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「急ぎで車を出したいんです」5年続いた近所の洗車に困った私。だが、初めて本音を伝えた結果

  • 2026.9.26

洗車のたびに車を出せなくなる

僕の家は、町内の細い道に面した一戸建てだ。2軒隣のご主人は家に駐車場がなく、少し離れた場所に車を停めている。

ただ、月に2度ほど洗車をするときだけは、なぜかうちの前まで車を寄せてくる。そのあいだは、うちの車を車庫から出せない。

急に車が必要になると、泡だらけの車をいったん動かしてもらわなければならない。

そんな状態が、もう5年ほど続いていた。

ある土曜の朝、妻を急いで病院へ連れていくことになった。

玄関を出ると、やはりうちの前には洗車中の車が停まっていた。

「すみません。急ぎで車を出したいんです」

「ああ、分かりました。今動かします」

ご主人はスポンジを置き、濡れた手を拭きながら運転席へ向かった。

いつものように車を動かしてもらえば、それで済む話だった。それでも、その日はどうしても一言伝えておきたいと思った。

「こういうとき、やっぱり困るんです。今まで、ちゃんとは言えなかったんですけど」

ご主人はドアに手をかけたまま、一瞬こちらを振り返った。

何か言いかけたものの、そのまま黙って車を脇へ寄せてくれた。

町内会長さんに相談してみると

その週の夕方、回覧板を届けに来た町内会長さんに、思い切って相談した。

70代くらいの、町内の事情をよく知っている人だ。

「月に2度くらい、うちの前で洗車をされるんです」

「洗車をすること自体に口を出したいわけじゃないんです。ただ、その間は車を出せなくて……」

会長さんは少し考えてから言った。

「集会所の駐車場が使えるか、確認してみますよ。ご主人には私から話してみます」

僕は「お願いします」と頭を下げた。

2日後の夜、玄関のチャイムが鳴った。ドアを開けると、2軒隣のご主人が立っていた。

「会長さんから聞きました」

そう言うと、ご主人は頭を下げた。

「長いこと迷惑をかけてましたね。すみませんでした」

「いえ、僕ももっと早く言えばよかったんです」

ご主人は少し気まずそうに笑った。後ろで様子を見ていた妻も、ほっとしたように会釈した。

その後、集会所の駐車場を洗車に使えることになり、次の月から、ご主人がうちの前に車を停めることはなくなった。

週末に近くを通ると、集会所の駐車場で洗車をしているご主人を見かけることがある。ある日は町内会長さんと話しながら、二人でホースを持っていた。

先日、急な用事で車庫から車を出したとき、助手席の妻が窓の外を見て言った。

「いつでも出られるって、やっぱりいいね」

僕も「ほんとだな」と答えた。5年も抱えていたことなのに、きちんと言葉にしてみれば、思っていたより穏やかに話は収まった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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