、隣の家の2階のカーテンが、少しだけ開いていた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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