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カセットボンベの捨て方 政令市は20市すべて穴あけ不要

  • 2026.9.24

鍋の季節に出番が増えるカセットボンベ。政令指定都市20市の公式サイトを確かめると、20市すべてが捨てるときの穴あけを不要としていました。一方、全国の市区町村では穴あけ不要が42.6%(環境省調査・平成31年3月時点)。捨てるときの火災が約6割という東京消防庁のデータ、製造から7年の早見、しまい方・捨て方のNG5つもまとめました。

鍋がおいしい季節になると、カセットこんろを出す家も増えてきます。棚の奥から去年のボンベが何本も出てきて、「これ、いつのだっけ?」「使いかけはどう捨てるの?」と迷ったことはありませんか。
この記事では、環境省・国民生活センター・NITE(製品評価技術基盤機構)・東京都の公表資料と、各市の公式サイトをもとに、次のことを整理しました。
・捨てるときに穴をあけるかどうか(政令指定都市20市の公式サイトを確かめて集計。全国では、住民に穴あけを求めている市区町村も少なくありません)
・スプレー缶とボンベの火災は、どんな場面で起きているか(東京消防庁のデータ)
・ボンベは製造から何年が目安か(製造年からわかる早見)
・しまい方・捨て方でやりがちなNG5つ
スプレー缶も、捨て方の考え方はカセットボンベとほぼ同じです。あわせて確認しておきましょう。

政令市20市はすべて「穴あけ不要」 全国は約4割(平成31年)

カセットボンベやスプレー缶を捨てるとき、缶に穴をあけるかどうかは、住んでいる自治体によって違います。国民生活センターも、廃棄方法は自治体によって「缶に穴を開ける、または開けない等」異なるので、中身を使い切って空にした状態で、お住まいの自治体の指示に従うよう呼びかけています。
そこでweboo編集部で、政令指定都市20市の公式サイトを2026年9月23日に確かめました。結果は、20市すべてが「穴をあけない」(穴あけ不要)。「穴をあける必要はありません」と書く市もあれば、「穴をあけないで」「絶対に行わないでください」とはっきり止めている市もあります。
ただし、これは大きな市だけの話です。環境省が全国の市区町村に行った調査(平成31年3月時点・この設問に回答した1,563市区町村)では、住民の穴あけを「不要」としていたのは666市区町村(42.6%)、「穴開け実施」が897市区町村(57.4%)でした。環境省は平成28年時点の27%から増えたとしつつ、「いまだ半数以上の市区町村が住民に対して排出時の穴開けを指導している」としています。環境省自身は、排出する際に「穴開けをしない方向が望ましい」という考えを自治体に示しています。その後ルールを変えた自治体もあるため、いまの全国の割合はこの数字と違う可能性があります。
違いは穴あけだけではありません。出す区分も市によってさまざまです。
・有害(危険)ごみの日に出す:さいたま市・千葉市など
・資源ごみの日に、ほかの缶とは別の袋で出す:大阪市・静岡市など
・燃やせるごみと同じ日に、指定ごみ袋とは別の透明・半透明の袋で出す:札幌市
・家庭ごみの袋で出す:北九州市
中身が残ってしまったときの扱いも違います。さいたま市・川崎市・新潟市・堺市は「中身あり」「中身入り」などと表示して出す方法を示している一方、神戸市は「中身が残っている場合は収集できません」として、区の事業所に相談したうえでの持ち込みを案内しています。横浜市・名古屋市は区の事務所への相談、札幌市は清掃事務所や消防署(出張所)などでの引き取りを案内しています。
引っ越してきたばかりの人は、前の町のやり方のまま出していないか、一度確かめておくと安心です。

出典 www.env.go.jp

スプレー缶とボンベの火災 約6割は「捨てるとき」

国民生活センターが紹介している東京消防庁のデータでは、東京消防庁の管内で2014〜2018年の5年間に、スプレー缶製品やカセットボンベによる火災が508件起きています。内訳は次のとおりです。
・使っているとき(不適切な使用など):211件
・捨てたあと ごみ収集車の中:148件
・捨てるための穴あけのとき:131件
・その他(捨てるとき):18件
使っているときより、捨てるときの火災(297件・約58%)のほうが多いのです。5年で297件ということは、1年あたり約59件、週に1件あまりのペースです(weboo編集部の計算)。
なかでも多いのが、捨てたあとのごみ収集車の中での火災(148件)。中身が残ったボンベが収集車の中で押しつぶされ、漏れたガスに火花などで火がつくおそれがあると、NITEも説明しています。出した本人ではなく、収集する人やまわりの人が危ない目にあうことになります。
また、穴をあけるときの火災も131件ありました。穴をあける自治体に住んでいても、中身を使い切ってからあけることが大前提です。
なお、この数字は東京消防庁の管内のもので、全国の件数ではありません。

捨てる前の3ステップ 使い切る・音を確かめる・屋外で

環境省は自治体に向けて、スプレー缶やボンベをごみに出すときは次の扱いが必要だとしています。
・1. 最後まで使い切る。カセットボンベは、カセットこんろなどの機器で使い切る(国民生活センター)
・2. 缶を振って音を確かめる。中身が残っていないかを確認する
・3. ガス抜きキャップがある製品は、火の気のない風通しのよい屋外で、キャップを使って残りを出し切る(キャップの使い方は缶の表示に従い、シューッという音がしなくなるまで出します)
3で「屋外で」とされているのには理由があります。国民生活センターのテストでは、風通しの悪い場所ではガスが下のほうにたまり、時間がたっても火がつく危険があることがわかりました。キッチンのシンクや部屋の中でガスを抜くのは避けましょう。
そのうえで、穴をあけるかどうか、どの日に出すかは、住んでいる自治体の指示に従います。
どうしても中身を出し切れないときの扱いも、自治体によって違います。環境省の調査では、出し切れない場合の対応を答えた自治体のうち、半数近く(46.8%)が「窓口や処理施設への持ち込み」を案内していました。自己流で処理せず、まずは自治体のごみの担当窓口に問い合わせましょう。

