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「PCやスマホを触るのが怖くなる」「デヴィッド・リンチを思わせるアプローチ」AI時代のリアルな恐怖を描いた『5秒で完全犯罪を生成する方法』を映画ファンはどう見た?

  • 2026.9.4

全編にわたりAIで作られた映画が次々誕生するなど、いまや社会のあらゆるところに入り込んでいる生成AI。そのなかでも身近な存在である“対話型AI”を題材にした『5秒で完全犯罪を生成する方法』が、9月11日(金)より公開される。

【写真を見る】『5秒で完全犯罪を生成する方法』を観た映画ファンの感想は?

『マスカレード・ホテル』(19)や『#マンホール』(23)といったミステリーを数多く手掛けてきた脚本家の岡田道尚が原案、脚本、プロデュースを務め、新世代のJホラーを担う『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』(25)の近藤亮太監督がメガホンを握る。

フリーライターの初海航(重岡大毅)のもとに、高校生の妹、幸来(原菜乃華)から助けを求める電話がかかってくる。航が慌てて駆けつけた先には、幸来が意図せず殺してしまった高校教師の遺体が転がっていた。

窮地に立たされた妹を救うべく、航は普段から使いこなしている生成AIに事件を隠蔽する方法を尋ね、AIの指示に従い猟奇殺人事件を装うアリバイ工作を行い、警察の事情聴取を乗り切ろうとするのだが…。

【写真を見る】『5秒で完全犯罪を生成する方法』を観た映画ファンの感想は? [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
【写真を見る】『5秒で完全犯罪を生成する方法』を観た映画ファンの感想は? [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

生成AIに「完全犯罪を成立させる方法を教えてください」とプロンプトを打ち込むことから幕を開けるこのサスペンスの公開に先駆け、MOVIE WALKER PRESSでは近藤監督と「友近サスペンス劇場」で知られる西井紘輝監督のトーク付き試写会を実施。「AIの力を借りて完全犯罪を企てる兄妹ははたして逃げ切ることができるのか!?」という犯人視点で展開するスリルや驚きの謎を描いた“倒叙ミステリー”の魅力を、ひと足早く鑑賞した観客のコメントと共にひも解いていきたい。

AIが身近になったからこそのリアルな恐怖!デジタルネイティブのZ世代も震撼

自分で思考せず、AIに支配されていく危うさを描いている [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
自分で思考せず、AIに支配されていく危うさを描いている [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

生成AIを使って仕事の原稿を書いている航のように、普段からAIを利用している人にとっては見慣れた光景が繰り広げられていく。プロンプトを打つとその5秒後には答えが羅列されていく無機質な画面、納得いかない答えに対して求めている方向へ催促するやりとり、そして思考を放棄しAIに従っていく脆さなど、生活と地続きのリアルさに恐怖を覚えた人も多かったようだ。

「仕事で毎日生成AIを使っていますが、提示されるプロンプトや手順の生々しさに鳥肌が立ちました。観終わったあと、自分のPCを開くのが少し怖くなるレベルです」(20代・女性)

「画面に5秒で無機質な文字列が表示される静寂の演出が、どんなホラーの怪物よりも不気味。思考をAIに委ねてしまう人間の脆さを見事に描いていると感じました」(30代・男性)

「AIが弾きだした『完全犯罪の最適解』があまりにも合理的で冷徹。日常生活で当たり前に使っているツールだからこそ、自分事として胸に突き刺さりました」(30代・女性)

SNSの声や警察の捜査により、幸来は追い詰められていく [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
SNSの声や警察の捜査により、幸来は追い詰められていく [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

また妹の幸来のように、普段からAIに触れている“Z世代”にとってもなじみが深い題材だけに、恐怖や危険を覚えたというコメントがずらりと並んでいた。

「現実で誰かが試してもおかしくないほど指示の内容が具体的で、映画の最初からずっと恐ろしい緊張感がありました。身近な便利さの裏にある危険性を実感します」(10代・女性)

「プロンプトの言い回しや言葉を少し変えるだけで、一度はブロックされた犯罪の回答まで鮮明に答えてしまう部分に、リアルな怖さを感じました」(20代・男性)

「全体を通してAIを使ってスラスラ進んでいくけれど、最後はどうなるのかまったく展開の予想がつかなくてゾッとしました」(20代・女性)

倒叙式ならではのスリル!二転三転する物語のおもしろさ

AIという題材に加え、本作でユニークなのが、映画冒頭でいきなり犯人と犯行や動機がすべて明かされる倒叙ミステリーであるところ。王道の謎解きミステリーとは異なり、罪を犯した兄妹は警察の捜査から逃げ切ることができるのか?いつ・どうやって犯行がバレてしまうのか?という緊張感を、兄妹の視点で味わうことができる。

逃げ切れるのかという犯人視点の物語がスリルを生みだす [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
逃げ切れるのかという犯人視点の物語がスリルを生みだす [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

