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1億円あったら「宝くじ買って3億にする(笑)」映画『藁にもすがる獣たち』鈴鹿央士・森七菜インタビュー

  • 2026.9.23

2020年公開(日本での劇場公開は2021年)の曽根圭介の同名犯罪小説の韓国映画「藁にもすがる獣たち」は、大金をめぐってチョン・ドヨン、チョン・ウソン、ペ・ソンウ、ユン・ヨジョンなど、韓国映画界を代表する豪華俳優陣によるだまし合いの演技合戦が、韓国のみならず世界中の映画ファンの間で大きな話題となりました。そして2026年9月25日、韓国版とはまた大きく異なる魅力の日本版が公開されます。
 
チャンネル登録者数2桁の弱小YouTuberである主人公の佐藤寛治を実力派若手俳優・鈴鹿央士さんが担い、夜の街の気配を纏うミステリアスな女性し~なを森七菜さんが全力で演じています。ほかにも成宮寛貴さんやMEGUMIさん、前田旺志郎さん、二宮隆太郎さん、青木マッチョさん、岩松了さんに小手伸也さん、そして、風吹ジュンさんと、クセ強キャラが1億円を追って大変なことに! 韓国版とも違う、原作ともまた違う新しい味わい! オトナミューズウェブでは鈴鹿央士さんと森七菜さんにお話を聞かせていただきました。聞き手は映画ライターのよしひろまさみちさんです。
 

――最初に出演のお話がきたとき、どう感じました?
 
鈴鹿 韓国版を観ていたので「自分がこの役をできるんだ!」って思いました。ですが、韓国版とは年齢設定が違いますし、どんな脚本になるんだろうと楽しみになったのを覚えています。
 
森 私は韓国版を出演が決まってから観たので、最初にタイトルをみたときに「藁にもすがる思いをしたヤバい人」の話と想像していたんですが、脚本を読んでみたらヤバい人が想像を超えてヤバかったです(笑)。
 
――設定はだいぶ変えてきましたよね。
 
鈴鹿 はい。設定を変更したことで、YouTuberの若者というキャラクター変更をしているんですが、現代らしい変更で気に入っています。物語の流れ自体は原作と韓国版のとおりなんですが、日本版ならではの変更がいろいろされていて、脚本を読んでいるときから楽しめました。とくに僕が演じた寛治は、韓国版ではもうちょっと年上だったので、僕の年代で演じられるのはラッキーだったと思っています。

森 私が演じたし〜なは想像を超えるほどはちゃめちゃに悪い役。私は自分の出番のところだけ脚本を読んで、1億円がどのようにして自分に関わってくるのかっていうところを、あえて知らないままで撮影に挑んだんですが、その甲斐あって完成版を観たときに予想を超えた展開と編集だったのでめちゃくちゃ楽しかったです。
 
――あえて物語の流れを知らないでいた?
 
森 そのほうが、し〜なが臆することなく悪いことするっていう芝居につながると思ったんです。お金の流れや誰から誰へという経緯を知らないほうが、彼女の度胸みたいなものが私にも備わるかな、と思いまして。
 

――ちなみにお二人は原作を読みました?
 
鈴鹿 読みました。
 
森 私も。どこまで意識したらいいんだろうと思いながら。
 
鈴鹿 そうなんです。物語の大筋とこの世界観は参考になるんですが、韓国版ともぜんぜん違います。原作を読んで引きずりすぎないように、でも原作の持つオリジナリティは尊重しよう、と思いながら読みました。
 
――では今作の役柄について。“巻き込まれ型”の寛治を取り巻く登場人物たちは、全員クセ強ですよね。
 
鈴鹿 みんなお金に執着がすごいキャラクターですよね。寛治は認知症気味のおばあちゃん(佐藤富子/風吹ジュン)と一緒に住んでいて、たったひとりの家族ということからも、お金だけでなくおばあちゃんも「藁にもすがる」存在なんだと思っていました。もちろん寛治自身の欲もあるだろうけど、おばあちゃんのために自分がどうするのが最善かということを考えているんですよね。そのやさしさはもちろん残しているんですが、城定(秀夫)監督からはおばあちゃんの認知症問題を重くとらえすぎないように言われていたので、バランスをとりながら演じていました。なので、1億円が目の前に出てきた瞬間、おばあちゃんの介護のために使えるお金がやってきた! と思うようにして、お金との向き合い方を軽快に表現できればと思って演じました。

森 し〜なは……全く共感できない、本当にヤバい女じゃないですか(笑)。でも、彼女の行動原理みたいなところは考えてお芝居をしていたので、彼女のこの熱量と手段を選ばずに目的のために進むパワーを、他のことに割くことができたら、なにかでトップに上り詰めるんじゃないか、って思ったんです。そう考えると、し〜なはめちゃくちゃパワフル。ただ、あまりにもぶっ飛んでしまうと、観ている人に興味を持っていただけないかもしれない、と思い、ときどき見せるやさしさやたまに落胆するところとか、人間らしい一面が出るところは、彼女の不完全さを表現するパートと思って演じていました。

――し〜な役はメイクも強烈ですが、何か芝居の助けになったものは?
 
