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「毎年うちが取ってる場所なんですけど」運動会で先に座った家族に迫る女性。思わぬ要求に困惑した瞬間

  • 2026.9.24
「毎年うちが取ってる場所なんですけど」運動会で先に座った家族に迫る女性。思わぬ要求に困惑した瞬間

開門直後のグラウンドで

子どもの運動会の朝、私は夫に学校の近くで先に降ろしてもらい、開門少し前に校門へ着いた。

夫はそのまま車を駐車場へ停めに向かった。

観覧場所は来た人から取ることになっていて、門が開くと保護者たちが次々とグラウンドの周りにレジャーシートを広げていった。

私もトラックのカーブのあたりに、小さなシートを敷いた。

隣では、私より先に入った家族が青いシートを広げ終えたところだった。

夫婦が水筒や荷物を置き、一緒にいた年配の女性が折りたたみ椅子を開いていた。

しばらくすると、大きな荷物を抱えた女性がこちらへ歩いてきた。

女性は青いシートの前で足を止めると、一瞬戸惑ったような顔をした。

「あの、そこ、毎年うちが取ってる場所なんですけど」

夫婦は顔を見合わせた。

「えっ、そうなんですか?でも、場所は決まっていないって聞いていたので…」

父親が答えると、女性は青いシートを見ながら眉を寄せた。

「でも、そこ、毎年うちが取ってる場所なんですけど。去年もここだったんです」

「そうなんですね。でも、私たちも開門してすぐ来て、ここを取ったので…」

父親も困ったように返した。

女性は少し考えるような間を置いてから言った。

「毎年ここだったから、今年も同じだと思ってたんです。できれば空けてもらえませんか?」

「すみません。でも、こちらもこの場所で見るつもりで準備してしまったので…」

声を荒らげているわけではなかったが、お互いに引けない様子だった。

周りの保護者たちも何となく気づいたようで、ちらちらとそちらを見ていた。私も事情が分からないまま口を挟むことはできず、少し離れたところから様子を見ていた。

先生が確認した運動会のルール

そこへ、名札を下げた先生がグラウンドの見回りにやってきた。

二組の様子に気づいた先生が、近くまで来て声をかけた。

「どうかされましたか?」

女性は青いシートを指した。

「ここ、毎年うちが使ってる場所なんです。でも、今日は先に取られてしまって…」

先生は女性の話を聞いたあと、青いシートの家族にも確認した。

「こちらには、先に来られたんですね?」

「はい。場所は決まっていないと聞いていたので、ここに敷きました」

先生はうなずくと、手にしていた運動会の案内を確認した。

「観覧場所は、当日来られた順でお願いしています。毎年決まったご家庭の場所というのはないんです」

女性は少し驚いたような顔をした。

「でも、ずっとここだったから…」

「毎年同じあたりを使われていたのかもしれませんね。ただ、今日は先にこちらのご家族が取られていますので、このまま使っていただくことになります」

先生は責める様子もなく、落ち着いた口調で説明した。

女性は青いシートを見たあと、小さく息をついた。

「…分かりました。じゃあ、ほかにまだ空いてるところありますか?」

「はい。奥のほうならまだ空いています。ご案内しますね」

先生が示したのは、少し離れた場所だった。

「じゃあ、そちらにします」

女性は荷物を持ち直し、先生と一緒に移動していった。

青いシートの夫婦もほっとしたような顔になり、先生に「ありがとうございます」と頭を下げていた。

開会の少し前、車を停め終えた夫が戻ってきた。

「なんかあった? さっき先生があっちにいたけど」

「あそこの場所を『毎年うちが取ってる』って言ってた人がいてね。先に来た家族に空けてもらおうとしてたの」

「え、それでどうなったの?」

「先生が確認して、場所は来た順ですよって説明してた。別の空いてるところも案内してたよ」

「ああ、そういうことだったんだ」

夫はそれ以上何も言わず、自分たちのシートに腰を下ろした。

やがて音楽が鳴り、子どもたちの入場が始まった。

青いシートの家族も、場所を移った女性も、それぞれ子どもたちのほうを向いて拍手をしていた。大きな言い争いにならずに済んで、私もようやくほっとした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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