「事情聴取のシーンや指紋を求められる場面の緊張感がすごかった。犯人側に完全に感情移入して観てしまうので、逃げ切れるのかどうか胃が痛くなるほどの没入感でした」(20代・女性)

「刑事たちの捜査の手が兄妹に迫るたびに『捕まってしまうのでは…』と自分まで焦ってしまい、終始手に汗握りっぱなしでした」(20代・女性)

さらに物語の中盤で、死体の右手親指を切り、死化粧を施すという偽装工作が世間を騒がせる3件の連続殺人と瓜二つということが判明。兄妹のもとに3本の親指が届いたり、航が何者かに鉄道駅のホームから突き落とされそうになったり、連続殺人と同じ手口が描かれた小説の存在が明らかになったり…予想だにしなかった怒涛の展開が繰り広げられていく。

事件を動かす第3の人物の存在など、ミステリーとして二転三転する展開が心地よい [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
事件を動かす第3の人物の存在など、ミステリーとして二転三転する展開が心地よい [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

「AIの指示通りに完璧に隠蔽したはずなのに、まったく身に覚えのない連続殺人事件の手口と被ってしまう展開に『そう来るか!』と鳥肌が立った。犯人視点で追い詰められていくスリルが最高です」(30代・男性)

「単に警察から逃げるだけでなく、アマチュア作家の出現や予期せぬトラブルで犯人側がどんどん泥沼にはまっていく構成が秀逸。伏線が裏返っていくミステリーとしての爽快感も抜群でした」(30代・男性)

「どこで誰に見られているかわからない極限状態のなか、主人公の焦燥感とプレッシャーが痛いほど伝わってきました。最後まで読めない怒涛の展開に圧倒されます」(20代・女性)

二転三転しながら、主人公たちがじわじわと追い詰められていく、ミステリー&サスペンスとしての妙味を味わえる緻密な物語には好評の声が寄せられた。

重岡大毅、原菜乃華が映し出す追い込まれた人間の感情

一般人が思いもよらぬ状況に巻き込まれていくという本作を支えているのが、キャスト陣の熱演だ。主人公の航を演じたのは、原案の岡田道尚とプロデューサーの松下剛がファーストチョイスだったと口をそろえる重岡大毅。妹を思う優しさに加え、思いの強さゆえに間違った方向に暴走してしまう愚かさなど人間臭さをスクリーンに映し出す。

影のある表情まで、人間味のある演技を見せている重岡大毅 [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
影のある表情まで、人間味のある演技を見せている重岡大毅 [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

「妹を守るためにどんどん泥沼にはまっていく、正義と悪の狭間で葛藤する表情が人間臭くてすばらしい。必死な時の『目の演技』に強く引き込まれました」(20代・女性)

「これまで見たことのない重岡さんのソリッドでダークな一面が見られて、役者としての凄みに圧倒されました」(40代・女性)

「誰かを守りたいという一心で判断を誤ってしまう兄の愚かさと温かさを完璧に演じていた。サスペンスでありながら最後は兄妹の絆に泣かされます」(30代・男性)

そんな兄を信頼する“ザ・妹”な一面に加え、警察から向けられる疑惑の目に怯え、疲弊していく様子まで妹・幸来役の原菜乃華は多彩な演技で実力を発揮している。

多彩な顔でキャラクターの心情を表現する原菜乃華 [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
多彩な顔でキャラクターの心情を表現する原菜乃華 [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

「絶望的な状況下で兄にすがりつく表情のグラデーションがすごい。追い詰められていく女子高生の揺れ動く感情を完璧に表現されていました」(20代・女性)

「『私はわるくない』と主張するかわいらしい妹から、ゾワッとする冷酷さまで、彼女の持つ高い演技力に脱帽しました」(20代・男性)

「原菜乃華さんの怯える演技と涙のリアルさに終始息をのんだ。妹らしさ満開の守ってあげたくなる儚さと無邪気さがあるからこそ、緊張感が際立っていました」(30代・女性)

兄妹を不審に思う警察コンビからもくせ者感が漂う [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
兄妹を不審に思う警察コンビからもくせ者感が漂う [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

そして、「伊藤歩さん演じる一堂刑事が、静かな違和感を絶対に見逃さずに詰めていく姿がとにかく格好いい!事件の裏にある生々しい感情を察知する鋭い眼光に痺れました」(30代・男性)、「九十九黄助さんの真面目なお堅い警察官役が新鮮でした!いつもの活動とは違うシリアスで引き締まった演技が見られて大満足です」(20代・女性)といった刑事コンビを演じる伊藤歩と九十九黄助へのコメントも!そんな実力者が名を連ねるなかで、連続殺人事件の容疑者として異様な存在感を放つのが田中みな実だ。

独特の存在感を活かし、疑惑の人物である七希に扮する田中みな実 [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
独特の存在感を活かし、疑惑の人物である七希に扮する田中みな実 [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

