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海沿いを歩いていると「おーい」背後から不気味な声。返事をしようとした瞬間「ダメだ」息を呑んだ理由

  • 2026.9.13

私の友人・雄介さん(仮名)は、子どもの頃、祖母から「お盆の海には近づいてはいけない」と言い聞かされていたそうです。大人になり、そんな話もすっかり忘れていたあるお盆の夜、海沿いを一人で歩いていると……?

祖母から聞かされていた話

子どもの頃、夏になると祖母から何度も聞かされていた話があります。「お盆の海には近づいたらいけないよ」「もし何か聞こえても、絶対に返事をしたらダメだからね」幼かった私は、祖母があまりにも真剣な顔で話すので、なんとなく怖く感じていました。

当時はお盆の時期になると海へ近づかないようにしていたものの、成長するにつれてその話を思い出すことも少なくなっていきます。大人になる頃には、私はすっかり気にも留めなくなっていました。

暗い砂浜から聞こえた声

ある年のお盆、地元へ帰省したときのことです。その日は久しぶりに友人と飲みに行き、夜遅くに一人で実家へ帰っていました。海沿いを歩く帰り道、ガードレールのすぐ下には砂浜が広がっています。昼間とは違って辺りは真っ暗で、聞こえてくるのは波の音くらい。

すると突然、暗い砂浜のほうから声が聞こえてきたのです。「……ねえ」

一瞬、気のせいかと思いました。しかし少し歩くと、今度は「……おーい」と、誰かを呼ぶような掠れた声が聞こえます。こんな時間に誰かいるのだろうか。そう思った私は、反射的に「誰ですか?」と答えようとしました。

蘇った祖母の言葉

ところが、声を出しかけたその瞬間。「絶対に返事をしたらダメだからね」子どもの頃、祖母から何度も言われていた言葉が、突然鮮明によみがえったのです。私はハッとして慌てて口を塞ぎました。それまで忘れていたはずなのに、なぜあの瞬間に思い出したのかは分かりません。

急に怖くなった私は、砂浜には目を向けずただ前だけを見て歩きました。後ろからまた声が聞こえてくるのではないかと気になりましたが、振り返らず、早足でその場を通り過ぎたのです。

窓から見えたもの

なんとか実家へたどり着き、玄関の扉を閉めた瞬間、ようやくホッとしました。少し気持ちが落ち着いた頃、2階の窓から見える海のほうへ目を向けました。すると……先ほど声が聞こえたあたりの海岸線に、白いものがいくつも見えたのです。

目を凝らしてみると、それは何十もの『白い人影』でした。全員が、じっとこちらを見上げているように見えます。私は背筋が凍り、すぐに窓から離れました。

あのとき、もし反射的に返事をしていたらどうなっていたのか……祖母の言葉を思い出していなければと考えると、今でもゾッとする出来事です。

【体験者:30代・男性会社員、回答時期:2025年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

EPライター:辻 ゆき乃
調剤薬局の管理栄養士として5年間勤務。その経験で出会ったお客や身の回りの女性から得たリアルなエピソードの執筆を得意とする。特に女性のライフステージの変化、接客業に従事する人たちの思いを綴るコラムを中心に活動中。

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