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成宮寛貴&青木マッチョ、『藁にもすがる獣たち』 の多彩な格闘シーンで築いた絆「クライマックスのアクションを楽しんでほしい!」

  • 2026.9.25

江戸川乱歩賞受賞作家、曽根圭介の同名小説を映画化した『藁にもすがる獣たち』(公開中)は、まさに快作と呼びたいループ型ノンストップ・サスペンス。消えた1億円をめぐり、金に困った弱小YouTuberの大学生やヤンチャな不良警官、抜け目ない夜職悪女、ヤクザ、認知症気味のおばあちゃんらが絡んでもつれ合い、壮絶な争奪戦を繰り広げる。ド派手なアクションを交えつつアップテンポで展開する物語は、スリル満点であるだけでなくユーモアや人間味もしっかりにじみ出て、とにかく目が離せない。

【写真を見る】終始笑顔!成宮寛貴×青木マッチョのほっこりショットを撮り下ろし

そんな快作に、悪役的なポジションで参加したのが成宮寛貴と青木マッチョ。10年ぶりの映画出演となる成宮は、ヤクザからの借金を抱えて困った立場に追い込まれた挙句、1億円をなんとしても手に入れようとする不良警官、江波戸良介役。お笑い芸人であり、本格的な映画出演は初めてとなる青木は、そんな江波戸をトコトン追い込むヤクザの刺客、おかっぱヘアの怪力男・エリンギ役を演じる。共演シーンも多く、初共演にしてすっかり打ち解けた様子の2人に、本作の激しいアクション撮影の舞台裏について、話を聞いた。

「城定監督からオファーをいただき、また一緒に組めてうれしかったです」(成宮)

――お2人は、まったくタイプの異なる“悪役”を演じられていますが、それぞれどのように役を受け止めましたか?

青木「エリンギは良介(成宮)を倒すこと以外、なにも考えていません。お金のことはどうでもよくて、目的はそれだけ。その結果として、恐ろしい悪役になったんじゃないかなあと思います」

成宮「僕が演じたキャラクターは欲に弱いし、女性にも弱い。確かに悪いヤツなんだけど、わずかな優しさも残っていて、それがまた弱みになります。一見、振り回している側に見えますが、周りは個性の強いキャラクターばかりだから、実は振り回されている側なんですよね。なので芝居の最中は、受けに回ることを心掛けました。誰にでもいい顔をして、やり過ごすところは、なんかかわいいなと思ったし、ほかのキャラクターにしてもお金のために必死になって不器用さを出すところがかわいいと思います」

1億円を手に入れるため奔走する不良警官、江波戸良介 [c]曽根圭介/講談社 [c]2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
1億円を手に入れるため奔走する不良警官、江波戸良介 [c]曽根圭介/講談社 [c]2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

青木「僕にもかわいさはありました?」

成宮「ピチピチのTシャツ姿がかわいかったですよ(笑)」

青木「そうだ、僕は役のために生け花教室、通いました」

成宮「嘘つけ(笑)」

青木「ホントですって!映画をがっつりやるのは初めてだったので、役作りをどうすればいいのかわからなくて、エリンギの趣味が生け花だったから、とりあえず教室に通ったんですよ。ちゃんと生け花も完成させて、それから撮影に臨みましたが、花をぞんざいに扱う役だったので、なんだかイヤな気持ちになりました(笑)」

――現場でアイデアを出して、それが映画に反映されたことはありましたか?

成宮「俳優業に復帰して、最初のドラマ(「死ぬほど愛して」)の監督が城定(秀夫)さんでした。今回は監督からオファーをいただき、また一緒に組めてうれしかったし、アイデアも出しやすかったんですよ。信頼関係ができていましたから。例えば、僕のラストのシーンは監督と話し合いながらつくっていきましたし、すごくいいシーンになっていると思います」

圧倒的パワーと執念で良介を追い詰めるエリンギ [c]曽根圭介/講談社 [c]2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
圧倒的パワーと執念で良介を追い詰めるエリンギ [c]曽根圭介/講談社 [c]2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

青木「僕はもう初めての経験でしたから、言われたとおりにやる、という感じで。個人的に頑張ったことがあるとすれば、前夜に水をがぶ飲みして顔をむくませて、目つきを悪くしたことくらいです」

成宮「言われてみると、いまのほうが目つきが優しい気がする!撮影の時は、目つきが鋭かったですよね」

青木「もうホント、それだけです。自分からアイデアを出すような余裕はなかったから」

「車の中での格闘は、消防士の仕事をしていた時のことを思い出しました」(青木)

――共演シーンは多いですが、カメラが回っていない時はどんな話をされていたのですか?

青木「演技に関してだと、力の加減ですね」

成宮「車の中の格闘シーンだったかな。お芝居は一緒につくるものだから、もっと乗っかってきていいよ、と言った覚えがあります」

狭い車中でのアクションはどうやって撮影されたのか? [c]曽根圭介/講談社 [c]2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
狭い車中でのアクションはどうやって撮影されたのか? [c]曽根圭介/講談社 [c]2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

青木「そうそう、もみ合うにしてもどこまで力を入れていいのかわからないんです。そういうことを言ってくれたのは成宮さんが初めてだったから、メッチャ勉強になりました」

成宮「青木さんは前職の消防士だったころのこととか、いろいろ話してくれました。それと芸人さんの世界にも僕は興味があったから、いろいろ尋ねるんですけど、話がとにかくおもしろくて聞き入っちゃう。芸人さんと仕事をすると、自分はおもしろくない人間だなあと思ってしまいます(苦笑)」

青木「そんなことないですよ!僕はとにかく初めてづくしでなにをやるにしても緊張していましたが、現場でご一緒することがいちばん多かった成宮さんが、いろいろ話しかけてきてくれたおかげで、リラックスできるようになりましたから」

――映画のクライマックス、良介とエリンギのバトルが延々と続くアクションは最大の見せ場でもありますが、あのシークエンスの組み立てについてお聞きしたいです。まずはいま、話に出た車の中での格闘ですが、狭い車内でのもみ合いは大変だったのでは?

