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「朝ごはんくらいどこで食べても自由でしょ」車内でハンバーガーを食べ続けた若者。だが、隣の男性に注意されたあと取った行動

  • 2026.9.25
「朝ごはんくらいどこで食べても自由でしょ」車内でハンバーガーを食べ続けた若者。だが、隣の男性に注意されたあと取った行動

発車前の車内に広がったにおい

数年前の冬、私は毎朝、始発駅から電車に乗って通勤していた。少し早めに乗りこみ、座席で発車を待つのがいつもの朝だった。

その日も最初は空席が目立っていたが、発車時刻が近づくにつれて、会社員や学生が次々と乗ってきた。

向かいの席に座っていた20代くらいの男性が、紙袋からハンバーガーを取り出した。

包み紙を開けて食べ始め、1個目を食べ終えると、そのまま2個目を取り出した。

暖房の効いた車内に、焼いた肉とソースのにおいが広がっていく。

私は思わずマフラーを口元まで上げた。近くの女性も、一度若者のほうを見てから顔をそむけていた。

まだ発車前とはいえ、車内はどんどん混み始めている。

私は「ホームで食べればいいのに」と思いながらも、直接声をかけることはできなかった。

すると、若者の隣に座っていた年配の男性が、少し迷うように口を開いた。

「あの、すみません。結構においがしますよ」

若者は食べる手を止め、眉を寄せた。

「え?だからなんですか?朝ごはんくらいどこで食べても自由でしょ」

年配の男性が返した言葉

周囲の何人かが、二人のほうをちらりと見た。

年配の男性は声を荒らげることもなく、困ったように笑った。

「まあ、食べちゃいけないとは言いませんけどね」

そして、乗ってくる人が増えている車内を見ながら続けた。

「ただ、これから混みますから。まだ発車まで少しありますよ」

若者は返事をせず、周囲を見回した。

立っている人も増え、さっきより車内が狭くなっていることに気づいたのか、少しだけ表情が変わった。

「…別に、迷惑かけるつもりじゃなかったんですけど」

そう言うと、食べかけのハンバーガーを包み直して紙袋へ戻した。

しばらく座っていたものの、やがて紙袋を持って立ち上がり、そのままホームへ降りていった。

窓越しに見ると、若者は少し離れたベンチに腰を下ろしていた。

私の近くにいた女性が、小さく息を吐いた。

「ちょっと言いづらいですよね、ああいうの」

私は思わずうなずいた。

「そうですね…私も気になってたんですけど、言えませんでした」

発車時刻が近づくと、若者は紙袋を持ったまま車内へ戻り、元の席に座った。もうハンバーガーを取り出すことはなかった。

年配の男性も何も言わず、手にしていた文庫本へ目を戻した。

誰かを言い負かしたわけではない。それでも、相手の「自由」を頭から否定せず、今の状況だけを伝えた男性の言葉が、その朝は妙に印象に残った。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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