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50代男性「同じ奥歯に食べ物が挟まる…」→ある日、食事中に痛みが走り歯医者に行くと…医師から告げられた“驚きの原因”とは?

  • 2026.10.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、歯科医師の鷹巣多紀です。

食事のたびに、決まって同じ奥歯に食べ物が挟まることはありませんか?「フロス(歯の間を清掃する糸)で取れてしまえば、歯医者へ行くほどではない」と考えてしまう方も多いかもしれません。

今回は、毎晩しっかり手入れをしていたにもかかわらず、出張先で食事に困るほどのトラブルに見舞われた男性の事例を紹介します。 ※記事中の事例は、実際の症例をもとにプライバシー保護の観点から一部設定を変更・再構成しています。

出張先で歯茎が腫れ、食事もままならず

50歳の男性は、夕食後にフロスで奥歯の食べ物を取り除くのが習慣でした。毎回取れているので問題はないと考え、同じ場所に挟まることも気に留めていません。

やがてフロスに血が付き、口の中に嫌な味も感じるようになりました。それでも、食べ物が取れるとひとまず気にならなくなるため、受診は後回しです。仕事の忙しさもあり、出張を終えてから考えようと思っていました。

ところが、出張先で歯茎が腫れ、昼食を噛むと痛みが走りました。腫れた側では噛めず、食事が思うように進みません。いつものように取れば済む、とはいかなくなったのです。

男性は仕事の合間に受診できる歯医者を探し、電話で腫れと痛みを伝えました。帰宅後に診てもらうつもりが、出張先で診療の時間を確保しなければならなくなったのです。

現地の歯医者を受診すると、歯周病による深い歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)の周囲に炎症が起きていました。男性は腫れへの処置を受け、帰宅後も歯周病の治療に通うことになります。

なぜ同じ場所に食べ物が挟まるのか

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

食べ物が歯の間に強く入り込むことを、「食片圧入(しょくへんあつにゅう)」と呼びます。歯と歯の接触、虫歯、詰め物や被せ物の形、噛み合わせなどが関係するため、年齢だけでは説明できません。もちろん歯周病で歯が動き、隙間が変わる場合もあります。

隣り合う歯の接触が緩んでいれば、食べ物が入り込む余地ができてしまいます。噛み合わせや詰め物が関係している場合は、歯茎の処置に加え、その部分への対応も検討するため、原因の見極めが欠かせません。

フロスで食べ物を除くことは大切ですが、フロスで除いたからといって挟まりやすい状態まで直ったわけではありません。また、深い歯周ポケットの内部は、自分で行う清掃だけでは十分に管理しにくい場所です。今回のような腫れでは、もともとの歯周病なども調べる必要があり、挟まった食べ物だけを原因とは決められません。

歯医者では、歯同士の接触や詰め物に加え、歯周ポケットの深さ、出血、歯の揺れなどを確認します。必要に応じてエックス線写真も撮り、歯を支える骨や根の周囲を調べるのです。「いつから繰り返しているか」「噛むときだけ痛いのか」といった経過も、原因を調べる手掛かりになります。

同じように噛むと痛くても、歯茎の炎症とは別に、歯の中の神経や根の先の感染が関係している場合があります。歯のひびなども含めて区別しなければ、必要な処置を選べません。見えている食べ物を取るだけでなく、どこで何が起きているかを確認して治療を進めるのです。

歯茎が腫れたときの受診目安

毎回同じ所に挟まるなら、痛みがなくても相談してください。受診時には、場所と始まった時期、出血や嫌な味、噛んだときの痛みを伝えます。腫れて噛めない場合は、その日のうちに歯医者へ連絡し、早急な受診を相談しましょう。

顔まで腫れたり発熱したりした場合も、急いで診てもらう必要があります。息苦しさや飲み込みにくさを伴うときは、救急受診の対象です。

男性は帰宅後も受診し、出張先で受けた処置や腫れた経緯を伝えました。歯石の除去や清掃方法の確認を含め、原因に応じた治療を続けています。

「取ることばかり考えていました。繰り返す理由を、食事に困る前に調べてもらえばよかったです」と振り返っています。

フロスで取れても、繰り返すなら相談を

フロスで取り除けても、同じ場所に挟まる状態が続くなら、歯と歯茎を調べる機会にしてください。腫れや痛みを我慢する前に、繰り返していること自体を歯医者へ伝えましょう。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。

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