1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. めまいや頭痛はなぜ起きるの?寒暖差や脱水など考えられる原因を医師が解説

めまいや頭痛はなぜ起きるの?寒暖差や脱水など考えられる原因を医師が解説

  • 2026.9.21

まだまだ暑い屋外と冷房の効いた室内の行き来や、台風・天候の変化が続く季節の変わり目に、「ズキズキと頭が痛む」「体がフワフワ・グラグラしてめまいがする」といった不調に悩まされていませんか?
「寒暖差や低気圧のせいだから仕方ない」と諦めてしまいがちですが、実は脱水による熱中症や片頭痛、耳の疾患など、複数の要因が隠れていることも少なくありません。
本記事では、金沢駅前内科・糖尿病クリニック院長の小倉慶雄先生が、夏の終わりに起こるめまい・頭痛の多角的な原因や市販薬・漢方薬の注意点、受診を急ぐべき危険なサインについて分かりやすく解説します。

この記事のポイント
・頭痛・めまいの多角的な原因:気圧や寒暖差だけでなく、熱中症(脱水)、片頭痛、生活習慣の乱れ、耳の病気(BPPVやメニエール病等)などが影響
・薬や自己判断の注意点:市販鎮痛薬の常用は「薬剤の使用過多による頭痛」を招く恐れがある。漢方薬も体質や原因に合わせた処方が必要
・危険なサインと対処法:突然の激痛や手足のしびれ、ろれつ障害、意識障害などを伴う場合は、脳血管障害などの疑いがあるため至急医療機関を受診

その頭痛・めまい、最初に疑うべきは「熱中症・脱水」のリスク

暑さが残る時期に頭痛やめまいが現れた場合、最初に考えておきたいもののひとつが熱中症です。
厚生労働省は、熱中症でみられる症状として、めまい、立ちくらみ、大量の発汗、頭痛、吐き気、倦怠感などを挙げています。
さらに重症になると、意識障害やけいれん、運動障害、高体温がみられることがあります。
汗によって水分や電解質が失われる一方、「忙しくて水分をとっていなかった」「食欲がなく、食事量も減っていた」といったことも起こります。
脱水そのものが頭痛を引き起こしたり、もともとある片頭痛などを悪化させたりする可能性も指摘されています。
一方で、「水をたくさん飲めば頭痛が治る」というほど単純ではなく、水分摂取による頭痛改善についての研究はまだ限定的です。大切なのは、脱水を避けることです。
暑い場所で体調が悪くなった場合には、涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて体を冷やし、水分を補給します。
自力で水分をとれない、意識がおかしいといった場合には、すぐに救急要請が必要です。

ズキズキ痛む「片頭痛」とめまいの意外な関係

頭痛にはいくつもの種類があります。代表的なもののひとつが片頭痛です。
片頭痛では、ズキンズキンと脈打つような痛みだけでなく、吐き気を伴ったり、光や音をつらく感じたりすることがあります。
また、「頭痛とめまいは別々の症状」と思われがちですが、片頭痛にめまいを伴う人もいます。
研究をまとめた報告でも、片頭痛発作の頭痛期に、めまいや回転性めまいを経験する人が一定数いることが示されています。
一方、頭全体が締めつけられるように痛む場合には、緊張型頭痛などの可能性もあります。
頭痛の性質や持続時間、随伴症状によって考えられる原因は異なるため、「頭痛=片頭痛」と自己判断しないことも重要です。

気圧や寒暖差以外にも重なる「脱水・睡眠不足・栄養偏重」

「雨の前には頭痛がする」「台風が近づくと体調が悪くなる」という経験を持つ方もいるでしょう。
天候と片頭痛との関連については研究が行われており、日本頭痛学会でも気象関連性疼痛や気象条件と片頭痛をテーマとした報告があります。
ただし、気圧や気温の変化だけですべての頭痛やめまいを説明することはできません。
今ぐらいの時季は、脱水、暑さ、睡眠不足、食事を抜くことなど複数の条件が同時に重なる可能性があります。
そのため、「低気圧だから仕方がない」と思い込まず、自分の症状がいつ、どのような状況で起こるのかを記録しておくと、診断や対策の手がかりになることがあります。

市販の鎮痛薬を飲むべき?鎮痛薬の飲み過ぎが引き起こす「薬剤の使用過多による頭痛」

頭痛に対して市販の鎮痛薬を適切に使用すること自体が、直ちに問題になるわけではありません。
しかし、頻繁に鎮痛薬を使っている方には注意が必要です。
片頭痛などの患者さんが急性期治療薬を過度に使用すると、かえって頭痛が頻回になったり慢性化したりする「薬剤の使用過多による頭痛」が起こることがあります。
「頭痛が起きるたびに薬を飲んでいる」
「以前より薬を使う日が増えた」
「薬が効きにくくなってきた」
という場合には、市販薬を次々と変更するより、一度医療機関で相談することをおすすめします。

