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受け継いだもの、そして将来譲りたいジュエリーは? 人生が交差するジュエリー&ウォッチ

  • 2026.9.19
Hearst Owned

ジュエリーやウォッチは手にした人の人生を刻み、世代を越えて受け継いでいけるもの。時代を牽引する3人のジュエリーデザイナー――ガイア・レポシ、シャルロット・シェネ、ソフィ・ビル・ブラーエに、自身とだれかの人生が交差し、時をかけていく特別なジュエリーについて教えてもらった。

ガイア・レポシ/レポシ クリエイティブ・ディレクター

メゾンのレガシーと、インティメイトな思い出がつまったジュエリー

私にとっての家族のつながりが感じられるジュエリーは、父(2代目のアルベルト・レポシ)がデザインし、母が身につけていたイヤリングです。私は父が手がけたジュエリーを、日常的に母が身につけている姿を見て育ちました。これは父のデザインを象徴する傑作であり、母はいつも父の創作のインスピレーション源だったのです。メゾンのアーカイブとなっており、このイヤリングが今私の手元にあるわけではありませんが、私にとってはとても親密な思い出が宿っています。

ガイアの父アルベルト・レポシが手がけたメゾンのアーカイブ作品。 COURTESY OF REPOSSI

人生を刻んだジュエリーを子どもたちへ

私のイニシャルが刻まれたデザインはすべて、子どもたちに受け継いでほしいと思っています。そこには私の存在が刻まれていて、ジュエリーを通して私は生き続けることができると感じているからです。それらはすべて、私の人生や歩んできた歴史、そしてキャリアの証であると同時に、私という人間そのものを映し出すものなのです。

ガイア・レポシ:レポシ クリエイティブ・ディレクター。1986年、イタリア生まれ。祖父コンスタンティーノ・レポシが1957年にトリノで創業したメゾンを、2007年に引き継ぐ。以降現職を務める。

シャルロット・シェネ/シャルロット シェネ デザイナー

パートナーから贈られたヴィンテージウォッチ

Courtesy of Charlotte CHESNAIS

子どもたちの父親がプレゼントしてくれたカルティエのヴィンテージウォッチ。実はこれといった特別なストーリーがあるわけではないのですが、受け取ってから私はずっとそのウォッチを身につけています。

ジュエリーデザイナーの仕事をしていると、パートナーはなかなかジュエリーを贈る勇気が出ないもの。でもある日、彼がヴィンテージショップでこの時計を見つけて、家に持ち帰ってきたんです。私の35歳の誕生日から数カ月後のことでしたが、むしろ特別な記念日ではなかったところがとても気に入っています。

Courtesy of Charlotte CHESNAIS

この時計は、よく私のブランドの「Twin」ブレスレットと一緒につけています。私はこのブレスレットを全部で5本持っていて、それらをいつも重ねづけしているんです。パートナーが生まれたときに贈られたバースブレスレットも、サイズを調整して私も一緒につけられるようにしています。写真のように「Round Trip」ブレスレットの特徴的な隙間からウォッチを見せるつけ方もとても気に入っています。

3人の息子たちへと紡いでいく自身のクリエイション

Courtesy of Charlotte CHESNAIS

実は、3人の息子たちはすでに私のジュエリーを取り合っているんです! 彼らにはそれぞれ、私の「Alphajewel」コレクションのイニシャルネックレスがありますし、将来的にはツインブレスレットのひとつを受け継ぐことになると思います。ジュエリーには“受け継ぐ”という要素があるところがとても好きです。靴やドレスでは、同じような感覚はなかなか持てません。

シャルロット・シェネ:バレンシアガで9年間ウィメンズウエアのデザイナーを務めたあと、2014年に自身の名を冠したジュエリーブランド、シャルロット シェネを設立。2026年には日本初となる旗艦店を青山にオープン。

