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「毎日2時間くらい、うちまで響いていて」隣から響いたボールの音。翌日、男の子が我が家を訪れたワケ

  • 2026.9.26

家と家のあいだは1メートルもない

30代の私が暮らしているのは、都会の住宅密集地に建つ小さな一戸建てです。

隣の家とのあいだは1メートルもなく、自宅で仕事をしている私には、気になる音がありました。

夕方になると、隣の家の男の子がボールを持って外へ出てきます。

小学校の高学年くらいで、細い通路でドリブルをしたあと、家の壁に向かってボールを蹴っていました。

「ドン、ドン」と低い音が鳴るたび、仕事部屋まで響いてきます。時計を見ると、それが毎日2時間ほど続くこともありました。

仕事に集中できず、正直かなり困っていました。

それでも、これからも隣同士で暮らしていく相手です。

注意したことで関係が気まずくなったらと思うと、なかなか言い出せませんでした。

そんなある夕方、隣のお母さんがゴミ袋を持って外へ出てきました。40代くらいの女性です。

今なら話せるかもしれない。そう思った私は、思い切って外へ出ました。

「こんばんは。ちょっとだけ、いいですか」

「はい。どうしました?」

私は少し言葉を選んでから、切り出しました。

「息子さんのボールの音なんですが、毎日2時間くらい、うちまで響いていて…。仕事中だと、ちょっと気になってしまって」

思っていたのとは違う返事

お母さんは一瞬驚いた顔をして、それから家と家のあいだの細い通路に目をやりました。

「そんなに響いていたんですね。気づかなくて、ごめんなさい」

そう言って、すぐに頭を下げてくれました。

何か言い返されるかもしれないと身構えていた私は、その言葉を聞いて肩の力が抜けました。

「こちらこそ、急にすみません」

「いえ、教えてもらえてよかったです。家の中にいると、そこまで響いてるって分からなくて」

お母さんはもう一度通路を見てから、「息子にも話しますね」と言いました。

その夜、隣からお母さんと男の子が話している声が聞こえました。内容までは分かりませんでしたが、怒鳴るような声ではなく、落ち着いて話しているようでした。

翌日、ボールを抱えてやってきた男の子

次の日の夕方、玄関のチャイムが鳴りました。

ドアを開けると、男の子がボールを両手で抱えて立っています。少し離れた門のところには、お母さんの姿もありました。

男の子は少し緊張した様子で、私を見上げました。

「ごめんなさい。これからは公園でやります」

そう言って小さく頭を下げると、後ろにいたお母さんも会釈しました。

「わざわざ来てくれてありがとう。練習、がんばってね」

私がそう返すと、男の子は少しだけ笑ってうなずきました。

それから夕方になると、男の子はボールを抱えて近くの公園へ向かうようになりました。仕事部屋に響いていた「ドン、ドン」という音もなくなり、静かな夕方が戻ってきました。

公園から帰ってきた男の子と、通路で顔を合わせることもあります。

「おかえり」

「ただいま!」

以前は隣から聞こえる音に身構えていた私ですが、今ではその元気な声を聞くと、自然に笑って返せるようになりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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