【写真を見る】終始笑顔!成宮寛貴×青木マッチョのほっこりショットを撮り下ろし 撮影/杉映貴子 スタイリング(成宮寛貴)/杉長 知美 ヘアメイク(成宮寛貴)/INOMATA(&’s management) スタイリング(青木マッチョ)/松本ユウスケ(anahoc)
【写真を見る】終始笑顔!成宮寛貴×青木マッチョのほっこりショットを撮り下ろし 撮影/杉映貴子 スタイリング(成宮寛貴)/杉長 知美 ヘアメイク(成宮寛貴)/INOMATA(&’s management) スタイリング(青木マッチョ)/松本ユウスケ(anahoc)

成宮「小さい車でしたし、3人乗っているうちのひとりはバカデカいですから(笑)」

青木「(笑)。マジで狭かったですね。それと暑くてシンドかった。消防士の仕事をしていた時のことを思い出しました。瓦礫救助(倒壊建物内部に取り残された要救助者を救出する活動)の際に狭いところに入っていくような、あの感覚に近いものがありました」

成宮「青木さんは撮影の前から、格闘の段取りを練習されていて、僕はリードされるような感じでしたね」

青木「やらせていただきました。僕は何度も練習したのでなんとかなったけれど、成宮さんはほとんど一発でOKだったから、さすがだなあと思いました」

成宮「でも、ひとりで頑張ってもできないシーンですからね。単に格闘しているように見えても、見えない部分でお互いの体重を支えあってボコスカやってるわけだし」

青木「確かに、協力プレイでした」

――青木さんは、走る車の上に乗ってフロントガラス越しに顔を出すなどのスタントもやられていましたが、実際に自分でやられたのですか?

青木「そうですね、僕がやらせていただきました。スタントマンの方もいらっしゃいましたが、あれはプレッシャーでした。メッチャ、マッチョなスーツを着ていて、僕より全然デカいんですよね」

成宮「あれはおかしかった。でも、あのシーンは実際に車を回転させているんですよ。CGではなくて」

青木「そうそう、回っている状態で、僕が屋根から車内へ入っていく」

成宮「けっこうドキドキな撮影ではありましたね。一応、命綱はつけているし、見えないところで体を固定させてはいますけれど、見ていて真っ青になりました」

「脳汁があふれ出てくるような本作を映画館で楽しんでいただけたら」(成宮)

――そしてバトルの舞台は『仁義なき戦い』(73)を上映している映画館の中へと発展していきますが、座席が並んでいる劇場内での格闘も大変そうですね。

成宮「そうですね。伝統ある東映の映画館(2025年7月に閉館した丸の内TOEI)を破壊しながらの撮影でした。あの時も青木さんは『いけないことをやっている気がするけれど、いけないことをやるのって興奮しますね』って、おもしろいことを言っていましたね」

青木「ありがとうございます(笑)。あの場面になるとマジで格闘していましたね」

撮影を通じ、すっかり打ち解けた成宮寛貴と青木マッチョ 撮影/杉映貴子 スタイリング(成宮寛貴)/杉長 知美 ヘアメイク(成宮寛貴)/INOMATA(&’s management) スタイリング(青木マッチョ)/松本ユウスケ(anahoc)
撮影を通じ、すっかり打ち解けた成宮寛貴と青木マッチョ 撮影/杉映貴子 スタイリング(成宮寛貴)/杉長 知美 ヘアメイク(成宮寛貴)/INOMATA(&’s management) スタイリング(青木マッチョ)/松本ユウスケ(anahoc)

成宮「ドリンクホルダーにスネを打ちつけたりして、青あざだらけになっていました」

青木「やっている時はアドレナリンが出ているから痛みは感じないんですけれど、終わってからあそこもここもケガしている、と気が付くんです」

成宮「シャワー浴びていたら“痛っ!”と感じたり」

青木「それです。撮影でびっくりしたのは、僕がドロップキックをする場面のために何度か練習したんですが、それでも何度か撮り直しになったのに、成宮さんは僕へのドロップキックを一発で決めた。あれには驚きました」

成宮「『あずみ』のような作品でアクション演技の経験があったから、それが活きたんだと思います。それと、今回は的が大きかったから(笑)。僕が演じてみて思ったのは、台本を読んだ時以上に青木さんが強いキャラクターをつくっていらしたので、対等に殴り合いしても勝てる相手には見えないということでした。なので、僕がズルをするような戦い方を殺陣に入れてもらったんです。ツバを吐いて目くらましするとか、腕に噛みつくとか」

青木「歯形がつくくらい、けっこうしっかり噛まれました(笑)」

――最後に、この映画を楽しみにしている観客の方にメッセージを。

青木「この映画は全部おもしろいですが、やっぱり僕はクライマックスのアクションを楽しんでほしいですね。自分としても入念に準備をして臨んだシーンですし、いままでに見たことがないような立ち回りもあると思います」

成宮「僕らが演じたキャラクターを含めて登場人物は皆、それぞれに抜け出せないポジションに追い込まれています。そのなかの誰かにきっと感情移入できると思うし、それを通じて、観ていて脳汁があふれ出てくるような、この娯楽作を映画館で楽しんでいただけたらうれしいですね」

『藁にもすがる獣たち』は公開中 [c]曽根圭介/講談社 [c]2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会
『藁にもすがる獣たち』は公開中 [c]曽根圭介/講談社 [c]2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

取材・文/相馬学

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