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「悔しくないわけがないだろ」と言い張った俺は、息子の話を最後まで聞いていませんでした

  • 2026.9.25
ハウコレ

悔しいはずだと決めたのは、息子ではなく俺でした。公園で息子が言いかけた言葉を、同じ言葉で遮り続けていたのです。息子が係決めのプリントを見せるまで、気づけませんでした。

笛の代わりに、俺の手拍子で息子を走らせていました。運動会の練習が始まった9月、登校前の公園での往復です。

食卓の受け取り違い

「リレー、出ないんだ」

小学2年生の息子が食卓でそう言ったとき、俺は選ばれなかったのだと決めてかかりました。

悔しさを隠している。まだ諦めるには早い。頭の中で勝手に話が進んでいきます。

妻が唐揚げを1つ多くのせるのを見て、慰めるだけでは何も変わらないとさえ思っていました。

「まず走ろう」で遮った

翌朝から、公園で走らせ始めました。

往復の途中で、息子は何度か「あのね」と口を開きました。

そのたびに俺は、

「まず走ろう」

と返しました。

話を聞けば、「別に悔しくない」という答えが返ってきそうでした。それを認めたら、俺が朝から走らせている意味までなくなる。

いつの間にか、息子のためではなく、自分が間違っていなかったことを証明するために続けていました。

聞いていなかった側

台所で妻に、

「本人、そんなに気にしてないんじゃない?」

と言われ、俺は返しました。

「悔しくないわけがないだろ」

「悔しがらせたいのは、あなたのほうでしょう」

腹が立って、流しの前で背中を向けました。

そこへ帰ってきた息子が、ランドセルからプリントを出しました。

「ぼく、選ばれなかったんじゃないよ」

ゴール係の欄を指さして続けます。

「リレーは出ないって先生に言って、テープを持つ係にしてもらったの」

公園で何度も言いかけていたのは、これだったのだと分かりました。

俺は椅子を引き、息子の隣に座り直しました。

そして...

運動会の日、息子はゴールテープの端を持っていました。

「テープのところにいると、ゴールの顔が全部見えるんだよ」

帰り道でそう話す息子に、俺は言いました。

「それもいいな」

自分ならリレーに出るほうがうれしい。だから息子も同じだと、勝手に思っていました。

それから登校前に走らせることはやめました。

休日に公園へ行くときは、俺から先に聞いています。

「今日は何する?」

息子がボールを選んだ日は、それを持って2人で家を出ます。

(30代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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