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「観光地なんだから早い者勝ちでしょ」順番を待つ人を横目に撮影を続けた男性たち。だが、係の人が示した張り紙

  • 2026.9.24
「観光地なんだから早い者勝ちでしょ」順番を待つ人を横目に撮影を続けた男性たち。だが、係の人が示した張り紙

桜の本堂前にできた列

桜が見ごろになった休日、友人と二人で観光地の寺を訪れた。参道から本堂まで多くの人でにぎわい、本堂の前には写真を撮る人の列ができていた。

私たちも最後尾に並び、少しずつ順番を待っていた。

しばらくして、ようやく撮影場所が近づいてきたころだった。40代くらいの男性グループが列の横を歩いてきて、そのまま撮影場所へ入っていった。

私たちの後ろにいた女性が、戸惑った様子で声をかけた。

「あの、すみません。ここ、みんな並んでるんですけど……」

男性の一人が振り返った。

「え?観光地なんだから早い者勝ちでしょ」

女性は列の後ろを指しながら言った。

「でも、ずっと順番を待ってる人がいるので……」

すると男性は少し面倒そうな顔をした。

「すぐ終わるから」

そう言うと、男性たちは三脚を広げ、本堂を背に並び始めた。

「もうちょっと右じゃない?」

「あ、今のもう一回。目つぶった」

何枚か撮ってもなかなか終わらず、そのたびに立ち位置を変えて撮り直している。

最初は本当にすぐ終わるのかと思っていたが、列はほとんど動かなかった。

振り返ると、後ろには20人以上が並んでいた。

「まだかな…」

「結構待ってるよね」

そんな声も聞こえ始めた。

友人が私の袖を軽く引いた。

「これ、いつまで待つんだろうね」

私も男性たちのほうを見ながら、小さな声で返した。

「さすがに長いよね…」

係の人が示した最後尾の張り紙

そのとき、少し離れた場所にいた腕章姿の係の男性が、列のざわつきに気づいたのかこちらへ歩いてきた。

「すみません、お声がけいいですか」

男性たちが振り返ると、係の人は撮影場所の脇にある立て札を指した。

そこには「撮影は一組1分まで」と書かれた張り紙が貼られていた。

「こちら、皆さん順番にお願いしているんです。それと、三脚の使用はご遠慮いただいています」

男性の一人が三脚に手をかけたまま答えた。

「もう終わりますよ。あと一枚だけだから」

係の人は少し間を置いてから、穏やかな声で返した。

「後ろで皆さんお待ちですので、申し訳ありませんが最後尾からお願いします」

そう言って、列の後ろを手で示した。

男性たちは顔を見合わせた。

「……並び直すの?」

一人がそう聞くと、係の人はうなずいた。

「はい。皆さん同じように並んでいただいていますので」

男性は何か言いたそうな表情をしたが、それ以上は何も言わなかった。一人が三脚をたたむと、ほかの男性たちも荷物を持ち、列の脇を通って最後尾へ歩いていった。

そこからは一組ずつ撮影場所へ進み、短い時間で次の人に場所を譲る流れに戻った。止まっていた列も少しずつ動き始め、やがて私たちの番になった。

写真を撮り終えてその場を離れながら、友人が苦笑いした。

「『観光地なんだから早い者勝ちでしょ』って、言ってたね」

「うん。でも、ちゃんと最初から書いてあったんだね」

私はさっき係の人が示していた張り紙を振り返った。

観光地で写真を撮りたい気持ちは、きっとみんな同じです。だからこそ、混んでいる場所では少しずつ順番を譲り合うことが大切なのだと感じた出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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