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「これで入籍祝いってことで、いいわよね?」焼肉をごちそうしてくれた義母。後日、離婚した義父が返した一言

  • 2026.9.21

留袖を選んだ日に言われたこと

四十代の私が結婚式を挙げたのは、2年前のことです。

夫の両親は、夫が幼いころに離婚しています。義母はそれから、夫を含む三人の子どもを一人で育て、今も仕事をしながら一人で暮らしています。

夫も義父とは長く会っていませんでしたが、結婚を機に連絡を取り、式には来てもらえることになりました。

式の前、私は義母と一緒に留袖を選びに行きました。

店員さんが何枚か広げてくれるなか、義母は値札を一枚ずつ確認していました。

やがて端にあった留袖を選ぶと、私のほうへ少し顔を寄せました。

「高いから、一番安い留袖にしたのよ」

私は少し戸惑いましたが、

「でも、落ち着いていて素敵ですよ。お義母さんに似合っています」

と返しました。

会計を終えて店を出るときにも、義母は袋を見ながら笑いました。

「ほんと、留袖って高いわね。だから一番安いのにしたのよ」

冗談めいた口調だったので、私も笑って返しましたが、なぜかその言葉だけが耳に残りました。

入籍のあとには、義母が一人5000円ほどの焼肉をごちそうしてくれました。

会計を済ませると、義母は財布をしまいながら言いました。

「これで入籍祝いってことで、いいわよね?」

「もちろんです。ごちそうさまでした」

そう答えると、義母は「よかった」と笑っていました。

結婚式当日、式がひと段落したあとに夫とご祝儀を確認すると、義姉と義妹からは3万円ずつ、久しぶりに会った義父からは5万円が包まれていました。

義母からのご祝儀はありませんでした。

もちろん、お金をもらうために式を挙げたわけではありません。焼肉もごちそうになっています。

それでも、「一番安い留袖」「焼肉がお祝い」という言葉が重なると、少しだけ複雑な気持ちになりました。

食事会でまた出た「お祝い」の話

式のあとの親族の食事会では、義姉や義妹たちが写真を見せ合い、ようやく緊張もほぐれてきていました。

私の隣には夫、向かいには義父が座っていました。

料理を食べながら話していると、義母が私に笑いかけました。

「そういえば、あの焼肉、おいしかったでしょう?」

「はい。すごくおいしかったです」

すると義母は、少し得意そうに続けました。

「あれが私からのお祝いみたいなものだからね」

私は一瞬、何と返せばいいのか迷いました。

すると隣にいた夫が、箸を置きました。

「母さん、その話はもういいって」

義母が目を丸くしました。

「何よ。別にいいじゃない」

「悪いって言ってるんじゃないよ。ただ、何回も言われるとこっちも困るから」

夫が苦笑しながらそう言うと、義母は少し不満そうに口を結びました。

そのやり取りを聞いていた義父が、静かに口を開きました。

「まあ、そのへんにしとこう。今日はそういう話をする日じゃないだろ」

義母は義父をちらりと見て、少し間を置いてから答えました。

「…はいはい、分かりました」

険悪になるほどではありませんでしたが、一瞬だけテーブルが静かになりました。

すると義姉がスマートフォンを差し出し、

「ねえ、この写真すごくよく撮れてるよ」

と声をかけてくれました。

そこからは自然と写真の話になり、その日、義母がお金の話をすることはもうありませんでした。

帰りぎわ、店の出口で上着を着ていると、義母が私の横に来ました。

少し言いにくそうに視線をそらしてから、小さな声で言いました。

「……でも今日は、本当にきれいだったわよ」

思っていなかった言葉に、私は少し驚きました。

「ありがとうございます。お義母さんの留袖も、とても素敵でした」

義母は「そう?」とだけ答えると、少し照れたように襟元を直しました。

お祝いの形やお金に対する感覚は、人によって違います。それでも、あの日の最後に聞いた義母の言葉は、金額の話よりずっと素直に受け取ることができました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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