ある目的から兄妹に接近する舞台女優、七希は「ミステリアスで不気味な存在感が圧倒的で、いい意味で田中みな実さんが嫌いになりそうなほど(笑)。ストーリーを大きく揺さぶるキーパーソンとして最高でした」(40代・女性)とあるように物語を狂わせるキーマン。「人間味があるようにも無感情なロボットのようにも見える絶妙な佇まいに息をのんだ。彼女が画面に映るたびにスクリーン全体の緊張感が跳ね上がります」(40代・女性)など、絶妙な表情で作り上げるミステリアスな人物像にクギ付けにされたようだ。

七希が生成AIで作り上げたモリアーティを石丸幹二が雰囲気たっぷりに演じる [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
七希が生成AIで作り上げたモリアーティを石丸幹二が雰囲気たっぷりに演じる [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

さらに七希の脳内で作り上げた生成AIのモリアーティとの映像化されたやり取りも「鏡やガラスなど反射物にだけ現れる演出がスタイリッシュでいて最高に不気味」(40代・男性)と蠱惑的。演じた石丸幹二にも「実体がないAIのはずなのに、画面越しに圧倒的な圧迫感を与えてくる。モリアーティが背後に現れるシーンの音響と佇まいの恐ろしさは夢に出てきそうです」(10代・女性)など、コメントが数多く寄せられていた。

映画ファンを唸らせる、巨匠を参考にした近藤監督の演出の妙味

これら俳優陣の演技を引き出すと同時に、確かな演出の手腕を発揮し、不穏な雰囲気を作り上げている近藤監督。『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』でも炸裂したじわじわとしたカメラワークをはじめ、卓越した演出センスは今作でも健在だ。

メガホンを握るのは新世代Jホラーの注目株、近藤亮太監督 [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
メガホンを握るのは新世代Jホラーの注目株、近藤亮太監督 [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

例えば、取り調べのシーンなど随所で使われる長回し。「カットを極力割らずに見せる長回しのシーンが多く、まるで自分が事件現場の部屋の隅に立たされているような胃が痛くなる緊張感がありました。静寂と静かなカメラワークの美しさに引き込まれます」(20代・男性)とあるように、緊迫感や不安感を煽る。

また七希とモリアーティとの抽象空間でのやり取りは「鏡やガラスだけに映るモリアーティの不気味な描写や、セリフの響かせ方、光と影を巧みに使った抽象的な空間演出など、デヴィッド・リンチを思わせる映画的アプローチに痺れました」(30代・男性)と言及している人もいるように、近藤監督は「ツイン・ピークス」に登場する“ブラック・ロッジ”や『インランド・エンパイア』(06)を意識したそうで、不穏な雰囲気がスクリーンにつきまとう。

生成AIとのやり取りを抽象空間で表現するなど近藤監督の演出センスが光る [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3
生成AIとのやり取りを抽象空間で表現するなど近藤監督の演出センスが光る [c] 2026 Gaga Corporation/Storm Labels Inc./Studio i3

「突然の音で大袈裟に驚かせる手法ではなく、絶え間なく低く響くBGMや迫力ある足音、ガラスの割れる音など、音響効果でじわじわ追い詰められていく演出が見事」(20代・女性)

「作品全体を包む暗めのライティングと不気味な空気感がたまらない。人間の心の闇と照明の明暗が見事にリンクしていて、映画館の暗闇と大音響で鑑賞するのにふさわしい至高のスリラーです」(30代・男性)

細部までこだわり抜かれた演出、映像には、目の肥えた映画ファンも納得だったようだ。

「ミステリーやサスペンス好きはもちろん、普段からスマホでAIを使っているすべての人に勧めたい!『ラストまで絶対に結末を予測できない』衝撃と、明日からスマホを触るのが少し怖くなるリアリティを、ぜひ劇場の暗闇で体験してほしいです」(30代・女性)

「犯人は最初からわかっているはずなのに、1分先すら展開が読めない怒涛のどんでん返し!タイトルから想像するイメージをいい意味で裏切られるので、予備知識ゼロの状態で映画館の大スクリーンと音響で食らってほしい傑作です」(30代・男性)

「妹のために奔走する泥臭い兄の葛藤とせつない絆に、ノンストップサスペンスでありながら最後は胸が熱くなりました」(30代・女性)

「近藤監督の鋭い映像演出と実力派キャスト陣の火花散る演技合戦が凄まじい本格派シネマ。配信待ちではなく、劇場で観てこそ完成する最高の衝撃作です!」(40代・男性)

といった絶賛が並ぶように、練られた物語、キャストの熱演、監督の手腕によって、斬新なテーマをエンタメへと昇華している『5秒で完全犯罪を生成する方法』。AIが5秒で弾き出した「完全犯罪の最適解」の果てに待つ、驚愕の結末とは!?劇場に足を運んで、その目で確かめてほしい。

構成・文/サンクレイオ翼

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