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「それを貸したら100万円だよ」父から追加で40万円を頼まれた私。翌週、夫と3人で書き出した家計

  • 2026.9.23

湯のみに手もつけずに切り出した父

ここ数年、実家の父から「少しだけ足りない」と頼まれるたびに、私はお金を貸してきた。

数万円ずつだったこともあり、そのたびに深く考えず渡していたが、気づけば合計は60万円になっていた。

返してほしいとは思っていた。ただ、父にお金の話をするのは気まずく、私からも強く言えないままになっていた。

日曜の午後、その父が連絡もなく家に来た。

夫がお茶を出しても、父は湯のみに手をつけない。しばらく黙っていたかと思うと、低い声で切り出した。

「…ちょっと、頼みがあるんだけどな」

嫌な予感がした。

「住宅の支払いが少し遅れてるんだ。悪いけど、40万円、なんとかならないか」

私は思わず父の顔を見た。

「お父さん、ちょっと待って。前に貸した分だって、まだ60万円あるんだよ」

「分かってるよ」

父は目を伏せ、小さく息を吐いた。

「分かってるけど、今はどうしても厳しいんだ。前の60万円とは別に、あと40万円だけ頼む」

「でも、それを貸したら100万円だよ。そんな簡単に返事できないよ」

父は何も言わなかった。

しばらく重い沈黙が続いたあと、父は立ち上がった。そして玄関へ向かう前に、もう一度こちらを振り返った。

「悪い。あと40万円だけ頼む。何とかならないか」

私は最後まで返事ができなかった。

父が帰ったあと、これまで何度かに分けてお金を貸してきた経緯を、夫に改めて話した。

「ごめん。こんな金額になるまで、ちゃんと相談してなかった」

夫はすぐには何も言わなかった。

少し考えてから、「責めるつもりはないよ」と口を開いた。

「でも、また40万円渡して、それで本当に何とかなるのかな」

私も同じことを考えていた。

「分からない。だから怖いんだと思う。また足りなくなったらって」

「だったら、次は貸す話をする前に、一度ちゃんとお金の流れを見たほうがいいんじゃないかな」

夫の提案で、翌週、三人でもう一度話すことになった。

テーブルに置かれた一枚の紙

翌週、父にもう一度家へ来てもらった。

夫はダイニングテーブルに白い紙とボールペンを置き、「入ってくるお金」「出ていくお金」と二つの欄を書いた。

「お義父さん。40万円のことなんですけど、今回は貸せません」

父の顔が曇った。

「…じゃあ、今日は何の話なんだ」

「このまま足りない分を渡しても、また苦しくなるかもしれないと思って」

夫は紙を父の前へ置いた。

「一回だけ、毎月どれくらい入って、何に使ってるのか、一緒に見てみませんか」

父は紙に目を落としたまま言った。

「そんなの書いたって、金が増えるわけじゃないだろ」

「うん。それはそうだよ」

私も口を開いた。

「でも私も、もう何も分からないままお金を渡すのは怖い。お父さんを責めたいわけじゃないの」

父はしばらく黙っていた。

やがて小さくため息をつくと、「分かったよ」とボールペンを手に取った。

年金、住宅の支払い、光熱費。夫が一つずつ確認し、父が金額を書いていく。

外食や付き合いに使っているお金まで書いたところで、父の手が止まった。

「…こんなに使ってたか」

父は眼鏡を外し、紙を見直した。

「一回一回は大した金じゃないと思ってたんだけどな」

「少しずつでも減らせるところがあれば、違ってくるかもしれませんね」

夫がそう言うと、父はしばらく数字を追っていた。

やがて、紙の端を指で押さえながら言った。

「住宅の支払いは、自分で一度相談してみるよ。まず、そっちを何とかしないとな」

そして少し迷ったあと、紙の一番下に自分で一行書き足した。

「娘に借りた60万円も……少しずつ返す。一度に全部は無理だけど」

私はすぐに「いいよ」とは言わなかった。

「うん。一度にじゃなくていい。でも、払えないときは何も言わずに終わらせないでね」

父は小さくうなずいた。

翌月の終わり、通帳を記帳すると、父の名前で少額の振り込みがあった。

その次の月も、同じころに同じ額が入っていた。

「続いてるね」

通帳を見た夫が言った。

私は振込欄を見つめながら、「うん」と答えた。

60万円がすぐに戻ってくるわけではない。それでも、足りなくなるたびにお金を渡すだけだった父との関係は、少しずつ変わり始めていた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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