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「こっちは急いでるんだよ」と新人店員を急かす男性。止まったレジで、客たちが続けてかけた一声

  • 2026.9.25
「こっちは急いでるんだよ」と新人店員を急かす男性。止まったレジで、客たちが続けてかけた一声

特売日の夕方、止まったレジの列

週に一度の特売日で、夕方の売り場は買い物客で混み合っていた。どのレジにも列ができていて、私は一番端の列の三番目に並んだ。

レジに立っていたのは若い店員さんだった。首から下げた名札には、新人のため少々お時間をいただきます、と書き添えられている。

精算はレジ横のセルフの機械で行う仕組みだった。私の二つ前にいた年配の男性が、支払い画面の前で困ったように顔を上げると、店員さんがすぐ横へ回った。

「こちらを押していただくと、お支払いに進みます」

「これかい?押しても何も出ないんだけど」

「あ、失礼しました。では、こちらをもう一度押してみてください」

店員さんは画面を確認しながら、ひとつずつ操作を説明していた。そのため列は少しの間、動かなくなった。

すると、私のすぐ後ろに並んでいた男性が、持っていたかごを台に置いた。

「おい、早くしろよ」

店員さんがびくっと肩を揺らした。それでも年配の男性への説明を続けている。

しばらくすると、後ろからまた同じ声が飛んだ。

「おい、早くしろよ」

店員さんは年配の男性に案内を続けながら、こちらの列にも「お待たせして申し訳ありません」と頭を下げた。

後ろの男性にも事情はあったのかもしれない。それでも、新人の店員さんが一人で何度も謝っている姿を見ていると、いたたまれない気持ちになった。

後ろから続いた、もう一つの声

私は店員さんに向けて、思わず声をかけた。

「大丈夫ですよ。ゆっくりで」

すると、怒鳴った男性よりさらに後ろに並んでいた年配の女性も口を開いた。

「私も先週、ここで教えてもらったんですよ」

「そうなんですか」

「ええ。こういう機械、慣れるまでは分からないものね」

女性はそう言って、店員さんに小さく笑いかけた。

それまで張りつめていた列の空気が、少しだけやわらいだ気がした。怒鳴っていた男性は何も言わず、台の端へ目を落とした。

そのころ、売り場の奥から店長が早足でやってきた。店員さんの横で画面を確認すると、列に向かって落ち着いた声で言った。

「順番にご案内していますので、もう少しお待ちください」

すると後ろの男性が不満そうに返した。

「こっちは急いでるんだよ」

「お急ぎのところ申し訳ありません。ただ、操作にお困りのお客様へのご案内も必要ですので、少々お待ちください」

男性がさらに何か言いかけると、店長はもう一度、同じ趣旨を落ち着いて伝えた。そして隣へ移り、閉じていたレジをもう一台開けた。

「お待ちのお客様、こちらへどうぞ」

怒鳴っていた男性はそれ以上何も言わず、開いたレジへ移った。会計を済ませると、そのまま出口へ向かっていった。

やがて年配の男性の精算も終わり、私の番になった。

店員さんは私のかごを受け取ると、小さく頭を下げた。

「ありがとうございます」

「いえいえ。慌てなくて大丈夫ですよ」

後ろを見ると、先ほど声をかけた年配の女性も、かごを抱えたまま静かに笑っていた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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