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35万円かかったのに…「買主がローンを組めない」2台用カーポートの後付けが引き起こした思わぬ事態

  • 2026.10.4
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。家を売るときの査定では、建物だけでなく、住んでいる間に後から付けたカーポートや物置も見られます。

今回は、後から付けた2台用のカーポートが原因で、売り出す前に撤去することになった事例を紹介します。

雨の日の乗り降りを考え、2台用のカーポートを設置する

Wさん(36歳・会社員)は、妻(34歳・会社員)と保育園に通う長男(5歳)の3人家族です。3年前に建売の戸建てを購入して入居しました。家の前の駐車スペースは屋根のない2台分で、車は夫婦で1台ずつ持っています。

Wさんは車で通勤し、妻は長男を保育園へ送ってから出勤するため、2台とも毎朝使っていました。屋根がないため、雨の日になると、夫婦とも乗り降りのたびに濡れてしまいます。

妻は長男をチャイルドシートに乗せてベルトを締める間、傘を差せないことに不便さを感じています。そこで入居翌年の春、2台分をまとめて覆うカーポートの設置を決めました。

ホームセンターで、屋根が幅5.4m×奥行き5.0mの2台用カーポートを工事付きで申し込み、設置しました。かかった費用は35万円です。

売却の査定で建ぺい率の上限を超えていると指摘される

今年の春、Wさんに転勤が決まり、家を売ることにしました。査定に来た仲介会社の担当者は、家を買ったときの書類で家の広さを確かめてから、カーポートの屋根を見上げて言いました。

「カーポートも建物なので、建ぺい率の面積に入るんです。この家は、カーポートの分で建ぺい率の上限を超えています。カーポートを付けたときに、建築確認の申請はされましたか」

Wさんが申請していないと答えると、担当者は建ぺい率について説明してくれました。この土地に建てられる建物の広さは、敷地120㎡の6割にあたる72㎡までと決まっています。家だけで66㎡を使っているため、残りは6㎡しかなく、2台用のカーポートは収まりません。

このままだと買主が住宅ローンを組めないこともあると聞き、Wさんはカーポートを撤去することにしました。

Wさんがホームセンターに連絡し確認すると、建築確認の申請が必要なことを伝えずに工事をしていたと謝罪がありました。話し合いの結果、今回は、撤去を店の費用で行うことになりました。

カーポートを付ける前に販売店へ聞いておくこと

Wさんの家のように、家だけで建ぺい率の上限近くまで使っていると、後からカーポートを付ける余裕がないことがあります。申し込む前に、家を買ったときの書類を販売店や外構会社に見せ「建ぺい率に収まりますか」「建築確認申請は必要ですか」と聞いてみましょう。

防火地域や準防火地域では、広さにかかわらず建築確認の申請が必要です。それ以外の地域でも、10㎡を超えるカーポートは工事の前に申請が必要です(申請不要でも建ぺい率などの規定は守る必要があります)。見積もりに申請の費用が含まれているかも、あわせて確かめてみてください。

参考:
プレハブ物置・カーポートを販売されている事業者様へ ご注意ください(福岡市)
カーポート等の「高い開放性を有する構造の建築物」の建築面積の取扱いについて(香川県)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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