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「このパン、昨日より小さくないか」パンの大きさを巡って止まった列。だが、店長が量りで確かめた重さ

  • 2026.9.26

土曜の午前中、パン屋の列が止まった

土曜の午前中、私は焼きたての匂いにつられて、路地の角にある小さなパン屋へ入りました。レジまでの短い列には、5〜6人が並んでいました。

私のすぐ前にいた50代くらいの男性が、トレーにのせたパンを見ながら、レジの若い店員に声をかけました。

「このパン、昨日より小さくないか」

店員は少し戸惑いながら答えました。

「焼き上がりによって、形や大きさに多少差が出ることがありまして…」

すると男性は、パンを見たままもう一度言いました。

「いや、昨日より小さくないかって聞いてるんだ」

今度は店内に響くほどの声でした。

「値段は同じなんだろ。だったら、サイズが違うのはおかしいじゃないか」

さらに男性は棚を指し、「そういうことなら、ちゃんと書いとくのが普通だろう」と続けました。

店員は何度も頭を下げます。会計が止まり、並んでいた人たちも黙ったまま待っていました。私も何も言えず、手にしたトレーを持ち直しました。

店長が2つのパンを量って見せた

やがて奥の扉が開き、粉のついたエプロン姿の店長が出てきました。

店長は男性の話を最後まで聞くと、「少し確認していただいてもよろしいですか」と言って、レジの奥から小さな量りを出しました。

男性が持っていたパンをのせ、続いて同じ棚から持ってきた別のパンものせます。目盛りは、ほとんど同じところで止まりました。

「見た目には差がありますが、重さはほとんど変わりません」

男性は量りをのぞき込みました。

「…でも、やっぱりこっちのほうが小さく見えるだろう」

「そうですね。生地は同じ量に分けて焼いていますが、焼き上がりによって、ふくらみ方や形に差が出ることがあります」

男性はもう一度2つのパンを見比べましたが、それ以上は何も言いませんでした。

店長はその場で短い札を書き、棚の端に立てました。

そこには、「焼き上がりにより、形や大きさが変わることがあります」と書かれていました。

男性は札をしばらく見たあと、最初に選んだパンをそのままレジへ出しました。会計を済ませ、袋を受け取ると店を出ていきました。

ようやく列が動き始め、店員の声もいつもの調子に戻りました。

その夜、家族に「今日は何かあった?」と聞かれ、私はパン屋で起きたことを話しました。

同じ商品でも、見た目だけでは分からないことがある。それ以上に、目の前で実際に確かめてもらうという店長の対応が、妙に印象に残った出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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