しまう前に製造年を確認 ボンベは7年が目安

NITEは、外観に異常がなくてもカセットボンベは7年、カセットこんろは10年を目安に、買い替えを検討するよう呼びかけています。東京都の調査でも、ボンベの使用期限は7年が目安とされています。
国民生活センターによると、近年販売されたカセットボンベには製造年月日が表示されています。製造年に7を足すと、目安の年がわかります。
・2017年製造 → 2024年(もう過ぎています)
・2018年製造 → 2025年(もう過ぎています)
・2019年製造 → 2026年(今年です)
・2020年製造 → 2027年
・2021年製造 → 2028年
・2022年製造 → 2029年
つまり2026年のいま、2019年以前に作られたボンベは目安の7年に届いています(年だけで数えた目安です。月まで見るときは製造年月で確かめてください)。
東京都が都内の20歳以上2,000人に行った調査(令和5年11月)では、ボンベを持っている人の12.8%以上が、買った時期から数えて7年の目安を超えたものを持っていました。
古いボンベは、ガス漏れやさびがないことを確かめたうえで、早めに使い切りましょう。国民生活センターは、製造時期がわからないものや、金属部に変形やさびがあるものは使わないよう呼びかけています。保管期間が5年ほどでも、保管環境が悪いとガス漏れが起きた例もあります。
しまうときのポイントは次の2つです(NITE)。
・こんろから外してしまう。付けたままにしない
・室内の40℃未満の場所に保管する。ストーブやこんろ、こたつなどの熱源のそばに置きっぱなしにしない
災害用に備蓄している場合も、年に一度は製造時期を確かめ、古いものから使って新しいものを補充していくと、期限切れを防げます(国民生活センター)。

出典 www.nite.go.jp

しまい方・捨て方でやりがちなNG5つ

ここまでの内容を、やりがちなNGと代わりにできることにまとめました。
NG1. 中身が残ったまま、ごみに出す
→ こんろで最後まで使い切り、振って音がしないか確かめる
NG2. 室内のシンクや部屋の中でガスを抜く
→ ガス抜きは火の気のない、風通しのよい屋外で
NG3. 前に住んでいた町のやり方で穴をあける
→ 穴をあけるかどうかは、いま住んでいる自治体の指示に従う
NG4. 使い終わったボンベをこんろに付けたまましまう
→ こんろから外して、室内の40℃未満の場所に保管する
NG5. ストーブやこたつ、こんろのそばに置きっぱなしにする
→ 熱源のそばに置かない。ガスの出が悪くても温めない
NITEに通知があったカセットこんろの事故は、2014〜2023年度の10年間で91件。調査が終わった86件のうち、使う人の誤使用・不注意が推定されるものが33件(約4割)でした。いちばん多いのは、ボンベが異常に熱くなるような使い方をしたケース(14件)です。こんろを2台以上並べて使ったり(NITE)、大きな調理器具を乗せたりすると(東京都)、ボンベが熱くなるおそれがあります。ガスの出が悪くなったからといって、ボンベを温めるのもやめましょう。

出典 www.nite.go.jp

よくある質問

引っ越し先のルールはどこで確かめればいい?

住んでいる市区町村の公式サイトの「ごみの分け方・出し方」のページや、自治体が配っているごみの分別表で確かめられます。「スプレー缶」「カセットボンベ」の項目に、穴をあけるかどうか、何ごみの日に出すか、袋を分けるかなどが書かれています。政令指定都市どうしでも出す区分や袋の分け方が違うので、前に住んでいた町の感覚で出さないようにしましょう。

スプレー缶も同じ出し方でいいの?

環境省や国民生活センターは、スプレー缶(エアゾール製品)とカセットボンベをまとめて扱っていて、「中身を使い切る」「振って音を確かめる」「ガス抜きキャップがあれば屋外で使う」「自治体の指示に従う」という考え方は共通です。ただ、出す区分は自治体によって違うので、それぞれの項目を確かめてください。国民生活センターのアンケートでは、置いたままになっているスプレー缶製品の中に、中身の処理に困って長く放置されているものもありました。

ボンベは何本くらい置いておけばいい?

災害に備える本数の目安は、家族の人数と日数で変わります。農林水産省の目安をもとにした数え方は、下の関連記事「台風シーズンの備蓄見直し」で紹介しています。数をそろえたら、製造年を確かめて、7年の目安が近いものから使っていきましょう。

まとめ 鍋の前に「製造年」と「住んでいる町のルール」を確認

カセットボンベ・スプレー缶のしまい方と捨て方をおさらいします。
・穴をあけるかは自治体しだい。政令指定都市20市では20市が「穴あけ不要」(2026年9月23日時点)
・東京消防庁管内の火災508件(2014〜2018年)のうち約58%は捨てるとき。ごみ収集車の中の火災が148件
・捨てる前に、使い切る・振って音を確かめる・ガス抜きは屋外で
・ボンベは製造から7年、こんろは10年が目安。2026年なら2019年以前の製造は目安に到達
・こんろから外して、室内の40℃未満の場所に。熱源のそばに置かない
鍋の準備のついでに、棚のボンベを並べて製造年を見てみるところから始めてみてください。

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