ソフィ・ビル・ブラーエ/ソフィ ビル ブラーエ デザイナー

アイコンジュエリーの着想源にもなったパールネックレス

私が最も大切にしているジュエリーのひとつに、家族の間で代々受け継がれてきたパールネックレスがあります。家族のヘリテージであると同時に、息子を出産したときに母から贈られ、個人的にもとても特別なものとなっています。これまでの女性たちの物語を宿しながら、私自身の人生における最も重要な瞬間のひとつを刻んでくれました。

出産というタイミングで受け取ったことは、私にとって非常に深い意味がありました。母になったことで、それまでの世代とのつながりを新しい形で感じられるようになり、そのネックレスはその体験の象徴となったのです。また、真珠という存在自体も私のなかでより深い意味を持つようになりました。アコヤ貝の中で真珠が育っていくプロセスと、妊娠という体験の共通点にとても惹かれたのです。

ネックレスのセンチメンタルな価値をいとおしく思う一方で、その伝統的なデザインは私の普段のスタイルには少しフォーマルすぎるようにも感じられました。この歴史を尊重しつつも、自分たちの世代にもなじむものにしたい――その想いが、後に私の代表作となる「Peggy」ネックレスを生み出すインスピレーションとなりました。パールのサイズにグラデーションをつけ、より現代的なシルエットに仕上げることで、クラシックな真珠の不変のエレガンスを保ちながら、洗練されたモダンなスカンジナビアンスタイルへと生まれ変わらせることができたのです。

ソフィ ビル ブラーエのアイコンである「Peggy」ネックレス。 Courtesy of Sophie Bille Brahe

私はかねてより、人生の最も意味ある瞬間を祝福するジュエリー――一生ものとして愛され、やがて次の世代へと受け継がれていくようなジュエリーを作りたいと考えてきました。ジュエリーとは、非常に感情豊かな存在だと感じています。思い出を宿し、人生の節目を刻み、私たち個人の物語の一部となっていくものだからです。私たちは、こうした貴金属や宝石の“一時的な預かり手”に過ぎません。だからこそ、それが世代から世代へと手渡されていくとき、より一層深い意味を持つようになります。

そのため、私はデイリーに楽しめるようにジュエリーをデザインしています。着古したシンプルなTシャツからエレガントなドレスまで、あらゆる装いにジュエリーを合わせるのが大好きです。私にとって本当に美しいジュエリーとは、がんばりすぎない自然体の魅力を引き出し、人生のすべてのライフステージに寄り添ってくれるものなのです。

人生が交差するジュエリーをいつか子どもへ

Courtesy of Sophie Bille Brahe

私自身の物語が宿る「Grand Ensemble Ocean」リングをいつか娘に譲りたいと考えています。このリングは、私の人生で最も重要なふたつの要素であるクリエイティブのインスピレーションと家族をひとつに融合させたものです。

デザインは、私にとって最大で最も普遍的なインスピレーションの源である海、特に海と空が交わりすべてがひとつに溶け込んでいくような、静けさに満ちた水平線から着想を得ています。それは静寂であると同時に動きでもある瞬間です。私が“バロン・モーメント(時間が止まったかのように感じられ、すべてが柔らかく広がっていく瞬間)”と呼んでいる感覚そのものです。波のように打ち寄せるダイヤモンドの配置が、その情緒をジュエリーとして表現しています。

Courtesy of Sophie Bille Brahe

このリングのエモーショナルな意味合いは、娘の誕生を祝して私に贈られたことで、さらに深まりました。その瞬間から、このリングは私の物語だけでなく、娘の物語とも切っても切れない存在になったのです。

このリングが娘の手に渡ったあとも旅が続いて、彼女自身の物語の一部となってくれることを願っています。単なるジュエリーとしてではなく、未来へと携えていける思い出として。感情を宿し、共有されたストーリーを通じて世代と世代を繋ぐ力――それこそが、私にとってのジュエリーの本当の美しさなのです。

ソフィ・ビル・ブラーエ:ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業後、金細工職人の経験を経て、2011年に自身の名を冠したデンマーク発のジュエリーブランド、ソフィ ビル ブラーエを設立。

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