万能ではない?漢方薬選びと医師・薬剤師への相談の必要性

頭痛に対して漢方薬が使用されることもあり、「頭痛の診療ガイドライン2021」にも漢方製剤に関する記載があります。
ただし、「漢方だから副作用がない」「頭痛なら誰にでも同じ漢方が効く」というわけではありません。
日本東洋医学会も、漢方製剤に関する情報だけで治療を判断するのではなく、各疾患の診療ガイドライン全体の中で位置づけを確認することが必要としています。
症状が繰り返す場合には、原因を確認したうえで医師・薬剤師に相談することが大切です。

「この栄養素をとれば治る」と考えすぎない

夏は食欲が落ち、食事がそうめんやパンだけ、といった偏った内容になりやすい時期でもあります。
しかし、一般的な頭痛やめまいについて「特定の栄養素が不足しているから起こる」と一律に判断することはできません。
まず意識したいのは、
・極端に食事を抜かないこと
・水分不足を避けること
・睡眠を確保すること
といった基本的な生活習慣です。
食事がほとんどとれない状態が続く、体重が減っている、強い倦怠感があるといった場合には、貧血などを含め別の病気が隠れている可能性もあるため、医療機関への相談を検討しましょう。

女性特有の要因:月経周期や更年期に伴うホルモンバランスの変化

片頭痛は女性に多く、月経に関連して発作が起こる人もいます。
また、更年期の時期に頭痛の状態が変化するケースもあり、日本頭痛学会でも「月経と片頭痛」「更年期女性の片頭痛」が取り上げられています。
「生理の前後に決まって頭痛がする」など一定のパターンがある場合には、月経周期と頭痛の時期を一緒に記録しておくと診察時の参考になります。

ぐるぐる回るめまいや耳鳴りは「耳の病気(BPPV・メニエール病など)」を疑う

めまいという言葉には、「ぐるぐる回る」「ふわふわする」「立ちくらみがする」など、さまざまな感覚が含まれています。
例えば、頭を動かしたときに短時間の回転性めまいを繰り返す良性発作性頭位めまい症(BPPV)や、メニエール病、前庭神経炎など、耳の平衡感覚にかかわる病気もあります。
日本めまい平衡医学会では、それぞれについて診療ガイドラインが作成されています。
めまいを何度も繰り返す、難聴や耳鳴りを伴う場合などは、「夏バテだろう」と済ませず耳鼻咽喉科などへの受診を検討してください。

放置は厳禁!すぐに医療機関を受診すべき危険な症状(受診目安)

頭痛やめまいの多くは命にかかわる病気によるものではありません。
しかし、中には脳血管障害など緊急性の高い病気が隠れていることがあります。
特に、
・突然発症した、これまで経験したことがない激しい頭痛
・意識がおかしい
・ろれつが回らない
・片側の手足に力が入らない、しびれる
・まっすぐ歩けない
・けいれんがある
・高熱を伴う
・頭を打った後から強い頭痛がある
といった場合には、自己判断で様子を見ず、速やかに医療機関を受診してください。
また、緊急性がなくても、頭痛やめまいを繰り返して日常生活に支障が出ている場合には受診をおすすめします。

まとめ:「いつものこと」で済ませず自分の体のサインに向き合おう

夏から秋へと季節が移り替わる今、頭痛やめまいには、暑さや脱水、生活リズムの変化などが関係する場合があります。
一方、片頭痛や耳の病気などが原因になっているケースもあります。
まずは、十分な休息、規則的な食事、脱水を避けることなど基本的な体調管理を心がけましょう。
そして大切なのは、「暑いから」「気圧のせいだから」「よくあることだから大丈夫」と決めつけないこと。
症状が繰り返す場合には、いつ起こったか、どのくらい続いたか、頭痛の特徴、めまいの種類、月経との関係、服用した薬などを記録しておくと、原因を探る手がかりになります。
快適に過ごすためにも、いつもと違う頭痛やめまいにはきちんと目を向けてください。

参考文献・参考資料
・日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会「頭痛の診療ガイドライン2021」
・日本めまい平衡医学会「良性発作性頭位めまい症(BPPV)診療ガイドライン2023年版」ほか
・厚生労働省「熱中症が疑われる人を見かけたら」
・Arca KN, Halker Singh RB. Dehydration and Headache. Curr Pain Headache Rep. 2021;25:56.
・Karsan N, et al. Dizziness and Vertigo during the Prodromal Phase and Headache Phase of Migraine: A Systematic Review and Meta-Analysis. Headache. 2020.

執筆者


小倉慶雄先生

金沢駅前内科・糖尿病クリニックは金沢駅から徒歩3分で「糖尿病」「肥満」「甲状腺」の専門的な治療を行っています。
糖尿病・肥満で悩んでいる、一人でも多くの手助けになりたい。
その思いで、患者様の生活スタイル・習慣と病状に合わせた最適な治療を提供します。

金沢駅前内科・糖尿病クリニック
https://kanazawa-naika.jp/

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