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「忙しくて忘れていました」バッテリー交換を先延ばしにした男性が数日後にレッカー搬送された理由

  • 2026.9.23
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

バッテリーが上がってエンジンが始動しないとき、ジャンピングによって再びエンジンがかかると、「これで乗れる」とホッとするものです。ただし、ジャンピングはあくまで始動できないクルマを一時的に動かすための処置です。弱ったバッテリーそのものが元の状態に戻ったわけではありません。

実際に、ジャンピングでエンジンを始動できたあと、バッテリー交換を後回しにしたことで、数日後に再びクルマが動かなくなったケースがありました。

ジャンピング後に確認しておきたいこと

Aさん(30代・男性)から、クルマのエンジンがかからないと相談を受けました。

現場で確認するとバッテリーが上がっていたため、ジャンピングを行うことに。作業後は無事にエンジンが始動しました。ここで安心してしまいがちですが、念のためバッテリーの状態を確認しました。測定したところ、バッテリーは良好とはいえない状態でした。今後も安心して乗るためには、早めの交換が必要です。

そのことをAさんに説明すると、

「ありがとうございます。早めに交換します。そのときはお願いします」

とのことでした。

Aさん自身も、バッテリーに不安を感じていたようです。以前にも友人の家でクルマのバッテリーが上がり、友人のクルマを使ってジャンピングをした経験がありました。そのため、Aさんご自身も交換の必要性は十分に理解されていたようです。ところが、仕事が忙しく、すぐに整備工場へ持ち込むことはできませんでした。さらに、エンジンが始動していると、「次の休みに交換すればいい」と考えてしまい、結果、先延ばしにしてしまったのです。

しかし、この判断が思わぬトラブルにつながりました。

数日後、外出先でエンジンが始動しない

それから数日後、Aさんは買い物へ出かけました。

行きは問題なく走ることができたものの、用事を終えて帰ろうとしたところ、エンジンがかかりません。前回のように近くでジャンピングできる状況でもありませんでした。そこでロードサービスを手配し、クルマを搬送することに。

入庫後に状態を確認すると、バッテリーは完全に放電している状態。前回の点検時から改善されていなかったこともあり、今回はバッテリーそのものを交換することになりました。

新しいバッテリーに交換すると、エンジンは問題なく始動しましたが、Aさんは、

「あのとき交換しておけばよかったです。ジャンピングをすれば、少し充電されて、そのまま使えると思っていました」

と話していました。

ジャンピングはバッテリー交換の代わりにはならない

バッテリー上がりの際に行うジャンピングは、エンジンを始動させるための応急処置です。

外部から電力を補うことでエンジンを始動できても、それだけで劣化したバッテリーが回復するわけではありません。もちろん、バッテリー上がりの原因が一時的な電力消費であれば、走行によってある程度充電されることもあります。しかし、バッテリーそのものが劣化している場合は別です。

一度エンジンがかかったとしても、エンジンを停止したあと、再び始動できなくなる可能性があります。

さらに、エンジンがかからない原因がバッテリーだけとは限りません。

クルマには、エンジンの動力を利用して発電し、電装品へ電力を供給したりバッテリーを充電したりするオルタネーターがあります。ここに異常があれば、走行していてもバッテリーが十分に充電されず、バッテリー上がりを繰り返すことがあります。

そのため、バッテリーが上がったときは、ジャンピングだけで終わらせず、バッテリーの状態や充電系統まで確認することが重要です。

「まだ乗れる」が突然の足止めになることも

バッテリー交換を勧められても、実際にエンジンがかかっていると、すぐに交換する必要性を感じにくいかもしれません。

また、バッテリーは車種によって価格が異なり、近年のクルマにはメインバッテリーとは別に補機バッテリーを搭載しているものもあります。補機バッテリーでも、交換費用が1万円から数万円になるケースがあります。

そのため、「今は問題なく走れるから、もう少し先でいい」と考えてしまうこともあるでしょう。

しかし、Aさんのように交換を先延ばしにした結果、外出先で再び動けなくなれば、ロードサービスの手配が必要になる場合があります。しかも、クルマが止まるタイミングは選べません。仕事へ向かう途中や買い物先、旅行中などでエンジンがかからなくなれば、予定を大きく変更しなければならなくなることもあります。

バッテリーは、劣化が進んでいても、必ずしも事前に分かりやすい症状が出るとは限りません。

「一度バッテリーが上がった」「点検で状態が悪いと言われた」「交換を勧められた」という場合は、エンジンがかかっていることだけを理由に安心せず、早めに点検・交換を検討しましょう。

ジャンピングでクルマが動いたことと、バッテリーが元気になったことは別の話です。

「あとで交換しよう」という小さな先延ばしが、思わぬ場所での立ち往生につながることもあります。バッテリーに不安があるときこそ、動いているうちに対処することが大切です。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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