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食事中に“インプラントのかぶせ物”が動いた50代女性→痛くないからと放置するが…2週間後、起きた異変に「受診すればよかった…」

  • 2026.10.12
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。歯科医師の鷹巣多紀です。

食事中に歯の違和感があっても、痛みがなければ、すぐに歯医者へ連絡するか迷うかもしれません。次の検診が決まっていれば、なおさら待ちたくなるものです。

今回の56歳の女性も、普段どおり食べられていたため、しばらく様子を見ていました。2週間ほど使い続けてから受診した女性の事例を通して、歯医者で何を調べるのか、診てもらうまでに気をつけたいことを解説します。

「次の検診で」と待っていた2週間

56歳の女性Aさんが異変に気づいたのは、食事をしていたときでした。数年前に治療した下の奥歯のインプラント(人工の歯根)のかぶせ物がわずかに動く感じがあったのです。

次の定期検診は1ヶ月後でした。痛みも腫れもなく、普段どおり食べられたため、そこで相談すればよいと考えていたそうです。

ところが2週間ほどたつと、柔らかい物を噛んでも動きが気になるようになりました。このまま使い続けてよいのか気がかりになり、ようやく予約を早めて受診したのです。

 歯医者で分かった、連結部分のネジの緩み

歯医者では、かぶせ物の動きや噛み合わせ、周囲の歯茎や骨の状態を確認しました。診察で分かったのは、かぶせ物と本体をつなぐネジの緩みです。

インプラントは一般的に、骨の中に埋める本体、その上のかぶせ物、間をつなぐアバットメント(連結部分)という部品でできています。多くはネジを使って固定しますが、製品によって部品の組み合わせや固定方法は異なります。

口の中で見えるのは主にかぶせ物なので、動きを感じただけでは、どこに問題があるかは分かりません。本体まで動いているとは限らず、今回のように連結部分のネジが緩んでいることもあります。

女性はネジの緩みに対する処置を受けたあと、次に点検する時期も確認しました。「痛くなくても、早く受診すればよかった」と振り返っています。

痛みがなくても、そのまま噛み続けないで

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ネジが緩んでいても、痛みが出るとは限りません。食事ができるからと使い続けると、部品が破損するおそれがあります。

また、かぶせ物の動きの原因は、ネジの緩みだけではありません。部品の破損や、インプラントの周囲の歯茎・骨の問題が起きている場合もあるため、痛みの有無だけで受診するかどうかを決めないでください。

歯医者では、どの部分が動いているかを確かめ、歯茎の腫れや出血、噛んだときの当たり方を調べます。必要に応じて画像検査も行い、本体を支える骨の状態まで確認するのです。

ネジを締め直す処置で対応できることもあれば、部品の交換や噛み合わせの調整が必要なこともあります。周囲の歯茎などに炎症があれば、その治療も含めて考えるため、「締めてもらえば終わり」とは限りません。

受診までは触らず、外れた部品は持っていく

動きに気づいたら、まずは治療を受けた歯医者へ連絡しましょう。「いつから、何をしているときに動くのか」と、痛みや腫れがあるかを伝えてください。

例えば「食事中にかぶせ物が動く感じがあり、昨日より気になるけれど、痛みはない」と話せば、困っている様子が伝わります。原因を自分で調べてから電話しようと考える必要はありません。

診てもらうまでは、その側で硬い物を噛むのを控えましょう。気になっても、指や舌で揺らしたり、自分でネジを締めたりしないでください。

ネジを締めるには製品に合う器具が必要で、締め付け方にも決まりがあります。家庭用の道具や接着剤で直そうとせず、外れたかぶせ物や部品は保管して持参しましょう。外れた部品も、傷み具合や種類を確かめる手がかりになります。

次の検診を待つ前に、ひと言相談を

痛くないのに連絡してよいのかと、遠慮する必要はありません。「少し動く気がする」という段階でも、今の状態を伝えて、いつ診てもらえばよいか尋ねてください。

治療した歯医者なら、使った部品やこれまでの経過を確認しやすくなります。引っ越しなどで通えない場合は、別の歯医者に、治療を受けた場所や時期を伝えて相談しましょう。

手元に治療の記録があれば、持っていくと役立ちます。見つからなくても連絡を後回しにせず、何を用意すればよいか、電話で聞いて構いません。


執筆・監修:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。

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