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「様子を見よう」“右腹部の痛み”を放置した50代男性→突然、高熱と激痛に襲われ…救急搬送先で告げられた病名に「深く後悔した」

  • 2026.10.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、麻酔科専門医の松岡雄治です。

脂っこい食事後に右腹部が痛み、家族から「顔が黄色い」と指摘されるも様子見をして就寝した50代男性のAさん。しかし夜間に突然の高熱と激痛に襲われ救急搬送されました。

診断は、胆汁の通り道に石が詰まる「急性胆管炎」と、細菌が全身に回る敗血症ショックでした。一命は取り留めたものの緊急処置や長期入院となり、平穏な日常を取り戻すまで時間を要したAさんは、「我慢したことを深く後悔した」と話しています。

今回は、右脇腹の痛みの裏で急速に進行する「急性胆管炎」のメカニズムを解説します。

「単なる胃腸炎」と「即受診すべき急性胆管炎」の境界線

「胃薬を飲んで一晩様子を見よう」「痛みが引けば大丈夫だろう」と思うのは、無理もないことです。

ただ、今回のケースを通して知っておいていただきたいのは、一般的な胃腸炎と、命に関わる急性胆管炎を分ける「決定的な境界線」です。
一般的な食あたりや胃腸炎は、嘔吐や下痢を伴うお腹全体の不快感が主ですが、急性胆管炎は「右のわき腹(右季肋部)の持続的な強い痛み」と「38度以上の高熱」が同時に襲ってきます。特に、胆石がある方や、脂っこい食事の後に右のお腹が痛む習慣がある方は、結石が胆管へ落ちやすい危険な状態です。

胆管が詰まると、わずか数時間で排泄されない黄色の色素(ビリルビン)が血液中に漏れ出し、白目が黄色くなる「黄疸」が現れます。この「右脇腹痛・高熱・黄疸」が揃ったときは、体内で細菌が血中にあふれ出ている非常に危険なシグナルなのです。

重症化する前に確認すべき3つのサイン

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

放置するとショック状態や意識障害を引き起こし(Reynoldsの五徴)、命に関わるため、身体が出しているSOSに気づくことが救命のカギとなります。以下の3つのサインに注意を払ってください。

1.右のわき腹やみぞおちの「うずくまるような激痛」

単なる胃もたれとは異なり、右上腹部に持続する強い痛みが現れるのは、胆管が詰まって伸び切っているサインです。

2. 悪寒戦慄(ガタガタ震える寒気)を伴う「38度以上の高熱」

胆管内で細菌が急速に繁殖し、全身の炎症反応が一気に跳ね上がっている証拠です。

3. 鏡で見ると「白目が黄色くなっている(黄疸)」

胆汁が血液中にあふれ出ている決定的なサインです。※黄疸が出る前の「右腹痛+高熱」の段階でも、ためらわずに受診してください。

いつもと違うお腹の不快感に気がついたら

「胃腸炎だと思って様子を見てしまった」「大げさに騒ぎたくなかった」というのは誰しも心当たりがあることだと思います。

しかし、もし右のわき腹の痛みとともに熱が出たり、鏡を見て白目が黄色いと感じたら、ためらわずに救急外来や消化器内科を受診してください。「この程度で受診していいのかな」と悩む必要はありません。早期であれば内視鏡を使った負担の少ない治療で石を取り除けることもあります。「いつもと違う」という違和感を大切にしてください。


※プライバシー保護のため、実際の症例をもとに一部の設定やエピソードを改変・再構成しています。

監修者・執筆:松岡 雄治
総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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