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「こういうのは嫁がやるものよ」実家の食事会で妻ばかり動かす母。だが、冷めた料理を見た夫が立ち上がった

  • 2026.9.22

日曜の食事会で、妻だけが立っていた

平日の夜、母から電話がかかってきた。

「今度の日曜、親戚が来るの。二人とも来られる?」

「うん、大丈夫。昼ごろ行くよ」

日曜の昼前、妻と実家に着くと、座敷にはすでに私の叔父やいとこたちが集まっていた。大皿の料理もほとんど並んでいる。

妻が台所をのぞいた。

「何か手伝うことあります?」

「もう準備は終わったから大丈夫。せっかく来たんだから座ってて」

母にそう言われ、妻も座敷に入った。

ところが食事が始まってしばらくすると、母が急須を見ながら妻に声をかけた。

「悪いんだけど、お茶お願いしていい?」

「あ、はい」

妻はすぐに立ち、人数分の湯のみを配って回った。

ようやく座ったと思ったころには、今度は空いた皿が増えていた。

「これも下げてもらえる?」

母は妻が立ち上がるのを見て、何気ない調子で続けた。

「こういうのは嫁がやるものよ。私もそうしてきたから」

「分かりました」

妻は重ねた皿を持って台所へ向かった。

私はそこで初めて、妻の前にある料理がほとんど減っていないことに気づいた。

「いや、今度は俺がやるよ」

妻が戻ってきて、冷めかけた煮物に箸を伸ばした直後だった。

母が空になった急須を持ち上げた。

「あら、もうお茶ないのね。悪いけど、もう一回お願いできる?」

妻が箸を置こうとしたので、私は先に立った。

「いや、今度は俺がやるよ」

「え、いいよ。私やるから」

「いいって。まだほとんど食べてないだろ」

私が急須に手を伸ばすと、母が少し驚いた顔をした。

「あなたは座ってればいいのに。こういうのは嫁がやるものよ」

二度目だった。

私は母を責めるつもりはなかった。ただ、妻が何度も席を立つ姿を見て、そのまま座っている気にもなれなかった。

「母さん、妻も食べに来てるんだからさ。俺がやるよ」

そう言って急須を持ち、台所へ向かった。

お茶を配り終えると、その様子を見ていたいとこも空いた大皿を持ち上げた。

「じゃあ、これ下げとくよ」

「あら、悪いわね」

母は少し戸惑ったようだったが、それ以上何も言わなかった。

妻はようやく落ち着いて座り、冷めた煮物を口に運んだ。

帰り道、妻が小さく笑った。

「今日、ちゃんと座って食べられた」

「今までそんなに動いてた?」

「うん。なんとなく、私がやる流れになってたから」

私はそれまで気づいていなかったことが少し申し訳なくなった。

「次から俺も最初から動くよ」

「じゃあ、お茶係お願いね」

「了解」

妻が笑ったので、私もつられて笑った。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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