森 衣装合わせのときから、監督が劇中衣裳がいい、とおっしゃっていたので、そのイメージは大事にしていました。脚本を読んだときも、赤い紅を引く、っていうところもメイクテストを重ねましたし、スタイリングとメイクに助けられたところはあったと思います。
 
鈴鹿 それでいうと、僕はインフルエンサーが発信していることには影響されました。自分の好きなことをひとりで発信できる自由度と、それに火がついたときの爆発力って本当にすごいじゃないですか。生きる選択肢がすごく広がっている時代だなとは思いました。ただすごく難しいのも分かります。寛治は登録者数2桁しかないYouTuberですけど、当たるまでずっと続けないといけないわけなので。ほぼ宝くじみたいなものですよね。
 
――なにげにお二人の共演シーン、ネタバレラインの終盤なんですよね(笑)。
 
鈴鹿 そうそう。僕は風吹ジュンさんとのシーンが多かったですから。
 
森 寛治と一緒のシーンってめちゃくちゃ暑かったんですよね(笑)。
 
鈴鹿 ほんっと暑かったですね。真夏の撮影で、本物の火を使っているから、引くほど暑い。
 
森 スタッフの方々に安全と涼しさをケアしていただいたんですが、それでも暑い。ハンディファンなんかじゃ太刀打ちできない(笑)。
 
鈴鹿 それだけに映像がすごいことになっていたので、がんばってよかったですよね。
 

――現場で印象に残っていることは?
 
森 私、2年くらい連続で日焼けをする役が続いているんですよ。だから、夏場にちょっと外に出るとすぐ日焼けしちゃう肌になっちゃって。それをMEGUMIさんに相談したんです。そしたら、「これを使って!」って言われて、その場でポチりました。でも次の撮影日にMEGUMIさんからご自身のブランドの化粧水セットやサプリメントをいただいて。もー、めちゃくちゃかっこいい! ねーさん、ついていきます、って感じで、感謝しかありません(笑)。
 
鈴鹿 あ、そんなことがあったんだ。僕、何ももらってない…(笑)。
 
森 悩みがあったらMEGUMIさんに相談ですよ!

――共演したことでなにか発見はありました?
 
鈴鹿 森さんと僕、共通点があるんですよね。
 
森 そう。自分の時計。
 
――なんですか、それ?
 
森 自分の時計がそれぞれあって、それは人によって流れる速さが違いますし、私と鈴鹿さんも普段は違うんですけど、ばちっとハマるときがあるんですよ。そのタイミングで自分にはないものが見えた瞬間、すごく不思議な感覚になるんです。これは初めて。
 
鈴鹿 面白いですよね〜。じつは森さんとは撮影現場であまりおしゃべりする機会がなかったんですが、こうして取材日にお話してみるとめちゃくちゃ楽しいんですよね。

――最後に。1億円があったら何します?
 
森 絵を買うかなー。投資です(笑)。
 
鈴鹿 えー……どうしよう。1億円分の宝くじを買って3億にする(笑)。

『藁にもすがる獣たち』
story 弱小YouTuberの大学生・寛治(鈴鹿央士)は、バイト先のネットカフェで客の忘れ物のボストンバッグを見つける。その中には1億円の札束が入っており、彼はそれを持ち出す。大金に目がくらみ家に持ち帰ってしまったことで、突如なんでもアリの1億争奪戦に巻き込まれてしまう…一方、夜職のし〜な(森七菜)は、投資の失敗で借金を抱えた主婦・美奈(MEGUMI)に近づき、保険金詐欺を企てており……。
 
監督・脚本:城定秀夫/脚本:小林靖子・城定秀夫/原作:曽根圭介「藁にもすがる獣たち」(講談社文庫)/出演:鈴鹿央士、成宮寛貴、森七菜、MEGUMI、前田旺志郎、二ノ宮隆太郎、青木マッチョ、岩松了、小手伸也小手伸也、岩松了、風吹ジュン ほか/配給:東映/公開:9月25日より、新宿バルト9ほか全国ロードショー
©曽根圭介/講談社 © 2026「藁にもすがる獣たち」製作委員会

Interview & Text_MASAMICHI YOSHIHIRO
Photograph_KAZUYUKI EBISAWA[MAKIURA OFFICE]
Styling_SOHEI SHIINA[ONWA](鈴鹿さん)、MASAKO OGURA(森さん)
Hair & Make-up_RIE AOKI[art factory](鈴鹿さん)、TOMOMI SHIBUSAWA[beauty direction](森さん)
 
■衣装クレジット
鈴鹿さん:シャツジャケット¥77,000(HEUGEN/IDEAS)、パンツ¥52,800(NaNo Art/JOYEUX)
森さん:ジャケット ¥104,500 スカート¥57,200(共にイレニサ/ザ・ウォール ショールーム)、リング¥99,000 (シハラ/シハラ トウキョウ)、その他スタイリスト私物
 
 
お問い合わせ先
ザ・ウォール ショールーム
050-3802-5577
www.thewall.co.jp
 
シハラ トウキョウ
03-6427-5503
http://www.shihara.com

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