1. トップ
  2. エピソード
  3. 彼の画面に映った私の登録名が「嫁」→プロポーズより先に設定変更を見てしまった、私の1週間。

彼の画面に映った私の登録名が「嫁」→プロポーズより先に設定変更を見てしまった、私の1週間。

  • 2026.9.26
ハウコレ

1週間、彼のどんなメッセージにも意味を探してしまいました。何も起きなかった夕食の帰り道、私は迷った末に、あのスクショのことを打ち込みます。

彼から届いたスクリーンショットの上のほうに、通知が1つ映り込んでいました。送り主の欄にあったのは、私の名前ではなく、見覚えのない呼び名。文面のほうは、たしかに私が送ったものでした。

「嫁」の下に並んでいた私の文面

付き合って3年になる彼と、来週の記念日に行く店を決めたところでした。私は「予約の画面、送っといて」と送り、彼からは「これ」とスクショが返ってきました。予約の内容より先に目が行ったのは、画面の上に重なった通知でした。「嫁」の下に、私が送ったばかりの文面が並んでいました。

彼は私を、嫁と登録している。それを知ってしまった私は、「ありがとう」とだけ返しました。彼が見せるつもりのなかった部分を、私は読んでしまったのです。今頃、通知が映ったことに気づいて慌てているのだろうか。そう思って画面を何度も開き直しましたが、彼からの追加のメッセージはありませんでした。

いつもの相づちに、意味を探した1週間

その日から、彼のメッセージがどれも別のものに見えました。「来週、早めに出られる?」の一行に、私は「大丈夫だよ」と返しながら、早めに出る理由をいくつも考えました。夕食の写真にも、天気の話にも、何かが隠れている気がしました。彼が入力中の表示を出しては消すたび、次に来る言葉を待ちました。届いたのは、いつもの短い相づちでした。

本人には聞けません。聞けば、見たことを白状することになります。私は結婚した友人の近況を話題に出さないようにし、彼の親の話も避け、スクショのことは、アルバムの奥にしまいました。

「順番、逆になってごめん」

記念日の店で、彼と合流しました。料理はおいしく、会話は途切れず、彼は最後まで、いつもの彼でした。指輪も、改まった言葉も出てきませんでした。店の前で別れ、私は1人で電車に乗りました。

がっかりしている自分に、少し呆れました。彼が何も言わなかったからといって、責めるわけにはいきません。それでも、あの呼び名を見て何も期待しないほうが無理でした。私は電車の窓に映る自分を見ながら、何度か打ち直して、「この前のスクショ、上に通知が映ってたよ」と送りました。

既読はすぐにつきました。「え」とだけ届き、少し間があって「見た?」と続きました。私は「嫁って、なってた」と返しました。

次のメッセージが来るまでの間、私は駅を1つ乗り過ごしました。届いたのは「ちゃんと言うつもりだった。順番、逆になってごめん」でした。そのあとに「来月、もう一回あの店とっていい?」と続きました。私は「うん」とだけ返しました。

そして...

アルバムの奥のスクショは、まだ消していません。予約の内容と、その上に重なった呼び名。順番が逆になったあの1枚が、来月までの私の予約票です。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