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隣の男性「そんな本、読むんですか(笑)」→新幹線で言われたことが気になった話

  • 2026.9.20
SHUFUFU

出張の帰り道、ようやく座れた新幹線の窓側席。

ほっとひと息ついた瞬間、隣に大きなスーツケースを持った男性が滑り込んできた。

それがちょっと不思議な2時間のはじまりだった。

「来週は大阪、再来週はシンガポール」車内に響く声

男性は50代くらい、きっちりしたスーツ姿。座るなり携帯で通話をはじめ、出張先の話を声高に語り続けた。

「来週は大阪、再来週はシンガポール。まあ、このペースが普通ですね」

別に私に話しているわけじゃない。でもその声量は周囲の席にまで届くくらいで、自然と耳に入ってくる。

——ああ、忙しい人なんだな。そう思ってイヤホンを取り出そうとしたとき、通話が終わった。

「そんな本、読むんですか(笑)」

バッグから文庫本を出したのが、まずかったのかもしれない。

「あ、それ読むんですか」

男性がちらりと表紙を見て、低く笑った。

「まあ……たまたま目について」と私。

「へえ。私はビジネス書しか読まないので」

それだけ言って、彼はスマートフォンを開いた。別に喧嘩を売られたわけじゃない。でも、なんとなく空気が重くなった気がした。

次は手作り弁当だった。小さなお弁当箱を取り出すと、「あ、作ってきたんですか。手間ですねえ」とひとこと。

「楽しいので」と答えると、「ふうん、私は駅弁ですけどね」と言いながら、視線が弁当箱の隅をなぞるように動いた。

——なんで私、こんなに説明してるんだろう。

気づいたら"釈明"していた自分

本の選び方も、弁当の中身も、特に誰かに許可を取る必要なんてない。それはわかってる。

でも不思議なことに、男性のコメントのたびに私はなぜか言い訳のようなことをしてしまった。

誰も聞いてないのに、萎縮して弁明している。それが自分でも、なんだかむずかしかった。

男性は悪意があったわけじゃないと思う。たぶん、ああいう品評が会話のつもりなのだろう。でも私はそのたびに、小さくなっていた。

終点で友人に話して、やっと笑えた

新幹線を降りて、迎えに来てくれた友人に一部始終を話した。

「それ、向こうは全然覚えてないよ絶対」

友人のひとことで、ふっと肩が軽くなった。

——そうか。あの人にとってはただの暇つぶしで、私は2時間も引きずってたのか。

笑えてきたと同時に、じわっと気づいたことがあった。

問題は、相手のマウントじゃなかったかもしれない。知らない人の「ふうん」に反応して、自分の好きなものを守れなかった私のクセのほうだ。

好きな本を「好き」と言えばよかった。弁当を「おいしそうでしょ」と思えばよかった。

——そのくらい、ぜんぜんよかったんだよな。

さいごに

見知らぬ人の何気ないひとことに、つい小さくなってしまう。そんな経験、ありませんか?

悪意のない品評ほど、なぜかうまく受け流せなかったりしますよね。自分のお気に入りを、そっと守れる日が増えるといいな、と思います。

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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