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アリアナ・グランデ、45曲流出でハッカーを提訴

  • 2026.8.21

2026年7月に匿名の「John Doe」被告らを相手取って訴訟を起こしたアリアナ・グランデが、ハッカーの身元特定に向けて動きを進めている。(フロントロウ編集部)

2019年から続いていた「多段階のハッキング」

今年7月27日、アリアナはロサンゼルス郡上級裁判所に「John Doe 1」および「John Does 2~100」とする匿名被告らを相手取り、民事訴訟を起こした。訴状によれば、不正アクセスは2019年に遡る。まず写真家が使っていたDropboxアカウントが標的になり、翌2020年にはプロデューサーのモバイル端末に侵入。さらに2024年1月と2月には、写真家になりすましたGmailアカウントやドメインを使い、デジタルテクニシャンを狙ったフィッシングが行われたと主張している。複数年にわたって繰り返された一連の不正アクセスだったとアリアナ側は主張している。

被害の規模は驚くほど大きい。訴状では、2011年の音楽デビュー以降、同様のリークが数百件発生したと主張しており、2023年だけで45曲の未発表曲が盗まれ、流出したと訴えている。未発表曲「Fantasize」も流出した楽曲のひとつとされている。盗まれたとされる素材は楽曲にとどまらず、写真、レコーディングセッションの映像、ミュージックビデオ、舞台裏の写真・映像、撮影時のアウトテイクなど多岐にわたり、PayPalやCash Appで販売されたのち、X・Instagram・Discord・TikTokなどに次々と投稿されていた。

ハッカー特定に向け「迅速な証拠開示」を申請

訴訟を起こしてから間もなく1か月。アリアナ陣営が次の手として動いたのが、犯人の特定だ。裁判所文書によると、アリアナ側は匿名被告を特定するため、インターネット上のプラットフォームなど第三者が保有する情報を召喚状によって取得できるよう、迅速な証拠開示を求めていた。

サブポーナとは、裁判手続きにおいて証言や資料の提出を法的に求める召喚状のこと。今回、アリアナ側は匿名アカウントの利用者を特定するため、第三者が保有するアカウント、加入者、ログイン情報などの取得を求めている。匿名アカウントの利用者を特定し、被告らの身元にたどり着くことが狙いだ。

アリアナ側は、対応が遅れれば被告を特定するために必要なアカウント、加入者、ログイン情報が失われる可能性があるとして、迅速な証拠開示を求めていた。ロサンゼルス郡上級裁判所のマーク・H・エプスタイン判事は8月18日、アリアナ側が求めていた迅速な証拠開示を認めた。これにより、アリアナ側は匿名被告の身元特定につながる情報を取得するため、第三者に召喚状を出すことが可能になった。

金銭より「返還」と「禁止命令」を優先

アリアナ側は、損害賠償に加え、盗まれた素材の返還や今後の流出を防ぐ差し止め命令などを求めている。訴状では、盗まれた素材の返還や流出を防ぐための差し止め命令などを求めている。アリアナ側は、被告らの身元を特定して責任を追及するとともに、さらなる流出を防ぐことを目指している。

現在「Eternal Sunshine Tour」の最終公演地ロンドンで公演を行っているアリアナは、9月1日のツアー終了後、公の活動から一時的に距離を置く予定だ。長年続いてきた未発表作品の流出をめぐり、法的手続きを通じて匿名の被告らの身元特定と責任追及を進めている。今後は、召喚状によって得られる情報から匿名被告らの身元を特定できるかが焦点となる。

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