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「虫や落ち葉に少し困っています」フェンスを越えた隣家の枝と落ち葉。手紙をきっかけに変わったご主人との関係

  • 2026.9.26
「虫や落ち葉に少し困っています」フェンスを越えた隣家の枝と落ち葉。手紙をきっかけに変わったご主人との関係

言い出せないまま2年が過ぎた

一戸建てに越してきて、もう10年になる。

隣の家の庭には背の高い植木が並んでいて、そのうちの一本が年々枝を広げ、いつからか境のフェンスを越えて、うちの庭まで伸びるようになった。

秋になると芝の上には落ち葉がたまり、夏には枝の周りに虫も増える。洗濯物を干す場所まで日陰になるようになり、週末ごとに落ち葉を集めながら、僕は何度もフェンスの向こうを見上げていた。

とはいえ、自分の判断で枝を切るのもためらわれた。隣のご主人とは普段ほとんど顔を合わせず、60代くらいで、朝早く車で出ていく後ろ姿を見かける程度だった。

ある晩、落ち葉を詰めたゴミ袋を三つ並べていると、妻が勝手口から顔を出した。

「これ、いつからこんな感じだったっけ?」

「気になり始めてから、もう2年くらいかな」

妻は少し驚いた顔をした。

「そんなに経ってたんだ。なかなか会えないなら、手紙にしてみたら?」

直接言わなくてもいいのかと思うと、少し気が楽になった。僕は便せんを一枚出し、責めるような文章にならないよう何度も書き直した。

「お庭の木の枝が、うちの庭まで伸びてきていて、虫や落ち葉に少し困っています。お手すきのときに、切っていただけると助かります」

枝がフェンスを越えている様子も写真に撮って印刷し、手紙に添えた。日曜の朝、隣のポストに封筒を入れたときは、これで気まずくならないだろうかと少し緊張した。

写真を手に訪ねてきたご主人

次の週末、インターホンが鳴った。

画面を見ると、隣のご主人が立っている。手には、僕が手紙に添えた写真があった。

何を言われるのだろうと身構えながら玄関を開けると、ご主人はすぐに頭を下げた。

「手紙、ありがとうございました」

「いえ、こちらこそ急にすみません」

するとご主人は写真に目を落とし、申し訳なさそうに言った。

「うちからだと、こんなにそっちへ伸びてるのが見えなかったんです。2年も、すみませんでした」

家の窓から見ると生け垣に隠れてしまい、フェンスのこちら側まで枝が伸びていることに気づいていなかったという。

「今日、切っておきますね」

その日の午後、ご主人は脚立を運び、フェンス際の枝を一本ずつ切っていった。さらにうちの庭側に落ちていた葉も熊手で集めてくれた。

隣の奥さんも出てきて、温かいお茶を二つ、フェンス越しに差し出してくれた。

夕方になって庭へ出ると、枝に遮られていた場所まで光が差していた。妻が芝の上から空を見上げる。

「こんなに明るかったんだね」

それからご主人は、剪定をするたびにフェンス越しに声をかけてくれるようになった。

「こっち側、大丈夫ですか?」

僕が「大丈夫です」と答えると、ご主人は笑って、また枝へ向き直った。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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