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「こんなに混んでるんだから周り見てくれよ」紙袋を抱えた女性に怒る男性。だが、すぐそばで見ていた私が口を開いた理由

  • 2026.9.22
「こんなに混んでるんだから周り見てくれよ」紙袋を抱えた女性に怒る男性。だが、すぐそばで見ていた私が口を開いた理由

紙袋を抱えて乗ってきた女性

今年の春、仕事帰りに乗った路線バスでのことだ。

夕方の帰宅ラッシュで車内はかなり混んでいて、私は真ん中あたりのつり革につかまっていた。

途中の停留所で、買い物帰りらしい女性が大きな紙袋を抱えて乗ってきた。

私は通路側の席に座っていた50代くらいの男性の斜め前に立っていた。女性がその男性の前を通り、私の横まで来たときだった。

「おい、荷物で押すなよ」

突然の大きな声に、女性は驚いて足を止めた。

「すみません。袋、当たりましたか?」

女性は慌てて紙袋を胸の前に抱え直した。

「足まで踏んだだろ」

「えっ、足ですか?それは気づかなくて……」

女性は困ったように自分の足元を見た。

私はすぐ近くにいたため、女性が男性の前を通ったときの足元も見えていた。紙袋が男性に触れたかどうかまでは分からなかったが、女性の靴が男性の足を踏んだようには見えなかった。

それでも男性は苛立った声で続けた。

「こんなに混んでるんだから、もう少し周り見てくれよ」

その声は前のほうの乗客が振り返るほど大きく、女性はそれ以上何も言えず、紙袋を抱えたまま肩をすぼめていた。

運転席から流れた落ち着いた声

私も何か言おうか迷った。ただ、男性がかなり興奮しているように見えたので、口を挟めばさらに話が大きくなる気もした。

やがて次の停留所に着き、乗り降りがひと段落したところで、車内のスピーカーから運転手さんの声が流れた。

「車内、大変混み合っております。お荷物にもご注意いただき、お客様同士、譲り合ってご乗車くださいますようお願いいたします」

誰かを名指しする放送ではなかった。それでも、張りつめていた車内の空気が少しだけ落ち着いたように感じた。

私は女性が荷物を抱えやすいように半歩ずれた。

「こっち、少し空けますね」

「ありがとうございます」

近くに立っていた人も少しずつ詰め、女性は紙袋を身体の前に収めることができた。

そこで私は男性に向かって、なるべく静かに声をかけた。

「さっき、すぐ近くで見ていましたけど、少なくとも足は踏んでいなかったように見えましたよ」

男性は私を見て、少し間を置いた。

「…でも、荷物は当たったんだよ」

すると女性が小さく頭を下げた。

「袋が当たっていたなら、すみませんでした。でも、足を踏んだつもりはなくて…」

男性はしばらく黙っていたが、それ以上は何も言わなかった。

次の停留所で男性が降りると、女性は私のほうを向いた。

「さっき、ありがとうございました。足まで踏んだのかと思って、びっくりしてしまって」

「私が見ていた限りでは大丈夫でしたよ」

そう答えると、女性は少し安心したように「ありがとうございます」と頭を下げた。

混んだ車内では、荷物が少し触れてしまうこともある。だからこそ、腹が立ったときでも、まず何が起きたのかを確かめることが大切なのだと感じた出来事だった。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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